お化けを怖がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
ハロウィンの飾りを見たとたん、目をそらして固まってしまう。絵本のお化けのページが出てくると、「とばして!」と泣き出してしまう。そんなふうに、お化けを怖がる子の姿を見て、どう声をかけたらいいのか迷ったことはありませんか。
10月も終わりに近づき、街やお店にハロウィンの飾りが増えてきました。にぎやかな季節だからこそ、「うちの子は、どうしてこんなに怖がるんだろう」と気になる方もいるかもしれません。
この記事では、お化けを怖がる子が感じていることや、怖さが強くなりやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。怖がる気持ちを、少しでも安心につなげられるようなヒントをお届けします。
お化けを怖がる子が心の中でふくらませている、見えないものへの想像

お化けは、実際には見えないものです。それなのに、子どもが本気で怖がるのは、想像する力が育ってきているからだと言われています。
3〜5歳ごろになると、頭の中で場面を思いうかべたり、お話の続きを考えたりする力が、ぐんと伸びる時期です。この力は、遊びや学びにとても大切なものですが、同時に「見えないものが、そこにいるかも」という怖さも生み出します。
大人は「お化けなんていないよ」と言えば安心すると思いがちです。でも、子どもにとっては、頭の中ではっきり見えているものを、否定されたような気持ちになることもあります。
たとえば、夜の暗い部屋で、カーテンが風でゆれたとき。昼間なら何でもないものが、「お化けかも」と思えて、急に怖くなる場面を想像してみてください。
また、「いないと分かっていても、怖いものは怖い」という気持ちは、大人にもありますよね。ホラー映画が苦手な人がいるのと同じように、怖さの感じ方には個人差があります。
お化けを怖がることは、想像力が豊かに育っている証拠だと考えることもできます。まずは、「怖いんだね」と、その気持ちをそのまま受けとめてあげましょう。
想像力の発達は、子どもによって早さがちがいます。ある日から急に怖がるようになった、という変化も、成長のあらわれのひとつだと言われています。
お化けを怖がる子が、絵本やテレビ、飾りの見た目で受けとる強い印象

お化けの絵や飾りには、目が大きかったり、口が裂けていたり、白い布がひらひらしていたりと、インパクトの強い特徴があります。大人から見ればかわいいデザインでも、子どもには強い刺激になることがあります。
特に、かぼちゃのランタンのように、顔が暗闇の中でぼんやり光っているものは、「こっちを見ている」と感じられて、怖くなる子もいるようです。目がずっとこちらを向いているように見えるのが、苦手なのかもしれません。
テレビの番組やアニメでお化けが出てくる場面では、音楽や効果音も大きな影響を与えます。急に大きな音がなると、お化けそのものより、その音にびっくりしてしまうこともあります。
絵本の場合も同じです。お化けが急に出てくるページや、暗い色づかいの絵が、強い印象として残ることがあります。一度見たものが、夜になっても頭からはなれなくなる子もいます。
たとえば、昼間に見たお化けの絵が、夜に電気を消したあと、ふいに思いうかんでしまうことがあります。こうした記憶の残り方も、怖さが続く理由のひとつです。
怖がる様子を見て、「これは見せないほうがいいかな」と迷う方もいるでしょう。無理に避けすぎなくても、少しずつ慣れていく方法もあります。この点は、のちほどくわしくふれます。
暗い場所が怖い子については、こちらの記事でも取り上げています。

子どもは、大人が思う以上に、見たものをそのまま心にとりこみます。怖い場面を見たあとは、少し時間をおいて、気持ちが落ち着くのを待ってあげましょう。
見たあとに、「どこが怖かった?」と聞いてあげると、気持ちを言葉にするきっかけになります。話しているうちに、怖さが少しずつやわらぐこともあります。
お化けを怖がる子にとって、暗さや音、ひとりの時間が重なったときの不安

お化けへの怖さは、昼間より夜に強くなる子が多いようです。夜は暗くなるうえに、おうちの中も静かになり、小さな物音がよく聞こえます。
さらに、夜は「ひとりになる」時間でもあります。布団に入って、親が部屋を出ていくと、急に心細くなる子もいます。怖さと心細さが重なると、不安がぐっと大きくなるのです。
たとえば、廊下の暗がりや、クローゼットの奥など、見えにくい場所が気になる子もいます。「そこに何かいるかも」という気持ちが、頭から離れなくなることがあります。
また、疲れている日や、環境が変わった時期は、いつもより怖がりやすくなることもあるようです。入園や進級、引っ越しなど、気持ちが張りつめているときは、小さなことでも不安に感じやすくなります。
そんなときは、「怖がりになった」と心配しすぎず、「今は不安が強い時期なんだな」と、ゆったり見守ってあげてください。時期によって波があることも、よくあることだと言われています。

うちの子、最近、夜になると「お化けがくる」って言うの。わたし、てっきり、ただの甘えだと思ってたんだけど…。

それは違うわん!本当に怖いと感じてるのかもしれないんだわん。甘えとは別の、大切なサインかもしれないわん。
夜の怖さをやわらげるために、昼間のうちに楽しい時間をたっぷり作っておくのも、ひとつの方法です。体を動かしたり、親子でゆったり遊んだりすると、夜に気持ちが落ち着きやすいと言われています。
寝る前に見るものも、少し気にしてみてください。刺激の強い映像や、にぎやかな遊びは、寝る時間の少し前までにしておくと、気持ちを切り替えやすくなります。
お化けを怖がる子が、夜やハロウィンの時期に困りやすい場面
お化けを怖がる子が、布団に入ってから眠れなくなるとき

「お化けがくるから、ひとりで寝られない」と言われると、親も困ってしまいますよね。お化けを怖がる子の就寝前のようすは、ご家庭によってさまざまです。
たとえば、「電気を消さないで」「ドアを開けておいて」「そばにいて」と、何度も頼まれる、というケースがあります。眠る前の不安が強くなる時間帯なのかもしれません。
布団の中で、一人で暗い天井を見ていると、頭の中でいろいろなことが浮かんできます。大人でも、夜になると考えごとが大きくなることがありますよね。
ここでは、眠る前に気持ちを落ち着けるための工夫を、3つあげてみます。
眠る前の「怖い」をやわらげる工夫
・小さなライトをつけて、真っ暗にしすぎない
・寝る前の10分は、静かな絵本や歌で気持ちをゆるめる
・「ここにいるよ」と声をかけて、すぐそばにいることを伝える
お気に入りのぬいぐるみに、「お化けから守ってね」と、おまじないのように声をかける方法もあります。自分を守ってくれる味方がいると感じると、安心しやすい子もいます。
ただ、毎晩の寝かしつけで親も疲れてしまいます。「今日は特別に、5分だけ」と、時間の目安を決めておくと、親子ともに気持ちの見通しが立ちやすくなります。
もちろん、完璧にこなす必要はありません。うまくいかない日があっても、「また明日」と気持ちを切り替えて大丈夫です。
眠る前の怖さは、「暗さ」「静けさ」「ひとりになる心細さ」が重なって強くなると言われています。どれかひとつでも減らせると、気持ちがらくになることがあります。
寝室の環境を、少し見直してみるのもいいでしょう。ベッドの周りに、怖く見えそうなものが置かれていないか、カーテンの影が不気味に見えないか、親が子どもの目の高さに立って確かめてみてください。
夜の怖さは、年齢が上がるにつれて、少しずつ落ち着いてくる子も多いと言われています。今は大変でも、いつか笑って話せる日がきます。
お化けを怖がる子が、ハロウィンの仮装やイベントで戸惑うとき

ハロウィンは、街にも園や学校にも、お化けの飾りや仮装があふれるイベントです。楽しいはずの行事なのに、怖くて参加できない子もいます。
特に、仮装した人が顔をかくしていると、「中に誰がいるのか分からない」ことが怖さにつながりやすいと言われています。白い布をかぶったお化けの姿は、子どもにとっては、大人が思うより衝撃的なのかもしれません。
また、いつも知っている友達やおうちの人が、仮装によっていつもと違う姿になることに、戸惑う子もいます。「声は同じなのに、顔が見えない」という状況が、不安をよぶこともあるようです。
たとえば、園のイベントで先生がお化けの格好をしたとき、泣いてしまう子もいます。参加するかどうかは、その子の気持ちを見ながら、無理をしないことも大切です。
「みんなと同じようにできていないのでは」と心配になるかもしれませんが、ハロウィンの楽しみ方は、仮装だけではありません。かぼちゃのお菓子づくりや、飾りづくりなど、怖くない楽しみ方もたくさんあります。
子どもの怖さに寄りそってあげることが、結果的に、行事を楽しい思い出にする近道になることもあります。
雷など大きな音への怖さについては、こちらの記事でも取り上げています。

ハロウィンのイベントでは、仮装した人と、仮装していない人の両方が見える場所にいると、安心しやすい子もいます。遠くから見ているだけでも、十分に参加している、と考えて大丈夫です。
もし参加するなら、「怖くなったら、すぐ教えてね」と約束しておくと、気持ちにゆとりが生まれます。子どもが自分で「もうおしまい」と言える環境を整えてあげましょう。
お化けを怖がる子と一緒にできる、家庭での工夫
お化けを怖がる子の気持ちを受けとめて、見通しを伝える工夫

お化けを怖がる子には、まず気持ちを言葉にしてあげることが、安心の入り口になります。「怖かったね」「ドキドキしたね」と、子どもの気持ちを代わりに言葉にすると、「分かってもらえた」と感じやすくなります。
そのあとで、「ここには、パパもママもいるよ」と、今いる場所の安全を伝えてあげます。「お化けなんていないよ」と否定するかわりに、「いまは安心だよ」と伝えるイメージです。
また、怖いと感じる場面の前に、「これからこんなことがあるよ」と、見通しを伝えておくのも効果的です。たとえば、ハロウィンのイベントなら、「仮装した人がいるけど、中は先生だよ」と先に話しておくと、不安がやわらぐことがあります。
仮装した人の顔や姿を、イベントの前に見せておく方法もあります。マスクや衣装をとったところを見せておくと、「中に知っている人がいる」と分かって、落ち着く子もいます。
怖がる気持ちを、無理になくそうとしなくても大丈夫です。怖がりながらも、そばに誰かがいるという経験が、少しずつ安心感を育てていくと言われています。
親が落ち着いた声と表情で接することも、大切なポイントです。子どもは、親の様子をよく見て、「大丈夫なんだ」と感じとります。親の安心が、子どもの安心につながるのです。
もちろん、親だって不安になったり、疲れたりする日があります。そんなときは、深呼吸を一回して、「今日はこれくらいで十分」と、自分にもやさしくしてあげてください。
お化けを怖がる子が、絵本や遊びを通して少しずつ慣れていく方法

お化けを「怖いもの」から「ちょっと身近なもの」に変えていく方法もあります。たとえば、かわいいお化けが出てくる絵本を、親子でいっしょに読んでみるのです。
絵本の中には、お化けがいたずら好きだったり、さみしがり屋だったり、やさしい性格だったりするものがたくさんあります。そうしたお話に触れることで、お化けに対するイメージがやわらぐ子もいます。
絵を描く遊びも、ひとつの方法です。「お化けの絵を描いてみよう」と声をかけて、好きな顔や表情を自由に描かせてあげます。自分で描いたお化けは、不思議と怖くなくなることもあるようです。
白い紙を使って、いっしょにお化けを作ってみるのも楽しいですね。目や口をシールではったり、色をぬったりして、自分のお化けを作ると、愛着がわくこともあります。
ただし、これらは「慣れさせるための訓練」ではありません。子どもが楽しんでいれば続け、いやがるそぶりがあれば、すぐにやめて大丈夫です。
親が「怖がってはいけない」と焦らず、子どものペースに合わせることが、いちばん大切です。

お化けの絵を描いたら、笑って見せてくれたの!えへへ…うちの子の絵、ちょっとかわいかったかも。

それはいい工夫だわん!自分で描いたお化けは、怖さがうすれることがあるんだわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
ごっこ遊びも、ひとつの方法です。ぬいぐるみを使って、「お化けが来たよ!」「大丈夫、ぼくが追いはらうよ!」と、子どもが主役になれる場面を作ってみてください。自分が強い側になれる体験は、自信にもつながります。
まとめ:お化けを怖がる子と、ゆっくり安心を育てていく
お化けを怖がる子の気持ちを、まるごと受けとめるという考え方

お化けを怖がる気持ちは、想像する力、暗さや音、疲れや環境の変化など、いくつかのことが重なって生まれます。怖がることは、成長のひとつの形とも言われています。
無理に怖さをなくそうとするより、「怖いよね」と、そばで気持ちを受けとめるほうが、結果的に、子どもは安心しやすくなります。
ぬいぐるみやお気に入りのブランケットなど、安心できるものをそばに置いてあげるのも、ひとつの方法です。子どもは、そうしたものを心の支えにして、少しずつ夜を乗りこえていきます。
たとえば、「このぬいぐるみは、お化けから守る係だよ」と役割を与えてあげると、怖さが少しやわらぐ子もいます。自分の味方を見つける感覚が、安心につながるようです。
すぐに変化が見えなくても、あせらなくて大丈夫です。子どもの怖がり方は、成長とともに少しずつ変わっていくものです。

怖がるのは悪いことじゃないんだね。わたしも、いっしょに安心できるお手伝いをしてみようかな。

そうだわん。ママのそばにいるだけで、子どもにとっては心強いんだわん。ゆっくりでいいんだわん。
親としては、早く怖がらなくなってほしいと思うこともあるでしょう。でも、その気持ちをぐっとこらえて、今の子どもの気持ちを大切にすることが、結果的に近道になることもあります。
怖がる様子を、「困ったこと」ととらえるか、「成長の途中」ととらえるかで、親の気持ちも少し変わってきます。
一人で抱え込まず、お化けを怖がる子と一緒に進んでいく

お化けを怖がる子を見守るあなたも、毎日、本当によくがんばっています。夜の寝かしつけや、行事の対応で、疲れてしまう日もあるでしょう。
「ほかの子は平気なのに」と、比べて落ち込む日があっても、一人で抱え込まなくて大丈夫です。お化けを怖がる子は、たくさんいます。
怖がる気持ちも、安心したい気持ちも、どちらもその子らしさの一部です。ゆっくり寄りそっていくうちに、少しずつ、怖さが「ちょっとドキドキする楽しさ」に変わっていくこともあります。
今日は、どんな小さな安心を作ってあげられるでしょうか。あたたかい飲み物や、やさしい声かけ、手をつなぐこと。そんな日常のひとつひとつが、子どもにとって大切な支えになります。
ゆっくり、その子のペースで。夜の時間が、いつか親子の安心できるひとときになるよう、願っています。
ご家族で、子どもの怖がり方について話し合ってみるのも、おすすめです。「うちの子は、こんなことを怖がるんだね」と共有するだけで、気持ちがらくになることがあります。
お化けを怖がる時期も、子どもの成長の大切な一部です。いつか、「あのころは、お化けが怖かったよね」と、笑って話せる日が来ますように。
アイキャッチ画像:Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels



コメント