髪を結ぶのを嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
朝、ブラシとヘアゴムを持って近づくと、「やだ!」と逃げてしまう。結んでいる途中で「いたい!」と泣き出してしまう。そんなふうに、髪を結ぶのを嫌がる子の様子に、毎朝どきどきしながら向き合っている方もいるのではないでしょうか。
運動会や発表会など、行事が続く秋は、髪を結ぶ機会が増える季節です。「今日はきれいにまとめてあげたいのに」と思うほど、うまくいかなくて、気持ちがすれ違ってしまうこともありますよね。
この記事では、髪を結ぶのを嫌がる子が感じていることや、嫌がる気持ちが生まれやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。「うちの子だけかな」と感じている方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。
髪を結ぶのを嫌がる子が感じている、髪や頭皮がひっぱられるいやな感じ

髪を結ぶとき、いちばん多い理由と言われるのが、ひっぱられる感覚です。大人が「このくらい」と思う力でも、子どもの頭皮にとっては強く感じられることがあります。
子どもの髪は細くてやわらかく、からまりやすいのが特徴です。ブラシが引っかかって「ぷちっ」と痛みが走ったり、ゴムで結ぶときに髪が巻きこまれたりして、痛い思いをした経験が、嫌がる気持ちにつながることもあります。
一度痛かった経験は、思っている以上に長く記憶に残ります。次の日、ブラシを見ただけで身がまえてしまう子もいます。「また痛いかも」という予想が、嫌がる気持ちを大きくしているのかもしれません。
たとえば、きつく結んだあと、頭の皮ふがひっぱられて、ずっと「いたいいたい」と感じている子がいます。結んだ直後から、手で髪を引っぱってゴムを外したがる様子が見られるケースもあるようです。
また、頭や髪のあたりは、さわられることに敏感な子も多いと言われています。さわられる場所によって感じ方が変わるのは、子どもにとって自然なことです。
「ちょっとの我慢だよ」と言う前に、まずは、「どこが痛かったの?」「ひっぱられる感じがいやだったのかな」と、子どもの感じたことを聞いてあげましょう。
ブラッシングのとき、髪をおさえる手を添えてあげるだけで、頭皮へのひっぱりが減ると言われています。根元を軽く持ちながらとかすと、痛みを感じにくくなります。
また、髪をとかす前に、「今からとかすよ」と声をかけておくだけでも、びっくりしにくくなります。予告があると安心できる子は、多いようです。
髪を結ぶのを嫌がる子が、ゴムやピンの感触にとまどう理由

ヘアゴムやピンは、小さな道具ですが、子どもにとっては頭にずっとつけておくものです。その感触が気になって、落ち着かなくなる子もいます。
たとえば、ゴムがきつくて頭がしめつけられる感じがする、ピンの金具が当たってちくちくする、結び目がぼこぼこして寝転ぶと当たる、といったことです。こうした感触は、大人には分かりにくいものです。
ゴムの素材も、いろいろあります。細いゴムは髪に食いこみやすく、太いゴムは重たく感じられることもあります。飾りがついたものは、見た目はかわいいものの、重さが気になる子もいるようです。
また、結んだ髪が揺れたり、首のあたりをくすぐったりする感覚も、人によっては気になるものです。いつもと違う髪型にすると、頭の感覚が変わって落ち着かない、という場合もあります。
ゴムやピンが原因かもしれないと思ったら、やわらかい素材のものに変えてみたり、結ぶ位置を少しずらしてみたりすると、様子が変わることがあります。いろいろな道具を、少しずつ試してみる気持ちで大丈夫です。
ヘアゴムを、すべて同じものにそろえず、2〜3種類を用意しておくと、日によって気分で選べます。子どもの好みも、少しずつ見えてきます。
髪を結ぶのを嫌がる子の「自分で決めたい」という気持ち

子どもにも、「自分の髪型は自分で決めたい」という気持ちが育ってきます。特に、3〜4歳ごろからは、好き・きらいがはっきりしてくる時期です。
親が「今日はこの髪型にしようね」と決めて結ぼうとすると、「やだ、ちがうのがいい!」と反発することがあります。髪を結ぶことがいやなのではなく、自分で選べなかったことがいやなのかもしれません。
ほかにも、「髪を下ろしているほうが好き」「ふわっとしているのが好き」「結ぶとなんだか変な感じ」と、はっきり好みを持つ子もいます。見た目より、自分が心地よいかどうかが大切なのです。
たとえば、前髪を結ぶのを嫌がるのに、後ろ髪は平気という子もいます。顔まわりに髪が触れるのが落ち着くのかもしれませんし、前髪を結ぶと視界が変わるのがいやなのかもしれません。
こうした好みは、親の考えとちがっていても、その子らしさのひとつです。「かわいくしてあげたい」という気持ちはあたたかいものですが、少しだけ、子どもの好みにゆずってみるのもいいかもしれません。

毎朝、髪を結ぼうとすると泣かれちゃって…わたし、てっきり、わがままなのかと思ってたの。

それは違うわん!痛かったり、きゅうくつだったりするのかもしれないんだわん。まずは理由を探してみるのがいいわん!
髪を結ぶのを嫌がる理由は、「痛み」「道具の感触」「自分で決めたい気持ち」「朝の忙しさ」など、いくつか重なっていることがあります。ひとつに決めつけなくて大丈夫です。
いっしょに髪型の絵や写真を見て、「どれがいい?」と選んでもらう遊びも、ひとつの方法です。自分で選んだ髪型だと、結ぶこと自体にも前向きになれる子がいます。
もし選んだ髪型が、親の好みとちがっていても、笑顔で受けとめてあげてください。その子が「やってみたい」と思えたことが、いちばん大切です。
髪を結ぶのを嫌がる子が、朝や行事の日に困りやすい場面
髪を結ぶのを嫌がる子と、あわただしい朝の時間

朝は、親も子も気持ちに余裕がなくなりやすい時間帯です。そんな中で髪を結ぼうとすると、ささいなことでぶつかってしまうことがあります。
「早くして!」「じっとしてて!」と声をかけるほど、子どもは落ち着かなくなり、動いてしまいます。髪を結ぶ作業は、じっと座っている必要があるため、子どもにとっては案外むずかしいことでもあります。
さらに、からまった髪をとかしている間は、痛みが出やすい時間でもあります。急いでいると、つい力が入ってしまい、子どもが「いたい!」となる、という悪循環になることもあります。
ここで、朝の髪結びを少しらくにするための見直しポイントを、いくつか挙げてみます。
朝の髪結びを少しらくにする工夫
・寝る前に髪をとかしておき、からまりを減らす
・髪を結ぶときは、座る場所や姿勢を落ち着けて決める
・好きな歌やテレビの音をかけて、気がまぎれるようにする
時間にゆとりがない日は、「今日はヘアゴムなし」でもいいと考えてみてください。毎日結ぶ必要はありません。髪を下ろして登園する日があっても、大丈夫です。
「結べなかった」と落ち込むより、「今日はこれでよし」と思える日が増えると、親子ともに朝の気持ちがらくになります。
時間の流れも、少し見直してみましょう。朝ごはんのあとに髪を結ぶのか、着替えのあとにするのか、順番を変えてみるだけで、機嫌が変わることもあります。
ごはんを食べて目が覚めたあとのほうが、落ち着いて座っていられる子もいます。その子にいちばん合う時間帯は、少しずつ試して見つけていくものです。
着替えを嫌がる様子が見られる場合は、こちらの記事も参考になるかもしれません。

髪を結ぶのを嫌がる子が、運動会や発表会で戸惑うとき

運動会や発表会などの行事のときは、「きちんと髪を結んであげたい」と思うのが親心です。でも、いつもと違う髪型にすることで、子どもが落ち着かなくなることもあります。
たとえば、お団子ヘアや三つ編み、リボンつきの髪型は、見た目はかわいいのですが、動くたびに重みやひっぱり感があります。慣れていない子は、競技中に気になって集中できなくなることもあるようです。
行事の日に髪型を変える場合は、前もって何度か試しておくのがおすすめです。「このくらいの強さなら大丈夫」というラインが見えてくると、当日の不安が減ります。
また、行事の前の日から「明日はこの髪型にするよ」と、見通しを伝えておくのも、ひとつの方法です。急に言われるより、心の準備ができるぶん、受け入れやすくなる子もいます。
帽子をかぶる競技や、ゼッケンをつける場面もあるため、結んだ髪型が競技の邪魔にならないかも、見ておくとよいでしょう。ゆったりめにまとめて、動いても落ちてこないくらいが目安です。
もし、どうしても結ぶのが苦手なら、ヘアバンドやカチューシャなど、頭をしめつけにくいもので整える方法もあります。無理のない形を探していきましょう。
帽子のかぶりやすさについては、こちらの記事でも取り上げています。

行事の日に気をつけたいのは、「いつもと違う」ことが重なって、子どもの不安が大きくなることです。髪型、服、靴、場所の変化がいくつも重なると、気持ちが追いつかないこともあります。
そんなときは、髪型だけは、いつもの形のままにしておく、というのも立派な選択です。ひとつでも、いつも通りがあると、子どもは安心しやすくなります。
髪を結ぶのを嫌がる子と一緒にできる、家庭での工夫
髪を結ぶのを嫌がる子に合った、道具の選び方ととかし方

髪を結ぶのを嫌がる子には、道具をやさしいものに変えるだけで、様子が変わることがあります。たとえば、ヘアゴムは、布でおおわれた太めのタイプや、髪がからまりにくいタイプを選んでみましょう。
ブラシも、先が丸くなっているものや、からまった髪をほぐしやすい、やわらかい毛のものがあります。いきなり根元からとかさずに、毛先から少しずつとかすのが基本だと言われています。
髪がからまっているときは、無理にひっぱらず、指でそっとほぐしてからブラシを通します。お風呂あがりの、髪がしっとりしているときにとかすと、からまりにくくなります。
ゴムの結び方も、きつすぎないことが大切です。結んだあと、指が1本入るくらいのゆとりがあると、頭への負担がやわらぐと言われています。
また、毎日同じ場所でずっと結んでいると、同じ場所の髪がひっぱられつづけてしまいます。結ぶ位置を少し変えたり、まとめる高さを変えたりすると、頭皮への負担が分散されます。
そして、結ぶ前や結んだあとに、頭を軽くなでてあげるのも、ひとつの方法です。頭にふれることが「やさしいこと」と感じられるようになると、髪を整える時間への気持ちも変わっていくようです。
なお、爪や指先で髪を引っぱってしまうことがないよう、結ぶ側の手の動きも、ゆっくり丁寧に。急がず、ていねいにが、いちばんの近道です。
髪を結ぶのを嫌がる子が、自分で選べる楽しい仕組みづくり

髪を結ぶことを、「いやなこと」から「楽しいこと」に変えるには、子どもが選べる場面を増やしてあげることが役立ちます。
たとえば、ヘアゴムを2〜3種類ならべて、「今日はどれにする?」と聞いてみましょう。色や飾りを子どもが選ぶだけで、「自分で決めた」という気持ちが生まれ、前向きに取り組みやすくなります。
鏡を見ながら、「今日はこんな感じだよ」と、仕上がりを子どもに見せてあげるのもいい方法です。変身していくような感覚を楽しめる子もいます。
お人形やぬいぐるみの髪を、いっしょに結んでみる遊びもあります。親子でお人形の髪をとかしたり、ゴムで結んだりしているうちに、髪を結ぶ動きに親しみがわいていく子もいるようです。
結ぶ前に、「ブラシをするよ」「次にゴムをつけるよ」と、手順を声に出して伝えるのも、見通しがもてて安心につながります。
もちろん、うまくいかない日もあります。その日は、お休みしてもいいくらいの気持ちで、のんびり向き合ってみてください。

今日はゴムを自分で選んでもらったら、機嫌よく座ってくれたの!キラキラしてるわ〜。

それはいい工夫だわん!自分で選ぶと、やる気が出ることがあるんだわん。いいことだわん!
まとめ:髪を結ぶのを嫌がる子と、あわてずゆっくり進んでいく
髪を結ぶのを嫌がる子の理由を、そっとながめ直してみる

髪を結ぶのを嫌がる理由は、痛み、道具の感触、自分で決めたい気持ち、朝のあわただしさなど、いくつかが重なっています。ひとつだけが原因とは限りません。
そして、そのどれもが、子どもにとっては本物の「いや」です。大人が「このくらい平気」と思うことでも、子どもには違って感じられることがあると言われています。
だからこそ、「どうして嫌がるの?」と責める気持ちを少し置いて、「どこがいやなのかな」と、子どもの感じ方に目を向けてあげましょう。
道具を変える、結ぶ強さをゆるめる、選ぶ楽しさを取り入れる。どれも小さな工夫ですが、続けていくうちに、少しずつ変化が見えてくることもあります。
髪を結ぶのを嫌がる気持ちが、いつまでも続くとは限りません。成長とともに、自分で結べるようになったり、髪型を楽しめるようになったりする子も、たくさんいます。

髪を結ぶのも、毎日の積み重ねなんだね。ちょっとずつ工夫してみようかな。

そうだわん。ママが笑顔でいることが、いちばんの安心なんだわん。ゆっくりでいいんだわん。
髪のことで悩むと、つい、「ちゃんとしてあげられていないのでは」と、自分を責めてしまう方もいます。でも、子どもの気持ちに向き合おうとしているだけで、十分です。
今日うまくいかなかったことも、明日の工夫のヒントになります。失敗ではなく、試した記録だと思って、気楽にいきましょう。
一人で抱え込まず、髪を結ぶのを嫌がる子と一緒に進んでいく

髪を結ぶのを嫌がる子を見守るあなたも、毎日、本当によくがんばっています。朝のあわただしい中で、子どもの気持ちに寄りそおうとするその姿勢が、何よりの支えになっています。
「ほかの子はおとなしく結ばせているのに」と、比べて落ち込む日があるかもしれません。でも、一人で抱え込まなくて大丈夫です。髪を結ぶことで悩んでいる親子は、たくさんいます。
髪を結ぶ時間は、子どもに触れて、おしゃべりができる、親子のふれあいの時間でもあります。うまくできた日の笑顔を、ぜひ思い出してください。
今日できた小さなことを、ひとつ見つけて、いっしょに喜んでみましょう。それが、明日の朝の気持ちを、少しだけ軽くしてくれるはずです。
ゆっくり、その子のペースで。髪を結ぶ時間が、いつか親子で笑い合える時間になるよう、願っています。
おうちの人同士で、「うちはこうしたらうまくいったよ」と情報を交換するのも、役に立つことがあります。身近な人と話すだけでも、気持ちが軽くなります。
髪を結ぶことが、子どもにとって、安心できるやさしい時間になりますように。そして、あなた自身も、そのときだけは、ほっとできますように。
アイキャッチ画像:Photo by cottonbro studio on Pexels



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