うがいを嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい場面
こんにちは!おやまどの鈴木です。
帰宅後の手洗い・うがいの習慣をつけたいのに、「やだ!」と口を閉じてしまう。うがいを嫌がる子を前に、困ってしまった保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、うがいを嫌がる子の気持ちやつまずきやすい理由、ご家庭でできる進め方を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じたときのヒントになればうれしいです。
うがいを嫌がるのは、「わがまま」とは限りません。むずかしさや怖さが、行動に出ていることもあります。まずは理由を探る気持ちで、お子さんの様子を眺めてみましょう。
うがいを嫌がる子が感じている、むずかしさと不安

うがいを嫌がる子は、実際にどんなことが苦手なのでしょうか。大きく分けると、いくつかのパターンがあります。
ひとつ目は、水を口にためることへの不安です。口の中に水があるまま、のどの方へ流れそうな感覚が、怖いと感じる子がいます。むせた経験があると、さらに不安が強くなります。
たとえば、お子さんが口を開けたまま水をこぼしている場合は、口を閉じる力がまだ育っている途中かもしれません。唇を閉じて、頬をふくらませる動きは、うがいの土台になる大切な動きです。
うがいができない子の多くは、できる力がないのではなく、まだ慣れていないだけです。その子に合ったやさしいステップを用意してあげれば、少しずつ進んでいけます。
年齢によっても、むずかしさは変わります。幼児期は口の周りの筋肉が発達途中のため、水を口にためておく力が十分でないこともあります。年齢に合ったやり方を選ぶことが、無理のない進め方につながります。
保護者の方が「ちゃんとやって」と言いたくなる気持ちはよく分かります。でも、できない理由が分からないまま急かされると、子どもはますます不安になります。理由を一緒に探す姿勢が、信頼関係にもつながります。
ふたつ目は、上を向いて息を止める動きのむずかしさです。上を向くと水がのどに近づくため、息を止めるタイミングが取れないと、苦しく感じることがあります。
みっつ目は、水の温度や味、においへの感じ方です。水道水の冷たさや、うがい薬の独特の味やにおいが、苦手な子もいます。特に感覚に敏感な子は、小さな刺激でも強く感じることがあります。
よっつ目は、やり方が分からないということです。「ぶくぶく」と「ガラガラ」のちがいが分かりにくく、何をしたらいいのか戸惑っているだけの場合もあります。

うちの子、うがいのとき、口に水を入れたまま固まっちゃうの…。どうしていいか分からなくて、えへへ…。

それは「飲みこんじゃうかも」と不安になっているのかもしれないわん。まずは水を口に入れる練習から、ゆっくりいくわん。
うがいを嫌がる子が、とくにいやがりやすいタイミング

うがいを嫌がる子には、いやがりやすいタイミングがあります。それを知っておくと、無理のない進め方を考えやすくなります。
たとえば、帰宅直後で疲れているときです。外から帰ってきたばかりは、気持ちの切り替えがむずかしく、「あとで!」と言いたくなる子もいます。
朝の忙しい時間帯は、親子ともに余裕がなく、うがいの練習には向きません。ゆっくり時間がとれる夜やお休みの日に練習すると、落ち着いて取り組めます。
次に、歯みがきのあとです。歯みがきで口の中の刺激が続くと、さらに水を入れるのがいやになることがあります。味がきついミント系の歯みがき粉がいやな子もいます。
また、風邪の季節に「やらなきゃ」と言われ続けることも、プレッシャーになります。「ちゃんとやらないと病気になるよ」という言葉は、子どもにとって不安を強める原因になることがあります。
無理にやらせようとして、泣いたり怒ったりしたあとは、うがい自体がいやな思い出になりやすいので注意が必要です。うがいを嫌がる子ほど、楽しい雰囲気で進めることが大切です。
どんな場面で嫌がるのか、メモしておくと、パターンが見えてきます。「朝は平気だけど夕方はいや」「お風呂上がりならできる」など、お子さんなりのリズムが見つかることもあります。
うがいを嫌がる子と進める、小さなステップの練習
うがいを嫌がる子におすすめの、ぶくぶくから始めるステップ

うがいを嫌がる子には、いきなりガラガラうがいを求めず、小さなステップに分けて進めるのがおすすめです。
ステップ1は、水を口に含んで、すぐ吐き出すことです。ほんの少しの水を口に入れて、洗面台に出す動作から始めます。お水の量は大さじ1杯程度でも十分です。
ぶくぶくうがいの練習は、お風呂の中で行うのもひとつの方法です。水がこぼれても気にならず、リラックスした雰囲気で取り組めます。親子で一緒にやって見せると、まねをして覚える子もいます。
ステップを進めるときは、「今日はここまで」と区切りを決めておくと、お子さんも安心して取り組めます。うまくいかない日は、水を口に入れるだけで終わりにしても、立派な一歩です。
練習のときは、お子さんの口の中の様子や、むせていないかも見ながら進めましょう。むせてしまったときは、いったん休憩して、「びっくりしたね。もう一回やってみる?」と、本人の気持ちを聞いてあげてください。
ステップ2は、ほっぺたをふくらませる「ぶくぶくうがい」です。口を閉じて、頬をふくらませたりへこませたりします。「ほっぺをパンパンにしてごらん」と声をかけると、遊び感覚で取り組めます。
ステップ3は、上を向いて、少しだけ「ガラガラ」です。最初は2〜3秒でかまいません。むせやすい子には、あごを少し上げるだけで始めても大丈夫です。
各ステップで、できたら思い切りほめることがポイントです。「ほっぺふくらんだね!」「ぜんぶ吐き出せたね!」と、具体的に伝えましょう。ステップを戻っても焦らず、お子さんのペースに合わせてください。

ぶくぶくだけでいいの?わたし、てっきりガラガラができないとうがいじゃないのかと思ってたわ。

最初はぶくぶくでも立派な第一歩だわん。できるところから積み上げれば、ガラガラにもつながるわん。
遊びや絵本で、うがいを嫌がる子の気持ちをほぐす工夫

うがいを嫌がる子には、「やらせる」より「楽しい」と感じる経験をつくることが大切です。ここでは、遊びを取り入れた方法をご紹介します。
ひとつは、動物のまねっこ遊びです。「カエルさんみたいにほっぺをふくらませよう」「ライオンみたいにガオーって声を出してみよう」と、うがいに近い動きを遊びにします。
お風呂で水鉄砲のようにお口の水をぴゅーっと出す遊びも、水を吐き出す練習になります。口の中の水を「出す」ことが楽しい経験になると、うがいへの苦手意識がやわらぎます。
ふたつ目は、歌を歌いながらやる方法です。好きな歌に合わせて「ぶくぶく」「ガラガラ」を入れると、時間を数えやすく、リズムに乗れます。歌のおわりまで続けられたら大成功です。
三つ目は、絵本やイラストで、うがいの流れを見せる方法です。手順が分かると、見通しがもてて安心する子もいます。うがいの絵本や、手洗い・うがいを楽しく紹介した動画も参考になります。
ぬいぐるみやお人形に「お口をぶくぶくしてあげようね」と見立て遊びをするのも、おすすめです。自分以外の誰かに教える立場になると、役割意識が芽生えて、積極的になる子もいます。
遊びの時間は、短くてかまいません。1回1分でも、毎日少しずつ重ねるほうが、気持ちの負担は少なくなります。
道具と習慣を整えて、うがいを嫌がる子が続けやすくする
水の温度・量・コップを、うがいを嫌がる子に合わせる

うがいを嫌がる子の中には、水の冷たさや量が負担になっている子もいます。環境を少し整えるだけで、気持ちがぐっと楽になることがあります。
まず、水の温度です。秋から冬にかけては、水道水が冷たくなります。ぬるま湯を使うと、口に入れたときの刺激がやわらぎ、受け入れやすくなる子もいます。ただし、熱すぎないように大人が温度を確かめてください。
また、洗面台の高さも見直したいポイントです。足がつかない状態で上を向くと、バランスがとりにくくなります。踏み台を用意して、安定した姿勢でうがいができるようにしてあげましょう。
うがいを嫌がる子の中には、洗面所の環境そのものが苦手な子もいます。たとえば、水が流れる音や、鏡に映る自分の顔が気になって落ち着かないこともあります。蛇口の水を細くする、鏡の前を避けるなど、小さな調整も試してみてください。
お子さんが自分でコップを選ぶ時間も大切です。「どっちのコップがいい?」と選択肢を出すと、自分で決めたという気持ちが生まれ、前向きに取り組みやすくなります。
次に、コップです。小さめで軽い、持ちやすいコップが使いやすいです。重いコップだと、手が疲れて水をこぼしやすくなります。好きなキャラクターや色のコップだと、自分で持ちたい気持ちが高まる子もいます。
うがい薬は、味やにおいが苦手な子もいるため、はじめは水だけで練習するのも一つの方法です。使う場合は、年齢に合った製品か、使い方が適しているかを確かめましょう。

うちの子、冷たいお水がいやなだけだったのかも!あたためてあげたらすんなりできたの。

それは大きな発見だわん。原因が分かると、ぐっと進めやすくなるわん。
帰宅後の流れに組みこんで、うがいを嫌がる子の習慣にする

うがいを嫌がる子が習慣にしていくには、毎日同じ流れにすることがコツです。
例えば、帰宅したら、手洗い→うがい→おやつという順番を決めます。「うがいが終わったらおやつ」という流れがあれば、見通しが持てて、切り替えもしやすくなります。
お休みの日や外出先では、水筒のお茶を一口飲んで口をすすぐだけで代用する方法もあります。完璧な形にこだわらず、お子さんが負担を感じにくい方法を選ぶと、長く続けやすくなります。
きょうだいがいる場合は、順番にうがいをして、できた子から「おやつ」に進む方法もあります。ただし、比べるのではなく、それぞれのペースを認める声かけを心がけてください。
家族が一緒にやることも効果的です。親がうがいをしている姿を見せることで、まねをする子もたくさんいます。「パパもやるよ」「一緒にやろうね」と声をかけてみましょう。
写真やイラストで「手を洗う→うがいをする→タオルでふく」という手順表を、洗面所にはっておく方法もあります。目で見て確認できる手順表は、言葉の指示が苦手な子にも分かりやすいです。
うがいが難しい日は、無理にさせず、水を一口飲むだけでもOKと柔軟に考えましょう。毎日完璧にやることよりも、嫌な思い出をつくらず続けることのほうが大切です。


まとめ:うがいを嫌がる子を、責めずに見守るために
ここまで、うがいを嫌がる子の理由や、小さなステップ、道具や習慣の整え方を見てきました。最後に、毎日の関わりで大切にしたいことをお伝えします。
うがいを嫌がる子への声かけと、できたことの認め方

うがいを嫌がる子には、やらなかったことより、できたことに目を向ける声かけがおすすめです。
「口に水が入ったね」「ほっぺがふくらんだね」「ちゃんと吐き出せたね」と、小さな成功を言葉にしましょう。結果ではなく、挑戦したことを認めると、次の意欲につながります。
お子さんが「やってみたい」という気持ちを見せたときは、そのチャンスを逃さず、すぐにほめてあげてください。気持ちが動いたときが、いちばん学びやすいタイミングです。
うがいのあとに、「さっぱりしたね」「気持ちいいね」と感覚を言葉にしてあげるのもよい方法です。うがいの良さを体で感じる経験が重なると、少しずつ前向きな気持ちが育ちます。
避けたいのは、「また嫌がる」「どうしてできないの」「もっとちゃんとやって」といった言葉です。悪気がなくても、子どもには責められたと伝わってしまいます。
ごほうびを使う場合は、ごほうびが目的にならないよう、シールを貼る程度の小さなものがおすすめです。カレンダーにシールを貼って、ためる楽しみをつくる家庭もあります。
今日からできること
・水を少なめにして、ぶくぶくから始める
・ぬるま湯や小さめコップを試す
・帰宅後の流れを決めて手順表をはる
・家族で一緒にやってみる
・できた小さなことを言葉にしてほめる

なんだか、できるところから始めればいいって思えてきたわ!うちの子だけじゃないんだ…!

その気持ちが大事だわん。お子さんのペースを信じて、ゆっくり進めばいいわん。
ひとりで抱え込まず、うがいを嫌がる子のペースで進めよう

季節の変わり目になると、「うがいをさせなきゃ」と焦ってしまいますよね。でも、うがいを嫌がる子との毎日を、ひとりで頑張りすぎなくても大丈夫です。
うがいができなくても、水分をこまめにとる、手洗いをしっかりする、部屋の湿度を整えるなど、ほかの方法で過ごしやすい毎日をつくることもできます。「うがいができない=だめ」ではありません。
苦手なことは、ある日突然できるようになる子もいます。今はできなくても、成長とともに状況が変わることは珍しくありません。焦らず、見守っていきましょう。
保護者の方自身が疲れているときは、練習をお休みしても大丈夫です。親の気持ちに余裕があることが、子どもの安心にもつながります。ほどよく力を抜きながら、続けていきましょう。
園や学校では、集団の中で友だちのまねをして、自然にできるようになる子もいます。先生に家での様子を伝えておくと、声かけの工夫を教えてもらえることもあります。
感覚の敏感さが気になるときは、こちらの記事も参考にしてみてください。

同じ悩みを持つ保護者の方と話すだけでも、気持ちが軽くなることがあります。一人で抱え込まなくて大丈夫です。お子さんの「できた」を、少しずつ積み重ねていきましょう。
この記事のポイント
うがいを嫌がる理由は、水への不安、息の止め方の難しさ、味や冷たさへの感じ方など、子どもによってさまざまです。小さなステップと遊びを取り入れながら、「できた」を一緒に喜んでいきましょう。
今日の小さな「ぶくぶくできたね」を、ぜひ一緒に喜んであげてくださいね。
アイキャッチ画像:Photo by Miriam Alonso on Pexels



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