トイレを嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
おでかけ先でトイレに入ろうとした途端、「やだ!」と入り口で固まってしまう。家では行けるのに、外のトイレだとがまんしてしまう。そんなふうに、トイレを嫌がる子の様子に困った経験はありませんか。
秋は、遠足や行事、おでかけの機会が増える季節です。「出かける前に、トイレをすませておいてほしいのに」と思うほど、親の気持ちも焦ってしまいますよね。
この記事では、トイレを嫌がる子が感じていることや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。「うちの子だけかな」と感じている方の、気持ちが少し軽くなればうれしいです。
トイレを嫌がる子が感じている、流す音やハンドドライヤーの大きな音

トイレの中は、子どもにとって音の刺激が強い場所です。水を流すときの「ゴーッ」という大きな音は、大人が思う以上にびっくりする音だと言われています。
自動で水が流れるタイプのトイレは、座っている途中で突然流れることもあります。いつ音が鳴るかわからないというのは、子どもにとって不安な状況です。
公共のトイレでは、ハンドドライヤーの音も大きく、トイレ全体にひびきます。耳をふさいで入り口から動けなくなる子もいるようです。
さらに、トイレは壁にかこまれた空間なので、音が反響します。大きな音が苦手な子にとっては、音がたくさん混ざって聞こえて、落ち着かない場所になりやすいのです。
「ただの水の音でしょ」と言われても、怖いものは怖いですよね。「大きい音がするから、びっくりするよね」と、気持ちを言葉にしてあげるだけで、子どもは安心しやすくなります。
たとえば、トイレに入る前に、「流すときは、大きい音がするよ。耳をふさいでもいいよ」とあらかじめ伝えておく方法があります。音が鳴るタイミングがわかるだけで、体に入る力がやわらぐ子もいるようです。音の苦手さは、成長とともに変わることもあるため、いまは「大変な時期」と受けとめておきましょう。

うちの子、トイレの流す音でびくっとするの。わたし、てっきり慣れの問題だと思ってた…。

ほのママ、大きな音が苦手な子には、流す音はとても大きく感じるんだわん。慣れる前に、まず「怖いんだね」と受けとめるところからだわん。
トイレを嫌がる子が戸惑う、狭さ・暗さ・においと、ひんやりした便座

トイレの個室は、小さくて、少し暗いことが多い場所です。「閉じこめられそう」と感じる子や、暗さが苦手な子にとっては、それだけで入りにくくなります。
においも、感じ方に差が出るところです。においに敏感な子は、芳香剤や掃除用の洗剤の香りでも、気分が悪くなってしまうことがあるようです。
便座のひんやりした冷たさも、見のがせないポイントです。肌が敏感な子は、冷たさやつるつるした感触に、びくっと驚いてしまいます。
また、大人用の便座は穴が大きく、小さな子は「落ちてしまうかも」と感じることがあります。足が床につかず、ぶらぶらした状態も、不安定で落ち着かないものです。
こうして並べると、トイレにはたくさんの「苦手のもと」があることがわかります。嫌がるのは、わがままではなく、子どもなりの自然な反応です。
また、子どもは「トイレに行きたい」という体の感覚を、まだうまく言葉にできないことがあります。そのため、落ち着かない様子や、そわそわする動きで気づくしかない場合もあります。トイレへの苦手さと、体の合図がつかみにくいことが重なると、さらに困りごとが増えやすくなります。
トイレを嫌がる子の心に残る、「失敗した体験」と大人の反応

トイレを嫌がる気持ちは、過去の体験が影響している場合もあります。たとえば、間に合わなくて失敗してしまったことや、トイレで大きな音にびっくりしたことです。
子どもは、一度「嫌だった」と感じた場面を、とても細かく覚えています。次にトイレを見たとき、その感覚がよみがえって、入り口で足が止まってしまうのです。
このとき大きいのが、そばにいる大人の反応です。失敗したときに「どうして言わないの!」と強く言われると、子どもは「トイレ=怒られる場所」と感じてしまうかもしれません。
反対に、「間に合わなかったね、びっくりしたね」と気持ちを受けとめてもらえると、子どもは安心できます。失敗は、誰にでもあることです。
「前は行けたのに、最近になって急に嫌がるようになった」という場合もあります。成長とともに、まわりの様子や音に気づく力が育った結果、というケースも考えられます。「前はできたのに」と責めず、いまの気持ちに寄りそうことが、いちばんの近道です。
トイレを嫌がる気持ちは、「音」「環境」「過去の体験」「大人の反応」が重なって、強くなることがあると言われています。理由は一つとは限りません。
夢中で遊んでいる最中は、体の合図に気づきにくく、ぎりぎりまでがまんしてしまう子もいます。そんなとき、「トイレは?」と何度も聞かれると、うるさく感じて、トイレそのものが嫌になってしまうこともあるようです。声をかける回数や言い方も、少し工夫してみましょう。
トイレを嫌がる子が、とくに困りやすい場面
トイレを嫌がる子と出かける、公共トイレや商業施設での悩み

いちばん困るのは、おでかけ先の公共トイレです。ふだん家で使っているトイレとは、広さも、形も、音も、においも違います。「いつもと違う」だけで、子どもには大きな負担になることがあります。
自動で流れるタイプや、センサーで水が出る手洗い、洋式でない便器など、初めて見るものにも戸惑います。使い方がわからなくて、不安になる子もいるようです。
おでかけ先では、「間に合わなくなるかも」というあせりも出てきます。親が急かすと、子どもの緊張が高まって、さらにトイレに行きづらくなる悪循環が生まれることもあります。
おでかけ前には、トイレの場所や種類を、先に調べておくのがおすすめです。ベビーカー用のスペースが広い多目的トイレなど、落ち着いて使える場所を選べると、親子ともに安心しやすくなります。
「ここでなら行けるかも」という場所を、少しずつ増やしていくのも一つの方法です。無理をせず、できる場所から広げていきましょう。
デパートや公園、駅など、よく行く場所のトイレを、行きやすい順に、親がメモしておくのもおすすめです。「前に行けたのは、このトイレだった」と記録しておくと、次のおでかけで役立ちます。子どもが「ここなら大丈夫」と感じた理由も、一緒にメモしておくと、工夫のヒントになります。
トイレを嫌がる子が不安になる、園や学校のトイレ

園や学校のトイレは、家庭とは違うルールがあります。個室の数が少なく、順番を待たなければいけない場面もあります。
トイレの場所が教室から遠かったり、友だちが近くにいたりすると、気になって入れない子もいます。「見られるのが恥ずかしい」「音を聞かれたくない」という気持ちを抱える子も、少なくないようです。
そのため、がまんして帰ってきてから、一気に家のトイレへ駆けこむ、というケースもよくあります。がまんが続くと、体に負担がかかりますし、気持ちも落ち着かなくなります。
先生には、「トイレに行きづらいようです」と、事前に伝えておくと安心です。たとえば、授業の合間に声をかけてもらったり、人が少ない時間に行かせてもらったりと、配慮の方法を一緒に考えてもらえることがあります。
先生とのやり取りは、「困っている」というより、「こうすると安心できそうです」と前向きに伝えると、協力を得やすくなります。
遠足やお泊まり行事のときも、事前にトイレの様子を確認できると安心です。写真や地図があれば、先に見せて「ここだよ」と伝えておくと、当日の不安がやわらぎます。見通しが持てると、落ち着いて行動できる子は、たくさんいます。
トイレを嫌がる子に、家庭でできる工夫
トイレを嫌がる子が安心できる、家のトイレを居心地よく整える工夫

まず家のトイレを、子どもにとって居心地のよい場所にすることから始めてみましょう。落ち着ける空間になると、外のトイレにも少しずつ気持ちが向きやすくなります。
たとえば、足がぶらぶらしないように、足置き台を用意します。足がしっかりつくと、体が安定して、安心感が出ます。小さな補助便座を使うのも、「落ちるかも」という不安をやわらげる方法です。
便座が冷たいときは、便座カバーやヒーター付きの便座を使うと、びっくりしにくくなります。トイレの中が暗いときは、小さな明かりをつけておくと、安心できる子もいます。
好きなキャラクターのシールをはったり、絵や写真をかざったりして、トイレの時間が少し楽しくなる工夫も効果的です。
においが気になる子には、無香料のものを選ぶなど、においの強さにも気を配ってみてください。毎日使う場所だからこそ、ちょっとした心づかいが、大きな安心につながります。
子どもが自分でトイレを整える係になるのも、一つの方法です。「今日のトイレットペーパーは、どっちの向きにする?」「どのシールをはる?」と、選んでもらいます。自分で選んだ場所には、愛着がわきやすいものです。大人の都合だけで決めず、子どもの気持ちを取り入れてみましょう。
家のトイレを整えるチェックポイント
・足置き台や補助便座で、体が安定するようにする
・便座の冷たさをやわらげる
・必要なら、小さな明かりを足す
・においの強い芳香剤は控えめにする
トイレを嫌がる子と楽しむ、絵本やぬいぐるみで「トイレの流れ」を知る

トイレの流れを知らないことで、不安になる子もいます。そんなときは、絵本やぬいぐるみを使って、「トイレでなにが起きるのか」を見える形にするのがおすすめです。
トイレをテーマにした絵本は、たくさんあります。動物が楽しくトイレに行く物語など、親子で読むうちに、トイレが身近な場所に感じられるようになる子もいます。
ぬいぐるみを使う遊びも効果的です。ぬいぐるみをトイレに座らせて、「ちゃんと座れたね」「水が流れたね」と声をかけると、子どもは自分の姿を重ねながら、流れを学べます。
音が苦手な子には、「いまから流すよ」と、先に予告することも大切です。耳をふさいでいても大丈夫です。慣れてくるまで、自分で流すボタンを押す係にしてあげると、「自分で決められる」という気持ちが育ちます。
ただし、あせらず、子どもが「やってみたい」と思えるタイミングを待つことが大切です。楽しい雰囲気の中で、少しずつ進めましょう。
うまくいかない日があっても、大丈夫です。ぬいぐるみ遊びを数日お休みしても、またやりたくなったときに再開すれば十分です。「やらなきゃ」ではなく、「やってみたいな」という気持ちが自然に出てくるまで、ゆったり構えて待ちましょう。

ぬいぐるみに「ちゃんと座れたね」って言ったら、うちの子も笑ってくれたの!わたし、てっきりむずかしいと思ってた。

いい工夫だわん、ほのママ!遊びの中で流れを知ると、本番の緊張がやわらぐことがあるんだわん。楽しい気持ちが大切だわん。
トイレを嫌がる子と決める、声かけの「合言葉」と気持ちの切りかえ

トイレの前で足が止まってしまったときは、親子で決めた「合言葉」が助けになることがあります。たとえば、「ちょっとだけ、のぞいてみる?」「ドアは開けたままでいいよ」などの声かけです。
「入る」ことだけを目標にせず、「見るだけ」「ドアを開けるだけ」と、ハードルを下げてあげましょう。小さな一歩でも、「できた」という経験が、次の一歩への自信になります。
間に合わなかったときや、がまんしてしまったときは、「大丈夫だよ」と軽く受け流します。着がえを持ち歩き、すぐに対応できるようにしておくと、親の気持ちにも余裕が生まれます。
トイレに行けたあとは、「行けたね」「よくがんばったね」と、具体的にほめてあげてください。手洗いまで終わったら、「最後までできたね」と、ひとつの流れとして認めると、達成感が生まれます。
ごほうびシールやスタンプを使う家庭もあります。ただし、物だけに頼りすぎず、「一緒にできてうれしいね」という気持ちの共有を大切にしてください。トイレのことで親子の会話が増えると、嫌な場所というイメージが、少しずつ変わっていきます。
まとめ:トイレを嫌がる子と、ゆっくり進んでいくために
トイレを嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

ここまで、トイレを嫌がる子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をお伝えしてきました。もう一度、大事な点をまとめます。
この記事のポイント
・トイレを嫌がるのは、わがままではなく、自然な反応の一つ
・音・狭さ・におい・便座の冷たさなど、いくつもの理由が重なっていることがある
・家のトイレを居心地よく整えると、安心感につながる
・絵本やぬいぐるみ、合言葉など、子どもが主導権を持てる工夫が役立つ
慣れるスピードは、子どもによって違います。ほかの子と比べず、「昨日より、少しトイレに近づけたね」という小さな変化を見つけてあげてください。
音が気になって緊張する子については、大きな音が苦手な子の記事でも、くわしく紹介しています。

トイレのあとの手洗いについては、手洗いを嫌がる子の記事もあわせてご覧ください。

一人で抱え込まず、トイレを嫌がる子と一緒に進んでいく

トイレを嫌がる子を見ていると、「このままトイレに行けなくなるのでは」と心配になる日もあるかもしれません。でも、嫌だと感じる気持ちは、子どもがまわりの刺激をよく感じとれている証でもあります。
もし、お子さんが「自分で行ってみる」と言い出したら、それは大きな変化です。そのときは、そばで見守りながら、子どものペースで進める時間をつくってみてください。
すべてのトイレで、すぐに使えるようになることだけが、ゴールではありません。「ここのトイレなら大丈夫」という場所が、一つ、また一つと増えていくだけでも、立派な成長です。
おうちの方も、心配なときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。同じ悩みを持つ保護者の方は、たくさんいます。今日はドアを開けられた、一緒に流せた。そんな小さな一歩を、ぜひ大切にしてあげてください。

今度のおでかけは、トイレの場所を先に調べてから行ってみるね!ゆっくりでいいんだよね。

その調子わん!ほのママも、お子さんも、本当によくがんばってるわん。ボクはいつでも応援してるわん!
アイキャッチ画像:Photo by Stephen Leonardi on Pexels


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