じっと座るのが苦手な子。理由と工夫を解説

じっと座るのが苦手な子。理由と工夫を解説 低学年
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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じっと座るのが苦手な子の気持ちと、そう感じる理由

こんにちは!おやまどの鈴木です。

食事の途中で、何度も席を立ってしまう。絵本の読み聞かせの最中に、体がもぞもぞ動いてしまう。授業中に椅子をガタガタ揺らして、先生に注意された。そんなふうに、じっと座るのが苦手な子の様子に、心配になった経験はありませんか。

二学期は、学校や園の生活のリズムが整い、座って取り組む時間も増えてくる時期です。「周りの子はちゃんと座れているのに」と感じて、不安になる方もいるかもしれません。

この記事では、じっと座るのが苦手な子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。「うちの子だけかな」と悩んでいる方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。

じっと座るのが苦手な子が感じている、体を動かしたい気持ち

教室に並ぶ、机と椅子
Photo by Jeisson Ortiz on Pexels

子どもは、もともと体を動かしたい生きものです。とくに幼児期から小学校低学年にかけては、「座っている時間が長い」こと自体が、大きな負担になる場合があります。

大人は、集中力を保つ力や、体を落ち着かせる力が育っています。けれども、子どもはまだその力を育てている途中です。「じっとしていなさい」と言われても、体のエネルギーを逃がす場所がなくて、そわそわしてしまうことがあります。

体が動いてしまうのは、ふざけているわけでも、話を聞きたくないわけでもありません。たとえば、動きながらのほうが、話の内容をよく考えられるという子もいると言われています。

「座っていられない=集中していない」と決めつけてしまうと、子どもは「自分はだめなんだ」と感じてしまうかもしれません。まずは、「動きたい気持ちがあるんだね」と受けとめるところから始めましょう。

年齢が上がるにつれて、座っていられる時間は少しずつ長くなっていくと言われています。個人差も大きいので、ほかの子との比較は、あまり気にしすぎなくて大丈夫です。

幼児期の子どもが集中できる時間は、「年齢+1分」程度とも言われることがあります。たとえば、4歳なら5分前後です。座っていられる時間が短いのは、その年ごろとして、ごく自然なことだと言えます。

ほのママ
ほのママ

うちの子、ごはんの途中で何回も立っちゃうの。しつけが足りないのかなあ…。

ここわん
ここわん

ほのママ、しつけのせいじゃないわん。体を動かしたい気持ちが強いだけなんだわん。まずは、気持ちを受けとめるのが第一歩わん。

じっと座るのが苦手な子が戸惑う、音・視線・においなど周りの刺激

陽ざしが差しこむ、教室の窓ぎわの机
Photo by Thu Ngan Pham on Pexels

座っていられない理由は、体の動きだけではありません。周りの刺激に反応しやすいことも、関係していると言われています。

たとえば、教室には、外から聞こえる声、隣の子の鉛筆の音、窓の外の景色、廊下を歩く足音など、たくさんの刺激があります。感覚が敏感な子ほど、こうした刺激が気になって、目の前のことに集中しづらくなる場合があります。

気が散ると、体も一緒に動いてしまいます。窓の外を見るために身を乗り出したり、音のするほうへ顔を向けたりして、結果として「座っていない」ように見えてしまうのです。

こうした場面では、「集中しなさい」と注意するより、刺激を少し減らすほうが、落ち着きやすくなることがあります。たとえば、窓から離れた席にしてもらう、机の上のものを少なくする、などの工夫です。

たとえば、教室の蛍光灯のまぶしさや、冷暖房の音が気になる子もいます。大人には気にならない刺激でも、子どもにとっては大きな負担になっている場合があります。

おうちでも、テレビの音や兄弟の声など、同時にいくつもの音が流れていると、座って取り組むのが難しくなります。静かな環境を一時的につくるだけで、取り組みやすさが変わる場合があります。

座れない理由は、「体を動かしたい」「周りの刺激が気になる」「話の内容が難しい」など、いくつも重なっていることがあります。 どれが一番大きいかを探すことが、工夫のヒントになります。

子ども自身も、なぜ座れないのか、うまく説明できないことがほとんどです。「何が気になる?」と聞くより、「どんな音が聞こえた?」と、具体的に尋ねてみると、話しやすくなる場合があります。

じっと座るのが苦手な子の心に残る、「立たないで」と言われ続ける経験

机の上に置かれた、ノートと鉛筆
Photo by Darina Belonogova on Pexels

もう一つ、見落としやすいのが、注意され続けることで生まれる気持ちです。「座りなさい」「動かないの」と毎日言われると、子どもは、自分がいつも怒られているように感じてしまうことがあります。

たとえば、授業中に何度も注意されると、「どうせ自分は座れない」と、自信をなくしてしまう子もいます。そうなると、学校や園に行くこと自体が、つらくなる場合もあります。

大人は、「みんなと同じように」を願って声をかけています。その思いは、子どもにもきっと届いています。ただ、「できない」ことより「できた」ことに目を向けるほうが、子どもは前向きになりやすいようです。

「今日は、10分座れたね」「お話のときに、ちゃんと聞いていたね」。そんな小さな成功を、具体的に伝えてあげてください。座れた時間ではなく、頑張った気持ちを認めることが大切です。

もちろん、注意されることが続いて、気持ちがしぼんでしまう日もあります。そんなときは、家庭が「ほっとできる場所」であることが、子どもの支えになります。

ほかにも、「話が長くて、内容がつかめない」「何をすればいいかわからない」といった場合も、体が動いてしまう理由になります。わからないから動くという子も、実は少なくありません。

じっと座るのが苦手な理由は、体を動かしたい気持ち、周りの刺激への反応、これまでの経験など、さまざまです。「わがまま」や「しつけ不足」とは限りません。

じっと座るのが苦手な子が、とくに困りやすい場面

じっと座るのが苦手な子と過ごす、授業中や学校での時間

整然と並ぶ、教室の机
Photo by Pixabay on Pexels

いちばん困りやすいのが、学校の授業中です。45分間、座って先生の話を聞く、というのは、大人でも大変なことです。

たとえば、椅子をガタガタ揺らす、足をぶらぶらさせる、鉛筆を回す、後ろを向く、といった様子が見られることがあります。これらは、体を動かして、集中を保とうとしているサインとも考えられます。

先生に「落ち着いて座ろうね」と声をかけられると、子どもは「注意された」と感じて、気持ちが沈みやすくなります。そんなときは、先生と家庭で、声のかけ方や工夫を共有しておくと安心です。

たとえば、「プリントを配る係」「黒板を消す係」など、立って動ける役割をもらうことで、自然な形で体を動かせる場合があります。連絡帳や面談で、「家ではこんな工夫をしています」と伝えてみるのも一つの方法です。

先生も、子どもの様子をよく見てくださっています。「困っていることは、こちらも気づいています」と、共通の認識を持てるだけで、家庭としても気持ちが楽になるものです。

座りづらさへの工夫は、先生にとっても、クラス全体が過ごしやすくなるヒントになることがあります。「一緒に考える」姿勢で、気軽に相談してみてください。

ほのママ
ほのママ

授業参観のとき、うちの子だけ動いてて、ひやひやしちゃった…。

ここわん
ここわん

ほのママ、動くのは「頑張っているサイン」のこともあるわん。「よく頑張ってたね」って、まず伝えてあげるわん!

授業参観を嫌がる子。理由と親子の準備を解説
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授業参観の悩みについては、授業参観を嫌がる子の記事もあわせて読んでみてください。

じっと座るのが苦手な子と囲む、食事や家族のお出かけの場面

朝食がきれいに並んだ、テーブル
Photo by pedro furtado on Pexels

家庭では、食事の時間が悩みどころになりやすいです。「ごはんを食べるときくらい、座っていてほしい」と思うのは、自然な気持ちです。

食事の途中で立ち歩く子には、おなかがすいていない、食べものに興味がない、座る姿勢がつらいなど、理由がある場合もあります。まずは、その子がなぜ席を立つのか、様子を観察してみましょう。

たとえば、足がぶらぶらして不安定な椅子だと、体を支えづらく、座っているだけで疲れてしまいます。足の裏が床や台につくように調整すると、座る姿勢が安定して、落ち着きやすくなる場合があります。

外食や家族のお出かけでも、「じっとしていなくちゃ」と思うほど、親子ともに緊張してしまいます。席を立つ回数や時間をあらかじめ決めておく、お気に入りの絵本やおもちゃを持っていく、といった工夫もおすすめです。

食事の前には、手を洗う、お箸を並べるなど、体を動かす役割を任せるのもおすすめです。「お手伝いをしたから、席に着ける」という流れができると、座ることへの気持ちも切り替えやすくなります。

食事の場面での工夫: 足がつく高さに椅子を調整します。「ここまで食べたら、立ってもいいよ」と、見通しを立てて伝えます。

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じっと座るのが苦手な子に、家庭でできる工夫

じっと座るのが苦手な子と進める、「動いてから座る」習慣づくり

ぶらんこの、チェーンと座面
Photo by Suki Lee on Pexels

座る時間を少しでも楽にするには、座る前に、体をたくさん動かしておくことがポイントです。体のエネルギーを使うと、そのあと落ち着いて座りやすくなる場合があります。

座る前にできる、体を動かす遊びの例

・公園で、走ったり、遊具で遊んだりする
・家の中で、「くまさん歩き」や「うさぎジャンプ」をする
・ソファから、クッションの上へジャンプする
・お手伝いで、重いものを運ぶ(安全な範囲で)

とくに、体全体を使う遊びや、重さや力を感じる動きは、体のバランスを整えるのに役立つと言われています。難しく考えず、親子で楽しめるものから取り入れてみてください。

宿題や食事など、座る時間の前に、「5分だけ体操しよう」と決めておくのもよい方法です。「動く時間」と「座る時間」をセットにすると、子どもも気持ちの切り替えをしやすくなります。

ただし、疲れすぎてしまうと、かえって集中できなくなることもあります。その日の子どもの様子を見ながら、ほどよい量に調整してください。

疲れがたまっている日は、体を動かすより、ゆっくり休む時間を優先してください。「今日は、無理せずいこうね」という日も、大切な一日です。

動いたあとに、水分をとって一息つく時間をつくるのも、おすすめです。「動く→休む→座る」の流れが習慣になると、気持ちの切り替えがしやすくなります。

避けたい対応: 「座れないなら、おやつ抜き」と、罰として制限すること。「座る=つらい」という気持ちが、強まってしまう場合があります。

じっと座るのが苦手な子が過ごしやすい、椅子・クッション・環境の工夫

石畳の上に置かれた、赤い丸椅子
Photo by Jan van der Wolf on Pexels

座りやすさは、椅子の高さや形、座面の素材によっても、ずいぶん変わります。足が床につかないと、体が不安定になり、ぐらぐらしやすくなります。

足台を置く、座面にクッションを敷く、背もたれとの隙間にタオルを入れるなど、家にあるもので調整できる工夫もたくさんあります。ふくらんだバランスクッションを使うと、座ったまま体をゆらせるため、動きたい気持ちを満たせる場合もあります。

また、机の上や周りを整理して、気が散るものを減らすのも効果的です。おもちゃや本が視界に入らない場所で、宿題や食事をするだけでも、落ち着きやすくなることがあります。

どの工夫が合うかは、子どもによって違います。いくつか試して、「これが楽かも」と本人が感じるものを選んでみてください。子ども自身に選んでもらうと、納得感も高まります。

お気に入りの椅子や、座るときに使えるクッションを、子どもと一緒に選ぶのも楽しい時間です。「自分の椅子」という愛着がわくと、座ることへのハードルが下がる子もいます。

学校の椅子は、家庭では調整しにくいものです。気になるときは、先生に「足がぶらぶらして疲れやすいようです」と、様子を具体的に伝えてみると、足台などの工夫を考えてもらえることもあります。

ほのママ
ほのママ

足台を置いてみたら、ちょっと落ち着いたみたい!うれしいな〜。

ここわん
ここわん

ほのママ、いい発見わん!小さな工夫の積み重ねが、子どもの「座りやすさ」につながるんだわん。

じっと座るのが苦手な子と決める、「見通し」と「休けい」のルール

明るい窓のある、広い教室
Photo by 1ndex on Pexels

「いつまで座っていればいいのか」がわからないと、子どもは不安になります。終わりが見えるだけで、頑張りやすくなる子はたくさんいます。

たとえば、タイマーを使って「5分だけ座ろうね」と区切る方法があります。時間が目で見えると、子どもも「あとどれくらい」がわかりやすくなります。少しずつ、座る時間を延ばしていくのがおすすめです。

また、「座る時間」の合間に、短い休けいを入れることも大切です。「ここまでやったら、立って伸びをしていいよ」と決めておくと、子どもは安心して座ることができます。

決めたルールは、親子で一緒に見直すのも一つです。「やってみて、どうだった?」と聞いてあげると、子どもの気持ちを知るきっかけになります。うまくいかなくても、責めないことが、続けるコツです。

見通しを立てるために、絵や写真で一日の流れを見せる「スケジュール表」も、おすすめです。次に何をするかがわかるだけで、子どもは落ち着いて過ごしやすくなります。

授業中に姿勢が悪い子。理由と整えるコツを解説
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座る姿勢で困っている場合は、授業中の姿勢が悪い子の記事も、あわせて参考にしてみてください。

まとめ:じっと座るのが苦手な子と、無理なく向き合うために

じっと座るのが苦手な子の理由と工夫を、あらためて整理する

絵本を開いて見ている、子どもの手元
Photo by Lina Kivaka on Pexels

ここまで、じっと座るのが苦手な子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をお伝えしてきました。もう一度、ポイントをまとめます。

この記事のポイント

・座れないのは、わがままやしつけ不足ではなく、体の動きたい気持ちや周りの刺激が関係していることがある
・理由は一つとは限らず、いくつも重なっていることがある
・座る前に体を動かす、椅子を調整する、見通しと休けいを決める、などの工夫が役立つ
・「できないこと」より「できたこと」に目を向けて声をかける

もし、どうしても悩みが大きいときは、同じ悩みをもつ保護者の方の声を聞いてみるのも一つです。「うちだけじゃないんだ」と知るだけで、心が軽くなることがあります。

座っていられる時間は、成長とともに、少しずつ変わっていくと言われています。今は難しくても、半年後、1年後には、驚くほど落ち着いてくることも、よくあることです。

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順番を待つ場面で困っている場合は、並ぶのが苦手な子の記事も、きっと参考になります。

一人で抱え込まず、じっと座るのが苦手な子と一緒に進んでいく

窓辺に置かれた、花と小さな机
Photo by Vincent Nguyen on Pexels

毎日、座る場面で注意しなければならないと、おうちの方も疲れてしまいますよね。「この先、大丈夫かな」と、不安になる日もあるかもしれません。

でも、じっと座るのが苦手な気持ちは、その子の元気さや好奇心の表れでもあります。 周りをよく見て、いろいろなことに気づける、という良さにもつながっています。

子どもが落ち着いて座れた日は、「今日は、がんばったね」と、笑顔で声をかけてください。認めてもらえた経験が、次の挑戦への力になります。

完璧に座れるようになることだけが、ゴールではありません。「少し動きながらでも、話を聞けた」「休けいをはさんで、最後までできた」。それだけで、立派な成長です。

悩みを一人で抱え込まなくても大丈夫です。同じような悩みをもつ保護者の方は、たくさんいます。今日できた小さな一歩を、ぜひ大切にしてあげてください。

ほのママ
ほのママ

今日の宿題は、体操してからやってみるね!ゆっくりでいいんだよね。

ここわん
ここわん

その調子わん!ほのママも、お子さんも、本当によくがんばってるわん。ボクはいつでも応援してるわん!

アイキャッチ画像:Photo by TLK GentooExpressions on Pexels

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