音読を嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい場面
こんにちは!おやまどの鈴木です。
「音読の宿題やったの?」と声をかけると、とたんに表情が曇る。教科書を開いても、声が小さくなったり、逃げ出したりしてしまう。そんな姿を見ると、「どうして嫌がるのかな」と悩んでしまいますよね。
この記事では、音読を嫌がる子の気持ちや、つまずきやすい理由、ご家庭で試せる関わり方を、やさしい言葉でまとめました。「うちの子だけ?」と不安な方も、安心して読み進めてください。
音読を嫌がるのは、わがままや怠けではありません。理由は子どもによって違います。まずは「何が嫌なのかな」を、一緒に探すところから始めましょう。
音読を嫌がる子が感じている、むずかしさと不安

音読を嫌がる子は、実際にどんなことで困っているのでしょうか。よくある例を整理してみます。
ひとつ目は、文字を追うのが大変なことです。行を飛ばしてしまう、どこを読んでいるかわからなくなる、といった場面があります。読むたびに間違えて、気持ちが沈んでしまう子もいます。
ふたつ目は、読み間違いを恥ずかしく感じることです。つっかえたり、間違えたりすると、「ぼく、下手だな」と思ってしまいます。とくに、家族や先生に聞かれていると、緊張して余計に読みにくくなります。
みっつ目は、内容が頭に入りにくいことです。声に出して読むだけで精一杯になり、意味まで考える余裕がなくなる子もいます。「何を読んだのか覚えていない」と感じると、音読する意味がわからなくなってしまいます。
さらに、「毎日やらされる」という負担感も大きな要因です。毎日同じ文章を何度も読む宿題は、慣れていても単調で、飽きやすいものです。
学年によっては、音読の宿題が「毎日5回」などと決まっていることもあります。回数をこなすこと自体が目的になると、気持ちがこもらず、さらに嫌になってしまう悪循環が生まれることがあります。
こうした困りごとが重なると、「音読=嫌なこと」という気持ちが育ってしまいます。責める必要はまったくありません。 まずは、お子さんの気持ちを受け止めてあげましょう。
ご家庭では、読み間違いやつっかえが気になって、つい「もう一回」と言いたくなるかもしれません。でも、子どもにとっては、何度もやり直しを求められることが、音読を嫌いになる大きな理由になることがあります。
お子さんが「やりたくない」と言ったときは、まず「そっか、嫌なんだね」と気持ちを受け止めてみてください。理由を聞くのはそのあとで大丈夫です。受け止めてもらえた安心感が、次の一歩を支えてくれます。

うちの子、音読の時間になると急にトイレに行ったり、お水を飲んだり…。やる気がないのかと思ってました。

それは違うわん。実は「読むのが不安」で、先延ばししたくなっているのかもしれないわん。気持ちに寄りそうのがいちばんわん。
音読を嫌がる子が、とくにつまずきやすいタイミング

音読が嫌になる場面には、いくつかの傾向があります。あらかじめ知っておくと、先回りして助けやすくなります。
まず、新しい教科書や文章に出会ったときです。初めて見る漢字や、聞きなれない言葉が多いと、つっかえる回数が増えて、苦手意識につながります。
次に、人前で読むときです。授業中に順番に読む場面や、授業参観では、緊張で声が出なくなる子もいます。大勢の前で間違えた経験があると、音読そのものが怖くなってしまうことがあります。
また、宿題として毎日出されるときも、気持ちが重くなりがちです。疲れて帰ってきてから、さらに声を出す作業を求められるのは、子どもにとって大きな負担です。
学年が上がると、文章が長くなり、漢字が増え、読み方の難しさが増します。これまで読めていた子でも、急に苦手になることがあります。それも、成長の途中でよく見られる姿です。
また、友達との比較が気になり始める時期でもあります。「あの子はすらすら読めるのに」と感じると、自分の読み方が恥ずかしくなってしまうことがあります。周りと比べる気持ちが、音読を遠ざける理由になる場合も少なくありません。
たとえば、よくある例として、授業で当てられるのが怖くて、前の日から気持ちが重くなってしまうことがあります。そんなときは、事前に家で読む練習をしておくと、当日の安心感が違ってきます。
こうした場面を把握しておくと、「今日はここで止まったんだな」と理由が見えてきます。叱る前に、一呼吸おいてみてください。
音読を嫌がる子と進める、楽しい工夫とやさしいステップ
音読を嫌がる子には、いきなり「ちゃんと読みなさい」と求めるより、楽しく声を出す経験を増やすのが近道です。ここでは、取り入れやすい工夫を紹介します。
音読を嫌がる子におすすめの、親子で楽しめる読み方

まず試したいのが、親子で交代して読む方法です。1ページずつ、あるいは1文ずつ交代で読むと、子どもの負担がぐっと軽くなります。親が先に読むと、読み方のお手本にもなります。
次におすすめなのが、一緒に声をそろえて読む方法です。ひとりで読むより安心感があり、つっかえても止まらずに進められます。「いっしょに読むと楽しいね」という気持ちが育っていきます。
さらに、役割を決めて読むのも効果的です。物語なら、親が語り手、子どもが登場人物、というように分担します。セリフをキャラクターらしく読むと、遊びの要素が入って、嫌な気持ちが薄れていきます。
読むスピードは、ゆっくりで大丈夫です。早く読めることよりも、楽しく読めることを大切にしてあげましょう。
親子で読むときは、読み終わったあとの時間も大切にしてください。「この場面、どきどきしたね」「この子、かわいかったね」と感想を伝え合うだけで、音読の時間が楽しい思い出になります。
お風呂の中や、寝る前のふとんの中など、リラックスしているタイミングで読むのも、ひとつの方法です。気持ちが落ち着いているときは、声も出しやすくなります。
音読の効果や、楽しく続けるコツについては、こちらの記事でもくわしく紹介しています。

音読を嫌がる子の気持ちをほぐす、短い時間と好きな本の工夫

次に、短い時間で切り上げる工夫です。目安は、1〜3分程度。「ここまで読んだら終わり」と先に伝えておくと、見通しが持てて安心します。長く続けるより、短く続けるほうが、気持ちの負担が少なくなります。
音読の題材も見直してみましょう。教科書の文章が難しいと感じるなら、好きなキャラクターの絵本や、好きな乗り物・動物の図鑑など、興味のあるものから始めてもかまいません。「読むのが楽しい」と思える経験が、土台になります。
指やしおりで、読んでいる行を押さえるのもおすすめです。どこを読んでいるかが目で見てわかると、行を飛ばしにくくなります。定規や、行だけが見える窓付きのカードも、市販されています。
文字の大きさや行の間隔も、読みやすさに関わります。小さな文字がぎっしり並んだページが苦手なら、拡大コピーをするだけで読みやすくなることがあります。学校の先生に相談できる場合は、あわせて伝えてみましょう。
録音して聞いてみるのも、ひとつの方法です。上手に読めたところを一緒に聞いて、「ここ、すごく聞きやすいね」と伝えると、自信につながります。ただし、嫌がるときは無理に使わなくて大丈夫です。
音読カードのような記録表を、ご褒美の仕組みにしすぎないことも大切です。「何回読んだか」ばかりが目標になると、読むこと自体が作業になってしまいます。読んだ中身や感想に目を向けて、会話のきっかけにしてみてください。
読む内容を、お子さんが選べるようにするのもおすすめです。「今日はどっちの本にする?」と選択肢を出すだけで、自分で決めたという気持ちが育ち、前向きに取り組みやすくなります。
ひらがなの読みにつまずく場合は、こちらの記事も参考になります。


好きな電車の本なら、すらすら読めたんです!わたしのほうがびっくりしちゃいました。えへへ。

それは大きな一歩わん!「読める」という経験が、自信につながるわん。
音読を嫌がる子が安心して取り組める、環境と声かけの整え方
工夫と同じくらい大切なのが、安心して声を出せる環境です。ここでは、環境の整え方と声かけのコツを紹介します。
音読を嫌がる子が落ち着いて読める、時間と場所の整え方

まず見直したいのが、音読をする時間です。疲れ切った夜より、帰宅後すぐや、おやつのあとなど、気持ちに余裕がある時間帯のほうが取り組みやすくなります。
場所も、落ち着けるところを選びます。テレビがついていない静かな部屋、お気に入りのクッションがあるソファ、などが、リラックスできる環境です。周りの音が少ないと、声も出しやすくなります。
聞き手も大切です。親がスマホを見ながら聞いていると、子どもは「ちゃんと聞いてもらえていない」と感じます。顔を向けて、うなずきながら聞くだけで、子どもの気持ちは変わります。
音読の途中で、「水を飲みたい」「少し立ちたい」と言うときは、無理に止めず、休憩を挟むのも大切です。気持ちを切り替える時間があると、また戻ってきやすくなります。
ぬいぐるみやペットに聞かせる方法もあります。人に聞かれるのが苦手な子でも、ぬいぐるみ相手なら、安心して声を出せる場合があります。
読み始める前に、ウォーミングアップをしてみるのも効果的です。口を大きく開けて「あいうえお」を言う、早口言葉を楽しむ、など、遊び感覚で声を出す準備をすると、気持ちがほぐれます。
また、席の位置も工夫できます。向かい合うより、隣に並んで座るほうが、子どもは緊張しにくいことがあります。顔が見えない分、プレッシャーが減るからです。
環境づくりのチェックポイント
・時間帯は、子どもに余裕がある時間か
・静かで落ち着ける場所か
・聞き手が顔を向けて聞いているか
・読む量は短めに区切っているか
・終わりの合図を伝えているか
音読を嫌がる子が前向きになれる、声かけと見守り方

声かけで大切なのは、読み間違いを指摘しすぎないことです。間違えるたびに「違うよ」と直されると、子どもは緊張して余計に読みにくくなります。
間違えたときは、子どもが気づくまで待つのもひとつの方法です。気づかないときは、さりげなく正しい読み方を伝えて、すぐ次に進みます。間違いを何度も指摘しなくて大丈夫です。
かわりに、「声が聞こえて気持ちよかったよ」「最後まで読めたね」と、できたことを具体的に伝えましょう。読み方の上手下手ではなく、取り組んだ気持ちを認めてあげたいところです。
ほめるときは、「上手」だけでなく、具体的な様子を言葉にしましょう。「ここの読み方、気持ちがこもっていたね」「ゆっくり読んでくれて聞きやすかったよ」。具体的な言葉は、子どもの心に残りやすいものです。
音読が終わったあとは、「どんなお話だった?」と、内容についておしゃべりする時間もおすすめです。読むことが、楽しい会話のきっかけになります。
きょうだいがいるご家庭では、きょうだいの前での音読を避けたい子もいます。比べられる不安があるときは、ひとりの時間に聞くようにしましょう。それぞれの気持ちを大切にする工夫です。
親自身が疲れているときは、無理をしなくて大丈夫です。余裕のない日に聞こうとすると、つい声がきつくなってしまいます。親の笑顔が、子どもにとっていちばんの安心だということを、思い出してください。

間違えたら、つい「そこ違うよ」って言っちゃってました…。それも、プレッシャーだったんですね。

気づいた今からで大丈夫わん。「読めたね」って伝えるだけで、親子ともラクになるわん。
まとめ:音読を嫌がる子を、責めずに見守るために
ここまで、音読を嫌がる子の気持ちと、ご家庭でできる工夫を見てきました。最後に、大切なことを整理します。
音読を嫌がる子への声かけと、できたことの認め方

音読を嫌がる子は、「うまく読めない自分」にがっかりしていることがあります。だからこそ、小さな「できた」を見つけて言葉にすることが、いちばんの支えになります。
たとえば、「今日は3行読めたね」「声がはっきり聞こえたよ」「最後まであきらめなかったね」。どれも立派な成長です。結果より、取り組む気持ちを認めてあげましょう。
成長のスピードは、子どもによって違います。ぐんぐん上達する子もいれば、半年や1年かけて、ゆっくり慣れていく子もいます。周りと比べず、昨日のその子を基準にしてあげてください。
音読が苦手な時期があっても、それがずっと続くとは限りません。環境や関わり方が変わると、ある日ふっと、すらすら読めるようになることもあります。焦らず、見守る姿勢を大切にしてください。
学校の宿題で音読が負担なときは、担任の先生に「家ではこんな工夫をしています」と伝えてみるのもひとつの方法です。家庭と学校で同じ方向を向けると、お子さんの安心感も増します。
漢字の覚えにくさで悩んでいる場合は、こちらの記事も参考になります。


音読って、上手に読むことより、楽しく声を出すことが大事なんですね。肩の力が抜けました!

その気持ちが、お子さんにも伝わるわん。親がにこにこしていると、子どもも安心するわん。
ひとりで抱え込まず、音読を嫌がる子のペースで進めよう

音読が苦手でも、焦らなくて大丈夫です。声に出して読む力は、経験を重ねるうちに少しずつ育っていきます。今日できなくても、明日できることもあります。
うまくいかない日は、音読をお休みしてもかまいません。「今日は読み聞かせにしよう」と、親が読んであげる日があってもいいのです。無理なく続けることのほうが、ずっと大切です。
悩んだときは、一人で抱え込まないでください。同じような悩みを持つ保護者は、たくさんいます。園や学校の先生に話してみる、同じ年頃の子を持つ人と情報交換する、といった方法で、気持ちが軽くなることもあります。
音読を嫌がる姿は、お子さんなりの「ちょっと大変だよ」というサインでもあります。そのサインに気づいて、そっと寄りそってくれる親御さんがいることは、お子さんにとって大きな安心です。今日まで、本当によくがんばってこられましたね。
音読を嫌がる子への関わり方のポイントは、①親子で一緒に楽しく読む ②短い時間と好きな本から始める ③できたことを具体的に認めるの3つです。完璧を目指さず、その子のペースで続けていきましょう。
お子さんの「読めた!」の笑顔が、これからもたくさん増えていきますように。おやまどは、これからも保護者のみなさんに寄りそっていきます。
アイキャッチ画像:Photo by Marta Wave on Pexels



コメント