音読を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説

音読を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説 低学年
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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音読を嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい場面

こんにちは!おやまどの鈴木です。

「音読の宿題やったの?」と声をかけると、とたんに表情が曇る。教科書を開いても、声が小さくなったり、逃げ出したりしてしまう。そんな姿を見ると、「どうして嫌がるのかな」と悩んでしまいますよね。

この記事では、音読を嫌がる子の気持ちや、つまずきやすい理由、ご家庭で試せる関わり方を、やさしい言葉でまとめました。「うちの子だけ?」と不安な方も、安心して読み進めてください。

音読は、文字を目で追う・読み方を思い出す・声に出す・自分の声を聞くという作業を、ほぼ同時に行う活動です。読むだけの黙読より、ずっと多くの力を使うので、疲れやすさや苦手さが出ても不思議ではありません。

音読を嫌がるのは、わがままや怠けではありません。理由は子どもによって違います。まずは「何が嫌なのかな」を、一緒に探すところから始めましょう。

音読を嫌がる子が感じている、むずかしさと不安

開いた本のページに手を添えている様子
Photo by Polina Tankilevitch on Pexels

音読を嫌がる子は、実際にどんなことで困っているのでしょうか。よくある例を整理してみます。

ひとつ目は、文字を追うのが大変なことです。行を飛ばしてしまう、どこを読んでいるかわからなくなる、といった場面があります。読むたびに間違えて、気持ちが沈んでしまう子もいます。

ふたつ目は、読み間違いを恥ずかしく感じることです。つっかえたり、間違えたりすると、「ぼく、下手だな」と思ってしまいます。とくに、家族や先生に聞かれていると、緊張して余計に読みにくくなります。

みっつ目は、内容が頭に入りにくいことです。声に出して読むだけで精一杯になり、意味まで考える余裕がなくなる子もいます。「何を読んだのか覚えていない」と感じると、音読する意味がわからなくなってしまいます。

さらに、「毎日やらされる」という負担感も大きな要因です。毎日同じ文章を何度も読む宿題は、慣れていても単調で、飽きやすいものです。

学年によっては、音読の宿題が「毎日5回」などと決まっていることもあります。回数をこなすこと自体が目的になると、気持ちがこもらず、さらに嫌になってしまう悪循環が生まれることがあります。

こうした困りごとが重なると、「音読=嫌なこと」という気持ちが育ってしまいます。責める必要はまったくありません。 まずは、お子さんの気持ちを受け止めてあげましょう。

ご家庭では、読み間違いやつっかえが気になって、つい「もう一回」と言いたくなるかもしれません。でも、子どもにとっては、何度もやり直しを求められることが、音読を嫌いになる大きな理由になることがあります。

お子さんが「やりたくない」と言ったときは、まず「そっか、嫌なんだね」と気持ちを受け止めてみてください。理由を聞くのはそのあとで大丈夫です。受け止めてもらえた安心感が、次の一歩を支えてくれます。

ほのママ
ほのママ

うちの子、音読の時間になると急にトイレに行ったり、お水を飲んだり…。やる気がないのかと思ってました。

ここわん
ここわん

それは違うわん。実は「読むのが不安」で、先延ばししたくなっているのかもしれないわん。気持ちに寄りそうのがいちばんわん。

音読を嫌がる子が、とくにつまずきやすいタイミング

積み重ねられた子ども向けの絵本
Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

音読が嫌になる場面には、いくつかの傾向があります。あらかじめ知っておくと、先回りして助けやすくなります。

まず、新しい教科書や文章に出会ったときです。初めて見る漢字や、聞きなれない言葉が多いと、つっかえる回数が増えて、苦手意識につながります。

次に、人前で読むときです。授業中に順番に読む場面や、授業参観では、緊張で声が出なくなる子もいます。大勢の前で間違えた経験があると、音読そのものが怖くなってしまうことがあります。

また、宿題として毎日出されるときも、気持ちが重くなりがちです。疲れて帰ってきてから、さらに声を出す作業を求められるのは、子どもにとって大きな負担です。

学年が上がると、文章が長くなり、漢字が増え、読み方の難しさが増します。これまで読めていた子でも、急に苦手になることがあります。それも、成長の途中でよく見られる姿です。

また、友達との比較が気になり始める時期でもあります。「あの子はすらすら読めるのに」と感じると、自分の読み方が恥ずかしくなってしまうことがあります。周りと比べる気持ちが、音読を遠ざける理由になる場合も少なくありません。

たとえば、よくある例として、授業で当てられるのが怖くて、前の日から気持ちが重くなってしまうことがあります。そんなときは、事前に家で読む練習をしておくと、当日の安心感が違ってきます。

音読が嫌になりやすい場面
・初めての文章や漢字が多いとき
・人前や授業参観で読むとき
・毎日の宿題で疲れているとき
・学年が上がり、文章が長くなったとき

こうした場面を把握しておくと、「今日はここで止まったんだな」と理由が見えてきます。叱る前に、一呼吸おいてみてください。

音読を嫌がる子と進める、楽しい工夫とやさしいステップ

音読を嫌がる子には、いきなり「ちゃんと読みなさい」と求めるより、楽しく声を出す経験を増やすのが近道です。ここでは、取り入れやすい工夫を紹介します。

音読を嫌がる子におすすめの、親子で楽しめる読み方

絵本とぬいぐるみが並んだ様子
Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

まず試したいのが、親子で交代して読む方法です。1ページずつ、あるいは1文ずつ交代で読むと、子どもの負担がぐっと軽くなります。親が先に読むと、読み方のお手本にもなります。

次におすすめなのが、一緒に声をそろえて読む方法です。ひとりで読むより安心感があり、つっかえても止まらずに進められます。「いっしょに読むと楽しいね」という気持ちが育っていきます。

さらに、役割を決めて読むのも効果的です。物語なら、親が語り手、子どもが登場人物、というように分担します。セリフをキャラクターらしく読むと、遊びの要素が入って、嫌な気持ちが薄れていきます。

読むスピードは、ゆっくりで大丈夫です。早く読めることよりも、楽しく読めることを大切にしてあげましょう。

親子で読むときは、読み終わったあとの時間も大切にしてください。「この場面、どきどきしたね」「この子、かわいかったね」と感想を伝え合うだけで、音読の時間が楽しい思い出になります。

お風呂の中や、寝る前のふとんの中など、リラックスしているタイミングで読むのも、ひとつの方法です。気持ちが落ち着いているときは、声も出しやすくなります。

音読の効果や、楽しく続けるコツについては、こちらの記事でもくわしく紹介しています。

小学生の音読の効果とは?得られる力と楽しく続けるコツを解説
小学校の宿題でおなじみの音読。実は、読解力や語彙力、集中力など、さまざまな力を育てる効果があると言われています。この記事では、小学生の音読で得られる効果や宿題に出される理由、楽しく続けるサポートのコツまで、やさしく、くわしく紹介します。

取り入れやすい読み方
・親子で1文ずつ交代する
・声をそろえて一緒に読む
・役割を決めてセリフを読む

音読を嫌がる子の気持ちをほぐす、短い時間と好きな本の工夫

カラフルな絵本が積まれている様子
Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

次に、短い時間で切り上げる工夫です。目安は、1〜3分程度。「ここまで読んだら終わり」と先に伝えておくと、見通しが持てて安心します。長く続けるより、短く続けるほうが、気持ちの負担が少なくなります。

音読の題材も見直してみましょう。教科書の文章が難しいと感じるなら、好きなキャラクターの絵本や、好きな乗り物・動物の図鑑など、興味のあるものから始めてもかまいません。「読むのが楽しい」と思える経験が、土台になります。

指やしおりで、読んでいる行を押さえるのもおすすめです。どこを読んでいるかが目で見てわかると、行を飛ばしにくくなります。定規や、行だけが見える窓付きのカードも、市販されています。

文字の大きさや行の間隔も、読みやすさに関わります。小さな文字がぎっしり並んだページが苦手なら、拡大コピーをするだけで読みやすくなることがあります。学校の先生に相談できる場合は、あわせて伝えてみましょう。

録音して聞いてみるのも、ひとつの方法です。上手に読めたところを一緒に聞いて、「ここ、すごく聞きやすいね」と伝えると、自信につながります。ただし、嫌がるときは無理に使わなくて大丈夫です。

音読カードのような記録表を、ご褒美の仕組みにしすぎないことも大切です。「何回読んだか」ばかりが目標になると、読むこと自体が作業になってしまいます。読んだ中身や感想に目を向けて、会話のきっかけにしてみてください。

読む内容を、お子さんが選べるようにするのもおすすめです。「今日はどっちの本にする?」と選択肢を出すだけで、自分で決めたという気持ちが育ち、前向きに取り組みやすくなります。

ひらがなの読みにつまずく場合は、こちらの記事も参考になります。

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ほのママ
ほのママ

好きな電車の本なら、すらすら読めたんです!わたしのほうがびっくりしちゃいました。えへへ。

ここわん
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音読を嫌がる子が安心して取り組める、環境と声かけの整え方

工夫と同じくらい大切なのが、安心して声を出せる環境です。ここでは、環境の整え方と声かけのコツを紹介します。

音読を嫌がる子が落ち着いて読める、時間と場所の整え方

子どもの本が並んだカラフルな本棚
Photo by 🇻🇳🇻🇳Nguyễn Tiến Thịnh 🇻🇳🇻🇳 on Pexels

まず見直したいのが、音読をする時間です。疲れ切った夜より、帰宅後すぐや、おやつのあとなど、気持ちに余裕がある時間帯のほうが取り組みやすくなります。

場所も、落ち着けるところを選びます。テレビがついていない静かな部屋、お気に入りのクッションがあるソファ、などが、リラックスできる環境です。周りの音が少ないと、声も出しやすくなります。

聞き手も大切です。親がスマホを見ながら聞いていると、子どもは「ちゃんと聞いてもらえていない」と感じます。顔を向けて、うなずきながら聞くだけで、子どもの気持ちは変わります。

音読の途中で、「水を飲みたい」「少し立ちたい」と言うときは、無理に止めず、休憩を挟むのも大切です。気持ちを切り替える時間があると、また戻ってきやすくなります。

ぬいぐるみやペットに聞かせる方法もあります。人に聞かれるのが苦手な子でも、ぬいぐるみ相手なら、安心して声を出せる場合があります。

読み始める前に、ウォーミングアップをしてみるのも効果的です。口を大きく開けて「あいうえお」を言う、早口言葉を楽しむ、など、遊び感覚で声を出す準備をすると、気持ちがほぐれます。

また、席の位置も工夫できます。向かい合うより、隣に並んで座るほうが、子どもは緊張しにくいことがあります。顔が見えない分、プレッシャーが減るからです。

環境づくりのチェックポイント

・時間帯は、子どもに余裕がある時間か
・静かで落ち着ける場所か
・聞き手が顔を向けて聞いているか
・読む量は短めに区切っているか
・終わりの合図を伝えているか

音読を嫌がる子が前向きになれる、声かけと見守り方

お茶と本が置かれた落ち着いた空間
Photo by Cup of Couple on Pexels

声かけで大切なのは、読み間違いを指摘しすぎないことです。間違えるたびに「違うよ」と直されると、子どもは緊張して余計に読みにくくなります。

避けたい声かけの例
・「また間違えた」
・「どうしてそんな簡単な字も読めないの?」
・「お友達はもっと上手に読めるよ」

間違えたときは、子どもが気づくまで待つのもひとつの方法です。気づかないときは、さりげなく正しい読み方を伝えて、すぐ次に進みます。間違いを何度も指摘しなくて大丈夫です。

かわりに、「声が聞こえて気持ちよかったよ」「最後まで読めたね」と、できたことを具体的に伝えましょう。読み方の上手下手ではなく、取り組んだ気持ちを認めてあげたいところです。

ほめるときは、「上手」だけでなく、具体的な様子を言葉にしましょう。「ここの読み方、気持ちがこもっていたね」「ゆっくり読んでくれて聞きやすかったよ」。具体的な言葉は、子どもの心に残りやすいものです。

音読が終わったあとは、「どんなお話だった?」と、内容についておしゃべりする時間もおすすめです。読むことが、楽しい会話のきっかけになります。

きょうだいがいるご家庭では、きょうだいの前での音読を避けたい子もいます。比べられる不安があるときは、ひとりの時間に聞くようにしましょう。それぞれの気持ちを大切にする工夫です。

親自身が疲れているときは、無理をしなくて大丈夫です。余裕のない日に聞こうとすると、つい声がきつくなってしまいます。親の笑顔が、子どもにとっていちばんの安心だということを、思い出してください。

ほのママ
ほのママ

間違えたら、つい「そこ違うよ」って言っちゃってました…。それも、プレッシャーだったんですね。

ここわん
ここわん

気づいた今からで大丈夫わん。「読めたね」って伝えるだけで、親子ともラクになるわん。

まとめ:音読を嫌がる子を、責めずに見守るために

ここまで、音読を嫌がる子の気持ちと、ご家庭でできる工夫を見てきました。最後に、大切なことを整理します。

音読を嫌がる子への声かけと、できたことの認め方

文字がびっしり並んだ本のページ
Photo by Nicole Lima on Pexels

音読を嫌がる子は、「うまく読めない自分」にがっかりしていることがあります。だからこそ、小さな「できた」を見つけて言葉にすることが、いちばんの支えになります。

たとえば、「今日は3行読めたね」「声がはっきり聞こえたよ」「最後まであきらめなかったね」。どれも立派な成長です。結果より、取り組む気持ちを認めてあげましょう。

成長のスピードは、子どもによって違います。ぐんぐん上達する子もいれば、半年や1年かけて、ゆっくり慣れていく子もいます。周りと比べず、昨日のその子を基準にしてあげてください。

音読が苦手な時期があっても、それがずっと続くとは限りません。環境や関わり方が変わると、ある日ふっと、すらすら読めるようになることもあります。焦らず、見守る姿勢を大切にしてください。

学校の宿題で音読が負担なときは、担任の先生に「家ではこんな工夫をしています」と伝えてみるのもひとつの方法です。家庭と学校で同じ方向を向けると、お子さんの安心感も増します。

漢字の覚えにくさで悩んでいる場合は、こちらの記事も参考になります。

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ほのママ
ほのママ

音読って、上手に読むことより、楽しく声を出すことが大事なんですね。肩の力が抜けました!

ここわん
ここわん

その気持ちが、お子さんにも伝わるわん。親がにこにこしていると、子どもも安心するわん。

ひとりで抱え込まず、音読を嫌がる子のペースで進めよう

絵本の文字を指さしている手元
Photo by Kindel Media on Pexels

音読が苦手でも、焦らなくて大丈夫です。声に出して読む力は、経験を重ねるうちに少しずつ育っていきます。今日できなくても、明日できることもあります。

うまくいかない日は、音読をお休みしてもかまいません。「今日は読み聞かせにしよう」と、親が読んであげる日があってもいいのです。無理なく続けることのほうが、ずっと大切です。

悩んだときは、一人で抱え込まないでください。同じような悩みを持つ保護者は、たくさんいます。園や学校の先生に話してみる、同じ年頃の子を持つ人と情報交換する、といった方法で、気持ちが軽くなることもあります。

音読を嫌がる姿は、お子さんなりの「ちょっと大変だよ」というサインでもあります。そのサインに気づいて、そっと寄りそってくれる親御さんがいることは、お子さんにとって大きな安心です。今日まで、本当によくがんばってこられましたね。

音読を嫌がる子への関わり方のポイントは、①親子で一緒に楽しく読む ②短い時間と好きな本から始める ③できたことを具体的に認めるの3つです。完璧を目指さず、その子のペースで続けていきましょう。

お子さんの「読めた!」の笑顔が、これからもたくさん増えていきますように。おやまどは、これからも保護者のみなさんに寄りそっていきます。

アイキャッチ画像:Photo by Marta Wave on Pexels

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