野菜を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説

野菜を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説 保育園・幼稚園
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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野菜を嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由

こんにちは!おやまどの鈴木です。

栄養を考えて用意した食事なのに、野菜だけぽつんとお皿に残る。「ひと口だけ食べてみよう」と声をかけても、口をぎゅっと閉じてしまう。野菜を嫌がる子を前にして、ため息をついた経験はありませんか。

秋は、おいしい野菜がたくさん出まわる季節です。「せっかくの旬のものを食べてほしい」と思うほど、食卓で気持ちがすれ違ってしまうこともありますよね。

この記事では、野菜を嫌がる子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。毎日の食事づくりを頑張っているおうちの方の、肩の力が少し抜ければうれしいです。

野菜を嫌がる子が感じている、苦み・青くささへの敏感さ

ぎゅっと詰まった、ブロッコリーの緑のつぶつぶ
Photo by Christina & Peter on Pexels

野菜を嫌がる理由として、まず挙げられるのが味やにおいの感じ方です。ピーマンやゴーヤのような苦み、ほうれん草やブロッコリーの青くさいにおいは、子どもにとって強く感じられやすいと言われています。

大人は、経験を重ねるうちに「この苦みがおいしい」と思えるようになります。けれども、子どもはまだ味の経験が少なく、苦みや酸味を「体にとって、よくないかもしれないもの」と感じやすいのだそうです。

つまり、野菜を嫌がるのは、わがままではなく、自分を守ろうとする自然な反応の一つとも考えられます。「なんで食べないの」と責められると、子どもは「自分の感じ方をわかってもらえない」と、食卓そのものが苦手になることもあります。

また、同じ野菜でも、生のとき、ゆでたとき、焼いたときでは、味やにおいがずいぶん変わります。「にんじんは嫌いだけど、甘く煮たものなら食べる」という子も多く、調理法によって好みが分かれるのはよくあることです。

味の感じ方には、個人差があります。家族の中でも、きょうだいで好みがまったく違う、ということもあります。だからこそ、「うちの子の感じ方」に目を向けてあげることが大切です。

ちなみに、子どもは大人より味蕾(味を感じる細かな器官)が多いとも言われ、味を強く感じやすい傾向があるそうです。大人には「ほんのり苦い」程度でも、子どもにはかなり強い苦みに感じられることがあります。

食べものの好みは、周りの人の影響も受けます。家族が食べている様子や、好きなキャラクターが食べているシーンを見て、興味がわく子もいます。「あの子が食べているから、食べてみたい」という気持ちも、立派なきっかけです。

ほのママ
ほのママ

野菜を残されるたびに、私の作り方が悪いのかなって落ち込んじゃうの…。

ここわん
ここわん

ほのママ、味の感じ方は子どもによって違うんだわん。ほのママのせいじゃないから、安心するわん。

野菜を嫌がる子が戸惑う、食感・見た目・においの刺激

お皿に盛られた、にんじんなどの炒めもの
Photo by Esase on Pexels

味だけでなく、食感も大きなポイントです。くたっと柔らかくなったなす、ぬるっとしたオクラ、シャキシャキと音を立てるレタスなど、野菜の食感はさまざまです。

口の中の感覚が敏感な子は、「ぐにゃっとする」「つぶつぶが残る」といった感触を、強く不快に感じることがあります。たとえば、ほうれん草のしゃきしゃき感は平気でも、しんなりした煮びたしは苦手、ということもあります。

見た目も、子どもにとっては大切な情報です。緑色が濃いもの、形が複雑なもの、いろいろな色が混ざったものは、「何が入っているのかわからない」と不安に感じやすいようです。

見通しが立たない食べものは、口に入れるのに勇気がいります。「何だかわからないものは、食べたくない」という気持ちは、小さな子にとって自然なことです。

においについても同じです。ゆでたキャベツやブロッコリーが出す、独特のにおいが苦手な子もいます。冷ましてから出す、薬味や調味料で風味を変えるなど、においの感じ方を変える工夫で、食べやすくなる場合があります。

野菜を嫌がる理由は、「味」「食感」「見た目」「におい」など、いくつかが重なっていることが多いと言われています。 何が苦手なのかを探ることが、工夫のヒントになります。

「どうして食べないの?」と聞いても、子どもは理由をうまく説明できない場合があります。「食べたら、どんな感じがする?」と、感覚を聞いてみるのも一つの方法です。

野菜を嫌がる子の心に残る、「食べなさい」と言われた経験

食べ終わったお皿に置かれた、フォーク
Photo by Sami Aksu on Pexels

もう一つ見落としやすいのが、食事の時間の雰囲気です。「全部食べるまで席を立ちません」「ひと口でも食べなさい」と何度も言われると、子どもは、食卓に座るだけで緊張してしまうことがあります。

たとえば、無理に口に入れられた野菜が苦くてつらかった経験があると、「あの野菜は、嫌なもの」という記憶が強く残ります。次に同じ野菜を見ただけで、体がこわばってしまうこともあるのです。

大人は、子どもの健康を思って声をかけています。その気持ちは、子どもにもきっと届いています。ただ、食べることを「頑張るもの」にしすぎないほうが、結果的に野菜との距離が縮まることもあるようです。

楽しい雰囲気の食卓では、子どもは新しい味にも、少しずつ手を伸ばしやすくなります。「食べられた・食べられなかった」にこだわらず、一緒に食べる時間そのものを大切にしたいですね。

食べものの好き嫌いは、成長の途中で何度も変わります。幼いころは食べなかった野菜が、小学生になって急に食べられるようになった、というのも珍しくありません。「今」の姿が、ずっと続くとは限らないことを、頭の片すみに置いておくと安心です。

「小さいころは何でも食べたのに、急に食べなくなった」という場合もあります。成長の中で、自分の好みがはっきりしてきた表れとも言われ、自我が育っているサインと捉えることもできます。

野菜を嫌がる理由は、味や食感の感じ方、見た目への不安、これまでの食卓での経験など、さまざまです。「食べない=わがまま」とは限りません。

野菜を嫌がる子が、とくに困りやすい場面

野菜を嫌がる子が戸惑う、給食の時間とクラスの雰囲気

トレーに乗せられた、野菜サラダ
Photo by Julia Filirovska on Pexels

家庭では少しずつ工夫できても、園や学校の給食では、そうはいきません。お皿に盛られたものを、決まった時間内に食べる必要があるからです。

たとえば、苦手な野菜が出る日は、朝から「給食、行きたくない」とつぶやく子もいます。おなかが空いていても、「食べられないものがある」というプレッシャーが、食欲を下げてしまうこともあります。

先生が声をかけてくれても、周りのお友だちが食べている様子を見て、「自分だけ食べられない」と感じる子もいるようです。そんなときは、無理に完食をめざさなくても大丈夫です。

担任の先生に、「家でも、少しずつ慣らしている最中です」と一言伝えておくと、量を調整してもらえたり、声のかけ方を工夫してもらえたりすることがあります。家庭と園・学校で、同じ方向を向くことが、子どもの安心につながります。

学校によっては、苦手な食材を「ひと口だけ挑戦」というルールがあることもあります。子どもが「頑張った」と感じられるラインを、先生と一緒に探してみるのも一つの方法です。

ほのママ
ほのママ

給食を残して帰ってくると、「また食べなかったの?」って言いそうになっちゃう…。

ここわん
ここわん

ほのママ、「食べられたものは何だった?」と聞いてあげるわん。できたところに目を向けると、子どもも前向きになれるわん!

野菜を嫌がる子と出かける、外食やお弁当の場面

野菜が彩りよく詰められた、お弁当箱
Photo by Change C.C on Pexels

外食やお出かけのお弁当も、頭を悩ませる場面です。「せっかくのお出かけなのに、野菜が残ってしまって…」と、気持ちが沈むこともあるかもしれません。

お弁当は、子どもが自分で開けて食べるものなので、苦手な野菜が入っていると、フタを閉じてしまうこともあります。そんなときは、野菜を細かく切って混ぜ込んだり、好きな味つけにしたりする方法があります。

外食では、メニューを子どもと一緒に選ぶと、「自分で決めた」という納得感が生まれます。野菜が少なくても、その日は楽しく食べられたら十分、くらいの気持ちで構いません。

一食や一日だけで、栄養のバランスを完璧にそろえなくても大丈夫です。数日〜一週間くらいの長い目で、いろいろな食材に触れられればよい、という考え方もあります。

お弁当の野菜は、カラフルなピックを刺す、型抜きをするなど、見た目で楽しめる工夫をすると、手が伸びやすくなることもあります。ただし、手間をかけすぎて、おうちの方が疲れてしまわないようにしてください。冷凍野菜や市販のカット野菜を使うのも、立派な工夫です。

お出かけ先では、いつもと違う環境で緊張して、食欲が出ない子もいます。「今日は食べられなくても大丈夫」と、あらかじめ大人が心に余裕を持っておくと、子どもにも伝わります。

お出かけの日の工夫: 好きな食べものを中心にしつつ、野菜は「少量・食べやすい形」で添えます。食べられなくても、「一緒に持ってきたね」で終わりにします。

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野菜を嫌がる子に、家庭でできる工夫

野菜を嫌がる子と進める、触る・見る・においをかぐところから

流水でレタスを洗っている、手元
Photo by Kampus Production on Pexels

野菜に慣れるステップは、「食べる」だけではありません。「見る」「触る」「においをかぐ」といった段階を、少しずつ踏んでいく方法があります。

野菜に慣れていく段階の例

・① 野菜の絵本や図鑑を見る
・② スーパーで、野菜を一緒に選ぶ
・③ 洗う・ちぎるなど、触る体験をする
・④ においをかいでみる、お皿の端に置いてみる
・⑤ 子どもが望んだときに、ひとくち口にしてみる

どの段階でも、子どもが「やってみたい」と思えるペースが大切です。食べられなくても、「触れたね」「におい、わかったね」と声をかけるだけで、立派な一歩です。

「ひと口食べたら、次はもっと食べてほしい」と期待してしまう気持ちも、よくわかります。でも、焦らずに、「何度か目にして、少しずつ慣れていく」くらいに構えておくと、親子とも楽になれます。

一説では、新しい食べものに慣れるまでに、何度も繰り返し目にする必要があると言われています。数回食べなかったからといって、「この野菜はずっと無理」と決めつけなくて大丈夫です。

また、苦手な野菜をほかの食べものにこっそり混ぜ込む方法もあります。ただし、あとで気づいた子が「だまされた」と感じることもあるので、「実は入っていたんだよ」と、あとで笑って話せる範囲にとどめておくと安心です。

スーパーで「今日はどれにする?」と一緒に選ぶ時間も、野菜に親しむ小さなきっかけです。買い物かごに入れるところまでを、子どもの役目にしてみてください。

避けたい対応: 「食べないとデザートなし」と、野菜をごほうびの条件にすること。野菜が「つらいもの」、デザートが「ごほうび」という印象を強めてしまう場合があります。

野菜を嫌がる子が興味をもてる、収穫・料理のお手伝い

野菜がたくさん入った、かご
Photo by Kampus Production on Pexels

野菜への興味を引き出すのに、お手伝いはとても効果的です。自分で触れて、形や重さを感じた野菜は、「知っているもの」に変わります。

たとえば、ミニトマトのへたをとる、とうもろこしの皮をむく、きゅうりを切って(安全なものを使って)みるなど、年齢に合わせた作業から始められます。自分で関わった料理は、食べてみたくなるという子も多いようです。

ベランダのプランターで、ミニトマトやバジルを育てるのも楽しい方法です。毎日水をあげて、小さな実がなったときの喜びは、子どもにとって特別な体験になります。

収穫した野菜を、「〇〇ちゃんが育てたトマトだよ」とお皿に出すと、食べるかどうかは別にしても、目をキラキラさせて見つめる子がたくさんいます。食べるきっかけが、そこから生まれることもあります。

庭やベランダがなくても、キッチンで根菜のヘタを水につけて育てる「再生栽培」なら、手軽に挑戦できます。少しずつ伸びる様子を観察する楽しみは、野菜への親しみにつながります。

お手伝いのあとは、「ありがとう、助かったよ」と、感謝を伝えましょう。「役に立てた」という喜びが、子どもの意欲を育てます。

ほのママ
ほのママ

野菜を育てるの、いいね!うちの子、泥遊びが大好きだから、ぴったりかも。

ここわん
ここわん

いい発想わん!「育てた」という気持ちは、苦手を乗りこえる力になるんだわん。

野菜を嫌がる子と食べる、食卓の雰囲気づくりのコツ

そろえて並べられた、たくさんのにんじん
Photo by Victoria Bowers on Pexels

食卓の雰囲気も、野菜との関係に影響すると言われています。楽しい気持ちで食べているときは、新しい食べものにも手が伸びやすいようです。

まず、野菜を「完食させる」ことを目標にしないのが、ポイントです。お皿に少量だけ盛り、「食べても食べなくても大丈夫」と伝えておくと、子どものプレッシャーが減ります。

次に、大人がおいしそうに食べる姿を見せることも大切です。「このにんじん、甘いね」と、自然に話しかけてみてください。子どもは、大人の表情をよく見ています。

野菜をかたちで遊ぶ、いろいろな色の野菜を使って「今日は何色?」と話題にする、など、食卓に会話が生まれる工夫もおすすめです。食事の時間が「楽しい時間」になることが、何よりの近道です。

食卓には、席の位置・食器・照明・テレビの有無など、気が散る要素もあります。テレビを消して、家族で会話をしながら食べるだけでも、子どもが食事に集中しやすくなる場合があります。

食べこぼしが多い子。理由と家庭での工夫を解説
食べこぼしが多い子の理由を、姿勢・道具・声かけの視点でやさしく整理しました。叱らずに続けられる家庭での工夫を知りたい、未就学児から小学生の保護者の方へ。毎日の食事が少し楽になるヒントと、食卓の整え方、声かけの例もまとめています。ぜひどうぞ。

食事中の様子が気になる場合は、食べこぼしが多い子の記事も、あわせて参考にしてみてください。

まとめ:野菜を嫌がる子と、無理なく向き合うために

野菜を嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

つるにたくさん実った、赤いミニトマト
Photo by Noémi Móricz on Pexels

ここまで、野菜を嫌がる子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をお伝えしてきました。もう一度、ポイントをまとめます。

この記事のポイント

・野菜を嫌がるのは、わがままではなく、感じ方の違いや経験が関係していることがある
・味・食感・見た目・においなど、理由は一つとは限らない
・「食べさせる」より、見る・触る・育てるなど、野菜と仲良くなる経験を増やす
・食卓の雰囲気を大切にし、完食にこだわりすぎない

もし、お子さんが「にんじんだけは食べられる」というように、一つでも食べられる野菜があるなら、それは大きな強みです。そこから、似た味や似た形の野菜に少しずつ広げていくのも、一つの方法です。

食べられる野菜が増えないことに焦る日もあるかもしれません。そんなときは、「食べられる量」ではなく「食卓を楽しめているか」を、振り返ってみてください。

食べられる野菜の種類は、成長とともに、少しずつ変わっていくことがあります。今日食べられなかった野菜が、半年後にはお気に入りになるということも、ふつうにあります。

給食を食べるのが遅い子。理由と家庭での工夫を解説
給食を食べるのが遅い子どもの気持ちや理由を、ていねいに整理しました。食べる速さの個人差、噛む・飲みこむ負担、好き嫌いや周りの目など、背景の見つけ方とご家庭での関わり方、先生との共有のコツを解説します。給食の時間に悩む保護者の方に向けて。

給食の時間の悩みについては、給食を食べるのが遅い子の記事も参考になります。

一人で抱え込まず、野菜を嫌がる子と一緒に進んでいく

並べられた、土つきのにんじん
Photo by Matt Webster on Pexels

忙しい日は、お惣菜や冷凍食品に頼っても大丈夫です。おうちの方が笑顔でいられることのほうが、子どもにとっては大切なことも多いのです。

毎日の食事づくりは、本当に大変です。野菜を残されると、がっかりする日もあるでしょう。でも、おうちの方が悩んでいるのは、子どものことを大切に思っているからです。

野菜を食べる量だけで、その子の健康や成長を決めつけなくて大丈夫です。食べものとの関係は、長い時間をかけて育つものだと言われています。

「今日は、においをかげたね」「トマトに触れたね」。そんな小さな一歩を、ぜひ見つけてあげてください。食卓が笑顔でいっぱいになることが、いちばんの栄養かもしれません。

どうしても気持ちが沈むときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。同じような悩みを持つ保護者の方は、たくさんいます。ゆっくり、できることから始めてみましょう。

お箸の持ち方が苦手な子。理由と練習の工夫を解説
お箸の持ち方が苦手な子に悩む保護者の方へ。指先の発達やつまずく理由、遊びながらできる練習、お箸や食卓の整え方まで、毎日の食事で今日から試せる工夫をやさしく整理しました。お子さんのペースであせらず進めるコツも、やさしい言葉で詳しく紹介します。

食べ方や道具で困っているときは、お箸の持ち方が苦手な子の記事も、きっと参考になります。

ほのママ
ほのママ

今日の夕ごはんは、一緒にミニトマトを洗ってみるね!ゆっくりでいいんだよね。

ここわん
ここわん

その調子わん!ほのママも、お子さんも、本当によくがんばってるわん。ボクはいつでも応援してるわん!

アイキャッチ画像:Photo by Damir K on Pexels

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