野菜を嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
栄養を考えて用意した食事なのに、野菜だけぽつんとお皿に残る。「ひと口だけ食べてみよう」と声をかけても、口をぎゅっと閉じてしまう。野菜を嫌がる子を前にして、ため息をついた経験はありませんか。
秋は、おいしい野菜がたくさん出まわる季節です。「せっかくの旬のものを食べてほしい」と思うほど、食卓で気持ちがすれ違ってしまうこともありますよね。
この記事では、野菜を嫌がる子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理します。毎日の食事づくりを頑張っているおうちの方の、肩の力が少し抜ければうれしいです。
野菜を嫌がる子が感じている、苦み・青くささへの敏感さ

野菜を嫌がる理由として、まず挙げられるのが味やにおいの感じ方です。ピーマンやゴーヤのような苦み、ほうれん草やブロッコリーの青くさいにおいは、子どもにとって強く感じられやすいと言われています。
大人は、経験を重ねるうちに「この苦みがおいしい」と思えるようになります。けれども、子どもはまだ味の経験が少なく、苦みや酸味を「体にとって、よくないかもしれないもの」と感じやすいのだそうです。
つまり、野菜を嫌がるのは、わがままではなく、自分を守ろうとする自然な反応の一つとも考えられます。「なんで食べないの」と責められると、子どもは「自分の感じ方をわかってもらえない」と、食卓そのものが苦手になることもあります。
また、同じ野菜でも、生のとき、ゆでたとき、焼いたときでは、味やにおいがずいぶん変わります。「にんじんは嫌いだけど、甘く煮たものなら食べる」という子も多く、調理法によって好みが分かれるのはよくあることです。
味の感じ方には、個人差があります。家族の中でも、きょうだいで好みがまったく違う、ということもあります。だからこそ、「うちの子の感じ方」に目を向けてあげることが大切です。
ちなみに、子どもは大人より味蕾(味を感じる細かな器官)が多いとも言われ、味を強く感じやすい傾向があるそうです。大人には「ほんのり苦い」程度でも、子どもにはかなり強い苦みに感じられることがあります。
食べものの好みは、周りの人の影響も受けます。家族が食べている様子や、好きなキャラクターが食べているシーンを見て、興味がわく子もいます。「あの子が食べているから、食べてみたい」という気持ちも、立派なきっかけです。

野菜を残されるたびに、私の作り方が悪いのかなって落ち込んじゃうの…。

ほのママ、味の感じ方は子どもによって違うんだわん。ほのママのせいじゃないから、安心するわん。
野菜を嫌がる子が戸惑う、食感・見た目・においの刺激

味だけでなく、食感も大きなポイントです。くたっと柔らかくなったなす、ぬるっとしたオクラ、シャキシャキと音を立てるレタスなど、野菜の食感はさまざまです。
口の中の感覚が敏感な子は、「ぐにゃっとする」「つぶつぶが残る」といった感触を、強く不快に感じることがあります。たとえば、ほうれん草のしゃきしゃき感は平気でも、しんなりした煮びたしは苦手、ということもあります。
見た目も、子どもにとっては大切な情報です。緑色が濃いもの、形が複雑なもの、いろいろな色が混ざったものは、「何が入っているのかわからない」と不安に感じやすいようです。
見通しが立たない食べものは、口に入れるのに勇気がいります。「何だかわからないものは、食べたくない」という気持ちは、小さな子にとって自然なことです。
においについても同じです。ゆでたキャベツやブロッコリーが出す、独特のにおいが苦手な子もいます。冷ましてから出す、薬味や調味料で風味を変えるなど、においの感じ方を変える工夫で、食べやすくなる場合があります。
「どうして食べないの?」と聞いても、子どもは理由をうまく説明できない場合があります。「食べたら、どんな感じがする?」と、感覚を聞いてみるのも一つの方法です。
野菜を嫌がる子の心に残る、「食べなさい」と言われた経験

もう一つ見落としやすいのが、食事の時間の雰囲気です。「全部食べるまで席を立ちません」「ひと口でも食べなさい」と何度も言われると、子どもは、食卓に座るだけで緊張してしまうことがあります。
たとえば、無理に口に入れられた野菜が苦くてつらかった経験があると、「あの野菜は、嫌なもの」という記憶が強く残ります。次に同じ野菜を見ただけで、体がこわばってしまうこともあるのです。
大人は、子どもの健康を思って声をかけています。その気持ちは、子どもにもきっと届いています。ただ、食べることを「頑張るもの」にしすぎないほうが、結果的に野菜との距離が縮まることもあるようです。
楽しい雰囲気の食卓では、子どもは新しい味にも、少しずつ手を伸ばしやすくなります。「食べられた・食べられなかった」にこだわらず、一緒に食べる時間そのものを大切にしたいですね。
食べものの好き嫌いは、成長の途中で何度も変わります。幼いころは食べなかった野菜が、小学生になって急に食べられるようになった、というのも珍しくありません。「今」の姿が、ずっと続くとは限らないことを、頭の片すみに置いておくと安心です。
「小さいころは何でも食べたのに、急に食べなくなった」という場合もあります。成長の中で、自分の好みがはっきりしてきた表れとも言われ、自我が育っているサインと捉えることもできます。
野菜を嫌がる理由は、味や食感の感じ方、見た目への不安、これまでの食卓での経験など、さまざまです。「食べない=わがまま」とは限りません。
野菜を嫌がる子が、とくに困りやすい場面
野菜を嫌がる子が戸惑う、給食の時間とクラスの雰囲気

家庭では少しずつ工夫できても、園や学校の給食では、そうはいきません。お皿に盛られたものを、決まった時間内に食べる必要があるからです。
たとえば、苦手な野菜が出る日は、朝から「給食、行きたくない」とつぶやく子もいます。おなかが空いていても、「食べられないものがある」というプレッシャーが、食欲を下げてしまうこともあります。
先生が声をかけてくれても、周りのお友だちが食べている様子を見て、「自分だけ食べられない」と感じる子もいるようです。そんなときは、無理に完食をめざさなくても大丈夫です。
担任の先生に、「家でも、少しずつ慣らしている最中です」と一言伝えておくと、量を調整してもらえたり、声のかけ方を工夫してもらえたりすることがあります。家庭と園・学校で、同じ方向を向くことが、子どもの安心につながります。
学校によっては、苦手な食材を「ひと口だけ挑戦」というルールがあることもあります。子どもが「頑張った」と感じられるラインを、先生と一緒に探してみるのも一つの方法です。

給食を残して帰ってくると、「また食べなかったの?」って言いそうになっちゃう…。

ほのママ、「食べられたものは何だった?」と聞いてあげるわん。できたところに目を向けると、子どもも前向きになれるわん!
野菜を嫌がる子と出かける、外食やお弁当の場面

外食やお出かけのお弁当も、頭を悩ませる場面です。「せっかくのお出かけなのに、野菜が残ってしまって…」と、気持ちが沈むこともあるかもしれません。
お弁当は、子どもが自分で開けて食べるものなので、苦手な野菜が入っていると、フタを閉じてしまうこともあります。そんなときは、野菜を細かく切って混ぜ込んだり、好きな味つけにしたりする方法があります。
外食では、メニューを子どもと一緒に選ぶと、「自分で決めた」という納得感が生まれます。野菜が少なくても、その日は楽しく食べられたら十分、くらいの気持ちで構いません。
一食や一日だけで、栄養のバランスを完璧にそろえなくても大丈夫です。数日〜一週間くらいの長い目で、いろいろな食材に触れられればよい、という考え方もあります。
お弁当の野菜は、カラフルなピックを刺す、型抜きをするなど、見た目で楽しめる工夫をすると、手が伸びやすくなることもあります。ただし、手間をかけすぎて、おうちの方が疲れてしまわないようにしてください。冷凍野菜や市販のカット野菜を使うのも、立派な工夫です。
お出かけ先では、いつもと違う環境で緊張して、食欲が出ない子もいます。「今日は食べられなくても大丈夫」と、あらかじめ大人が心に余裕を持っておくと、子どもにも伝わります。
野菜を嫌がる子に、家庭でできる工夫
野菜を嫌がる子と進める、触る・見る・においをかぐところから

野菜に慣れるステップは、「食べる」だけではありません。「見る」「触る」「においをかぐ」といった段階を、少しずつ踏んでいく方法があります。
野菜に慣れていく段階の例
・① 野菜の絵本や図鑑を見る
・② スーパーで、野菜を一緒に選ぶ
・③ 洗う・ちぎるなど、触る体験をする
・④ においをかいでみる、お皿の端に置いてみる
・⑤ 子どもが望んだときに、ひとくち口にしてみる
どの段階でも、子どもが「やってみたい」と思えるペースが大切です。食べられなくても、「触れたね」「におい、わかったね」と声をかけるだけで、立派な一歩です。
「ひと口食べたら、次はもっと食べてほしい」と期待してしまう気持ちも、よくわかります。でも、焦らずに、「何度か目にして、少しずつ慣れていく」くらいに構えておくと、親子とも楽になれます。
一説では、新しい食べものに慣れるまでに、何度も繰り返し目にする必要があると言われています。数回食べなかったからといって、「この野菜はずっと無理」と決めつけなくて大丈夫です。
また、苦手な野菜をほかの食べものにこっそり混ぜ込む方法もあります。ただし、あとで気づいた子が「だまされた」と感じることもあるので、「実は入っていたんだよ」と、あとで笑って話せる範囲にとどめておくと安心です。
スーパーで「今日はどれにする?」と一緒に選ぶ時間も、野菜に親しむ小さなきっかけです。買い物かごに入れるところまでを、子どもの役目にしてみてください。
野菜を嫌がる子が興味をもてる、収穫・料理のお手伝い

野菜への興味を引き出すのに、お手伝いはとても効果的です。自分で触れて、形や重さを感じた野菜は、「知っているもの」に変わります。
たとえば、ミニトマトのへたをとる、とうもろこしの皮をむく、きゅうりを切って(安全なものを使って)みるなど、年齢に合わせた作業から始められます。自分で関わった料理は、食べてみたくなるという子も多いようです。
ベランダのプランターで、ミニトマトやバジルを育てるのも楽しい方法です。毎日水をあげて、小さな実がなったときの喜びは、子どもにとって特別な体験になります。
収穫した野菜を、「〇〇ちゃんが育てたトマトだよ」とお皿に出すと、食べるかどうかは別にしても、目をキラキラさせて見つめる子がたくさんいます。食べるきっかけが、そこから生まれることもあります。
庭やベランダがなくても、キッチンで根菜のヘタを水につけて育てる「再生栽培」なら、手軽に挑戦できます。少しずつ伸びる様子を観察する楽しみは、野菜への親しみにつながります。
お手伝いのあとは、「ありがとう、助かったよ」と、感謝を伝えましょう。「役に立てた」という喜びが、子どもの意欲を育てます。

野菜を育てるの、いいね!うちの子、泥遊びが大好きだから、ぴったりかも。

いい発想わん!「育てた」という気持ちは、苦手を乗りこえる力になるんだわん。
野菜を嫌がる子と食べる、食卓の雰囲気づくりのコツ

食卓の雰囲気も、野菜との関係に影響すると言われています。楽しい気持ちで食べているときは、新しい食べものにも手が伸びやすいようです。
まず、野菜を「完食させる」ことを目標にしないのが、ポイントです。お皿に少量だけ盛り、「食べても食べなくても大丈夫」と伝えておくと、子どものプレッシャーが減ります。
次に、大人がおいしそうに食べる姿を見せることも大切です。「このにんじん、甘いね」と、自然に話しかけてみてください。子どもは、大人の表情をよく見ています。
野菜をかたちで遊ぶ、いろいろな色の野菜を使って「今日は何色?」と話題にする、など、食卓に会話が生まれる工夫もおすすめです。食事の時間が「楽しい時間」になることが、何よりの近道です。
食卓には、席の位置・食器・照明・テレビの有無など、気が散る要素もあります。テレビを消して、家族で会話をしながら食べるだけでも、子どもが食事に集中しやすくなる場合があります。

食事中の様子が気になる場合は、食べこぼしが多い子の記事も、あわせて参考にしてみてください。
まとめ:野菜を嫌がる子と、無理なく向き合うために
野菜を嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

ここまで、野菜を嫌がる子の気持ちや、困りやすい場面、家庭でできる工夫をお伝えしてきました。もう一度、ポイントをまとめます。
この記事のポイント
・野菜を嫌がるのは、わがままではなく、感じ方の違いや経験が関係していることがある
・味・食感・見た目・においなど、理由は一つとは限らない
・「食べさせる」より、見る・触る・育てるなど、野菜と仲良くなる経験を増やす
・食卓の雰囲気を大切にし、完食にこだわりすぎない
もし、お子さんが「にんじんだけは食べられる」というように、一つでも食べられる野菜があるなら、それは大きな強みです。そこから、似た味や似た形の野菜に少しずつ広げていくのも、一つの方法です。
食べられる野菜が増えないことに焦る日もあるかもしれません。そんなときは、「食べられる量」ではなく「食卓を楽しめているか」を、振り返ってみてください。
食べられる野菜の種類は、成長とともに、少しずつ変わっていくことがあります。今日食べられなかった野菜が、半年後にはお気に入りになるということも、ふつうにあります。

給食の時間の悩みについては、給食を食べるのが遅い子の記事も参考になります。
一人で抱え込まず、野菜を嫌がる子と一緒に進んでいく

忙しい日は、お惣菜や冷凍食品に頼っても大丈夫です。おうちの方が笑顔でいられることのほうが、子どもにとっては大切なことも多いのです。
毎日の食事づくりは、本当に大変です。野菜を残されると、がっかりする日もあるでしょう。でも、おうちの方が悩んでいるのは、子どものことを大切に思っているからです。
野菜を食べる量だけで、その子の健康や成長を決めつけなくて大丈夫です。食べものとの関係は、長い時間をかけて育つものだと言われています。
「今日は、においをかげたね」「トマトに触れたね」。そんな小さな一歩を、ぜひ見つけてあげてください。食卓が笑顔でいっぱいになることが、いちばんの栄養かもしれません。
どうしても気持ちが沈むときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。同じような悩みを持つ保護者の方は、たくさんいます。ゆっくり、できることから始めてみましょう。

食べ方や道具で困っているときは、お箸の持ち方が苦手な子の記事も、きっと参考になります。

今日の夕ごはんは、一緒にミニトマトを洗ってみるね!ゆっくりでいいんだよね。

その調子わん!ほのママも、お子さんも、本当によくがんばってるわん。ボクはいつでも応援してるわん!
アイキャッチ画像:Photo by Damir K on Pexels



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