通知表を見せたくない子の気持ちと、つまずきやすい場面
こんにちは!おやまどの鈴木です。
「通知表を見せたくないと言って、カバンから出さない」「学期末が近づくと、お子さんの表情が暗くなる」。そんな様子を見て、どう声をかけたらいいのか迷っている保護者の方もいるのではないでしょうか。通知表を見せたくない子どもの気持ちは、大人が思う以上に複雑です。
この記事では、通知表を見せたくない子どもの気持ちや背景、ご家庭でできる関わり方を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じているときの、ひと息つくきっかけになればうれしいです。
見せたら怒られるかもしれない不安

通知表を見せたくない理由として、よくあるのが「見せたら怒られるかもしれない」という不安です。成績がよくなかったときだけでなく、期待に応えられなかったと感じたときにも、子どもは親の反応を気にして、緊張します。
これまでに、成績について強く注意された経験があると、その記憶が「通知表=怒られるもの」という結びつきを作ってしまうことがあります。通知表を目にしただけで、お腹が痛くなる、頭が真っ白になるという子もいるようです。
また、親をがっかりさせたくない、という気持ちを持っている子も多くいます。「お母さんに悲しい顔をさせたくない」「お父さんに心配をかけたくない」。そんなやさしい気持ちが、見せたくない理由になっていることもあります。
たとえば、帰り道で「通知表、もらった?」と聞かれた途端に、うつむいて黙ってしまう場面を想像してみてください。その沈黙は、反抗ではなく、どう思われるか分からなくて怖いという気持ちの表れかもしれません。
通知表を隠したり、見せるのを先延ばしにしたりするのは、子どもなりに自分を守ろうとしている姿です。「どうして隠すの」と問いつめるより、「見せにくい気持ちがあるのかな」と、気持ちに目を向けてあげたいですね。
大人にとっては、成績の一つの記録にすぎなくても、子どもにとっては、自分の価値を決められてしまうように感じる場面です。その重さを、少しだけ想像してあげるだけで、声のかけ方が変わってきます。

見せないのは、悪いことしたからだと思ってたけど、怒られるのが不安だったんだね…えへへ。

子どもなりに、がんばって守ろうとしているんだわん。その気持ちを分かってあげるのが第一歩だわん。
友達ときょうだいと比べられるつらさ

通知表を見せたくない理由には、「比べられたくない」という気持ちもあります。「〇〇ちゃんはどうだった?」「お兄ちゃんのときは…」といった言葉は、大人が何気なく口にしがちですが、子どもにとっては、胸にずしんと響くことがあります。
クラスの友達同士で、通知表の内容を見せ合ったり、話題にしたりする場面もあります。そこで、自分だけ見せられない、見せたくないと感じる子もいます。比べられることへの怖さが、通知表そのものへの苦手意識につながっていくこともあります。
きょうだいがいるご家庭では、お兄ちゃんやお姉ちゃんの通知表と比べられるのがつらい、という子もいます。同じように頑張っているつもりでも、結果の違いが目に見えてしまうと、気持ちが沈んでしまいます。
よくある例として、通知表を見せた直後に、「ここがもう少しだね」と指摘ばかりされてしまい、せっかくの頑張りが伝わらなかった、という場面があります。そうした経験が重なると、「見せても意味がない」と感じるようになることもあります。
子どもの成長のペースは、一人ひとり違います。得意なことも、苦手なことも、時期によって変わっていきます。比べる相手は、友達ではなく、少し前のその子自身だと考えてみると、見方が少し変わってきます。
「比べるつもりはなかったのに」と、あとから気づく保護者の方も多いと思います。それくらい、比べる言葉は無意識に出てしまうものです。もし言ってしまったと感じたら、「さっきの言い方、ごめんね」と伝えるだけでも、お子さんは安心します。
お子さんが、通知表について話したくなさそうなときは、通知表の話題から少し離れて、好きな遊びや最近うれしかったことを聞いてみるのもよいでしょう。話しやすい空気ができてから、通知表の話に戻っても遅くありません。
通知表を見せたくない理由をひもとく
通知表を見せたくない理由は、子どもによってさまざまです。ここでは、よくある背景を二つ取り上げて、見ていきましょう。
がんばりが評価に表れていないと感じる悔しさ

通知表には、テストの点数や提出物、授業中の取り組みなど、いろいろなことが反映されます。ところが、子ども自身は「こんなに頑張ったのに」と感じていても、通知表の評価にその気持ちが表れていないように見えることがあります。
たとえば、毎日こつこつ宿題をしてきたのに、評価の欄にはあまり変化がなかった。授業中にがんばって手を挙げたのに、そのことが書かれていなかった。そんなとき、子どもは「分かってもらえなかった」という、さみしい気持ちになります。
悔しさがあるからこそ、通知表を見せたくない、という子もいます。見せたくない気持ちの裏には、本当は認めてほしい気持ちがかくれていることも多いと言われています。
また、苦手なことを一生懸命がんばっているのに、結果が出にくい子もいます。努力と評価が結びつきにくい場面が続くと、「どうせ頑張ってもだめだ」という気持ちが育ってしまうこともあります。
こうした気持ちは、「言い訳」ではありません。努力の過程をちゃんと見てもらえていない、という感覚が、通知表への抵抗感になっていることもあるのです。
大人から見ると、数字や評価はたしかな情報に思えます。けれど、数字だけでは見えない、その子なりの努力や変化があります。通知表の外側にある頑張りにも、ぜひ目を向けてあげてください。
たとえば、休み時間に困っている友達に声をかけた、給食の配膳を手伝った、苦手な教科でも最後まで席に座っていられた。そんな姿は、通知表の数字にはなかなか表れませんが、お子さんの確かな成長です。見つけたら、ぜひ言葉にして伝えてあげましょう。
通知表の見方が分からず、悪い意味に受け取ってしまう

通知表に並ぶ「よくできる」「できる」「もう少し」といった評価や、数字、先生からのコメントを、子どもがどう受け止めているかも、見せたくない気持ちに関わります。評価の意味がよく分からないまま、「悪い成績」と思いこんでしまう子もいます。
学校によって、評価のつけ方や書き方はさまざまです。たとえば、「もう少し」という言葉が、「これから伸びる余地がある」という意味で使われていても、子どもには「だめだった」と聞こえてしまうことがあります。
先生からのコメントも、「〜に取り組めるようになるとよいですね」といった前向きな言葉であっても、子どもは「注意された」と感じることがあります。言葉の受け取り方は、その子の気持ちの状態によっても変わってきます。
そのため、通知表を子どもだけで見ると、実際以上に重たく受け止めてしまうこともあります。ご家庭で、評価の意味を一緒に確かめるだけで、気持ちが軽くなることがあります。
よくある例として、「もう少し」の評価がついた項目ばかりが気になって、よい評価がついたところが目に入らなくなってしまう場合があります。一つの悪い評価が、頭の中で大きくなってしまうのです。
通知表の読み方に迷うときは、評価の基準や、各項目の意味を、学校のお知らせなどで確かめてみましょう。分からない点があるときは、先生に聞いてみるのも一つの方法です。
評価の意味を親子で一緒に確かめるときは、「ここは、どういう意味だと思う?」と、お子さんの考えも聞いてみましょう。大人が一方的に説明するより、お子さんが自分の言葉で受け止め直すほうが、気持ちの整理につながりやすくなります。

「もう少し」って、「ダメ」じゃなかったの?ちゃんと意味を知らないで焦ってたかも!

言葉の意味が分かるだけで、気持ちは軽くなるんだわん。一緒に確かめてみるといいんだわん。
通知表を見せたくない子への家庭での関わり方
通知表を見せたくない子には、「見せなさい」と言う前にできることがあります。ご家庭で取り入れやすい関わり方を見ていきましょう。
受け取る前の声かけと、見る場の整え方

通知表をもらう日の前に、あらかじめ声をかけておくと、お子さんの緊張がやわらぎます。「どんな結果でも、頑張ったことは分かっているよ」と、先に伝えておくのです。結果を見る前に安心できると、見せることへのハードルが下がります。
見る場の雰囲気も大切です。バタバタした夕食の準備中や、きょうだいの前よりも、落ち着いた時間に、親子二人で見るほうが、お子さんは安心できます。お茶を飲みながら、ゆったりした気持ちで見るだけでも、空気が変わります。
お子さんが見せたがらないときは、無理に取り上げず、「見せたくなったら、教えてね」と、待つ姿勢を見せてあげましょう。待ってもらえる安心感があると、自分から見せてくれることもあります。
たとえば、「今日はもらってきた日だよね。見せてもいいと思ったときに、声をかけてね」と、さらりと伝えておく方法があります。急かさないことで、お子さんが自分のタイミングを選べるようになります。
見るときは、まず「よく頑張ったね」「持って帰ってきてくれてありがとう」と、通知表を見せてくれたことそのものを、認めてあげましょう。評価の内容に触れるのは、そのあとで大丈夫です。
評価がよくなかった項目があっても、その場ですぐに対策を話し合わなくても大丈夫です。その日は「おつかれさま」と労って、次の日以降に、落ち着いた気持ちで話すほうが、お子さんも前向きに受け止めやすくなります。
結果より、がんばりや成長を見つける

通知表を見るときは、評価の数だけでなく、「がんばったこと」や「変わってきたこと」を探してみましょう。前の学期と比べて、少し伸びたところ、先生がほめてくれているところ、お子さんが自分から話してくれた場面など、手がかりはたくさんあります。
先生からのコメント欄には、授業中のようすや、お子さんのよいところが書かれていることがあります。声に出して読んであげると、お子さんが「見てもらえていたんだ」と感じて、うれしそうな顔をすることもあります。
苦手なところがあっても、そのまま責めずに、「ここはどうしたらやりやすいかな」と、一緒に考えるスタンスで向き合いましょう。点数や評価は、これからの手がかりであって、お子さんの価値を決めるものではありません。
もし、学習や生活のことで気になる点があるときは、担任の先生に、お子さんの得意なことや苦手なことを聞いてみるのも一つの方法です。面談の機会がある学校では、そこで話してみるのもよいかもしれません。
面談で、お子さんのことをどう伝えたらよいか迷うときは、こちらの記事も参考になります。

学期の途中で疲れが出てきているお子さんには、こちらの記事もあわせてどうぞ。

通知表を見るときの声かけアイデア
・「見せてくれてありがとう」と、まず伝える
・よい評価がついたところから、先に見る
・「どこをがんばったの?」と、がんばりを聞いてみる
・苦手なところは、「次はどうしたらやりやすい?」と一緒に考える

これなら、通知表を見る時間も、安心して過ごせそう。難しく考えなくていいんだね。えへへ。

その安心感が大事だわん。楽しく話せる時間にすることが、いちばんの近道だわん!
まとめ:通知表を見せたくない子と、あせらず進む
ここまで、通知表を見せたくない子どもの気持ちや理由、ご家庭での関わり方についてご紹介してきました。最後に、大切なポイントを振り返っておきましょう。
通知表を見せたくないのは、よくあること

通知表を見せたくない背景には、怒られるかもしれない不安、比べられるつらさ、がんばりが伝わらない悔しさ、評価の意味が分からない戸惑いなど、その子なりの理由があります。見せたくない気持ちは、がんばっているからこそ生まれる大切なサインです。
通知表は、成長の途中の記録の一つにすぎません。今の評価が、これからもずっと続くとは限りません。長い目で、今の時期を一緒に見守っていきましょう。
子どもは、少しずつ、自分のペースで育っていきます。ある時期にうまくいかなかったことが、次の学期や次の学年で、ふと変わることもよくあります。通知表の一つひとつの評価に、親子で一喜一憂しすぎなくても大丈夫です。
通知表の結果がどうであっても、お子さんの価値が変わるわけではありません。絵を描くのが好き、友達にやさしい、虫にくわしいなど、評価の欄には載らない良さにも、ぜひ目を向けてあげてください。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。ご家庭だけで答えを出そうとせず、学校の先生とも話しながら、お子さんに合った形を探していきましょう。
お子さんが通知表を見せられずにいるとき、親の側も「どうにかしてあげたい」と、焦る気持ちになりやすいものです。そんなときこそ、お子さんの隣に座って、「今日は、おつかれさま」と声をかけてあげるだけで、十分な支えになります。
今日からできる小さな一歩

今日からできることは、小さなことで十分です。「見せてくれたら、うれしいな」とだけ伝えておく。通知表の日の夜は、お子さんの好きなおかずを作ってみる。がんばっていたことを一つ見つけて、言葉にして伝える。どれも、親子の距離を近づける時間になります。
通知表を堂々と見せられるようになることだけが、ゴールではありません。お子さんが、学校でのことを安心して家で話せるようになることが、何よりの力になります。
二学期や前期の終わりは、お子さんも一区切りの疲れが出やすい時期です。通知表の日に限らず、「今日はどうだった?」と話せる時間を、日ごろからゆったり持っておくと、お子さんも話しやすくなります。
たとえば、夕食のあとに、おやつをつまみながら「今日の学校で一番おもしろかったことは?」と聞いてみる習慣を作るのもおすすめです。通知表の話題ではなくても、日ごろから学校の話ができていると、通知表のことも話しやすくなります。
お子さんが「見てほしいな」と自分から思える瞬間を、ゆったり待ってあげてください。その気持ちが生まれたとき、通知表の時間も、きっと前向きなものになっていきます。

なんだか、気持ちが軽くなってきたかも。まずは「見せてくれてありがとう」って、言ってみるね!

それで十分だわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
通知表を見せたくない背景には、怒られる不安や比べられるつらさ、がんばりが伝わらない悔しさなど、子どもなりの理由があります。気持ちを受け止め、結果よりもがんばりや成長を見つけながら、その子とご家庭のペースで進んでいきましょう。
アイキャッチ画像:Photo by Valentin Ivantsov on Pexels



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