虫を怖がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
公園でちょうちょが近づいただけで、泣き出してしまう。おうちの窓にバッタがとまっただけで、部屋から出てこなくなる。そんなふうに、虫を怖がる子の様子に戸惑った経験はありませんか。
秋は、公園や庭で虫を見かけやすい季節です。外遊びが楽しい時期だからこそ、「虫がいるから行きたくない」と言われると、ママやパパも困ってしまいますよね。
この記事では、虫を怖がる子の気持ちや、つまずきやすい場面、家庭でできる工夫を、やさしく整理します。「うちの子だけかな」と感じている方の、気持ちが軽くなればうれしいです。
虫を怖がる子が感じている、動きが読めないことへの不安

たとえば、昼間は元気に遊んでいる子が、虫の羽音が聞こえた途端、ぴたりと動きを止めてしまうことがあります。そんな様子も、不安のあらわれの一つです。
虫を怖がる子の多くは、「どう動くか、わからない」ことに強い不安を感じていると言われています。
バッタは、突然ぴょんと跳ねます。ちょうちょは、ひらひらと不規則に飛びます。ハチやアブは、耳のそばで羽音を立てます。
大人は「こっちには来ないだろう」と予想できても、子どもにはその見通しがまだ立ちません。いつ、どこへ来るかわからないことが、そのまま怖さにつながりやすいのです。
また、虫は、体のつくりが人間とずいぶん違います。足がたくさんある、目が大きい、羽がある。「自分とは違う生き物」だからこそ、不思議さと怖さが同時にわいてくることもあります。
怖がるのは、わがままでも、弱虫でもありません。自分の身を守ろうとする、自然な反応の一つだと考えられています。
まずは「びっくりしたね」「こわかったね」と、気持ちをそのまま受けとめてあげましょう。「虫なんて怖くないでしょ」と打ち消さないだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じやすくなります。

公園でバッタが跳んできただけで、うちの子、大泣きしちゃったの。びっくりしたよ…。

ほのママ、びっくりしたのは子どもも同じわん。急に動くものは、とても怖く感じやすいんだわん。まずは「こわかったね」と受けとめるのが第一歩わん。
虫を怖がる子が戸惑う、毛・足・触角といった見た目の刺激

ほかにも、虫が服にとまる、髪にからまる、肌をはうなど、体の上を動かれる感覚を苦手に思う子もいます。ふれられたくない場所に、予告なく何かが来る。それだけで、体がぎゅっと固くなってしまうのです。
虫を怖がる理由は、動きだけではありません。見た目の刺激が、大きな怖さになることもあります。
たとえば、毛虫のふさふさした毛、ムカデのたくさんの足、ゴキブリのつやつやした体。目にした瞬間、「いやだ」と体が反応してしまう子もいます。
感覚が敏感な子は、「さわったらどんな感じだろう」と想像するだけで、ぞわっとすることがあります。実際にさわらなくても、見ただけでいやな感触を思い浮かべてしまうのです。
たとえば、よくある例として、「ちょうちょは平気だけど、ハチは音が怖い」「毛虫は見ただけでだめ」のように、虫によって怖さが違うこともあります。「全部の虫が苦手」と決めつけず、お子さんの感じ方を一つずつ確かめてあげましょう。
大きな音への苦手さについては、こちらの記事でも取り上げています。

虫を怖がる子の心に残る、「大人の反応」と過去のびっくり体験

たとえば、お友だちが虫を見て「うわー、気持ち悪い」と言うのを聞いて、「気持ち悪いものなんだ」と感じるようになる子もいます。まわりの言葉も、子どもの感じ方に影響することがあるようです。
そんなときは、「虫にもいろんな種類がいるね」「そう感じる人もいるんだね」と、ゆるやかに見方を広げてあげると、気持ちが楽になることもあります。
虫への怖さには、まわりの大人の反応が関わっていることもあります。
たとえば、虫を見たママやパパが「きゃっ」と大きな声を出すと、子どもは「あれは怖いものなんだ」と感じ取ることがあります。子どもは、大人の表情や声から、安全か危険かを読み取っていると言われています。
もちろん、大人が虫が苦手でも、何もおかしくありません。「びっくりした!」という気持ちは自然なものです。大切なのは、そのあとで、「でも、だいじょうぶだったね」と声をかけ直してあげることです。
また、過去にハチに刺された、虫が服に入ってきた、といったびっくりした体験が、怖さのきっかけになることもあります。そうした記憶は、子どもの心にしっかり残りやすいと言われています。
「あのときは怖かったね」と、気持ちを言葉にして振り返ってあげると、少しずつ落ち着いてくる子もいます。
虫を怖がる子が、とくに困りやすい場面
虫を怖がる子と出かける、公園や外遊びの時間

また、虫が出る時間帯や季節は、ある程度決まっています。「夕方は虫が多いから、午前中に行こう」のように、お出かけの時間を工夫するだけでも、出会う回数が減って、気持ちが落ち着きやすくなります。
もう一つの工夫は、服装や持ちものです。長そで・長ズボンで肌の出る場所を減らす、帽子をかぶる、虫よけグッズを使うなど、「準備ができている」と感じられると、安心して遊べる子もいます。
お子さん自身が、帽子やくつを選ぶのも楽しいですね。「これを着ていれば大丈夫」というお守りのような感覚になる場合もあります。
いちばん困りやすいのは、公園や外遊びの場面ではないでしょうか。
草むらに近づけない。ベンチにすわれない。「虫がいるかも」と思うだけで、外に出たがらない。そんな日が続くと、ママやパパも気持ちが沈んでしまいますよね。
外遊びは、体を動かしたり、季節を感じたりする大切な時間です。でも、怖がっているときに、無理に連れ出す必要はありません。
たとえば、虫が少ない時間帯を選ぶ、草むらから離れた場所で遊ぶ、広場や遊具のあるエリアを選ぶ、といった場所選びの工夫だけでも、気持ちが楽になることがあります。
「ここなら虫は少ないね」と、一緒に確かめながら遊ぶと、お子さんも安心しやすくなります。
チェックポイント
・虫が多い草むらや水辺からは、少し離れた場所で遊ぶ
・お子さんが「いや」と言ったら、その場所は無理に使わない
・虫を見つけたときは、大人が落ち着いた声で「見えたね」と伝える
・「今日はここまでにしよう」と、切り上げる選択肢も残しておく
人が多い場所での「苦手」への寄りそい方は、こちらの記事でも紹介しています。

虫を怖がる子が不安になる、園や学校での生き物の時間

たとえば、よくある例として、「飼育当番は、えさやりだけにしてもらう」「虫とりの日は、記録係をする」といった関わり方の選択肢が用意されると、無理なく参加できる子もいます。
「できない」ではなく、「できる形を探す」という視点で、お子さんと一緒に考えてみましょう。
園や学校では、虫を使った活動がたくさんあります。虫とり、虫の観察、飼育当番、生活科の授業など、避けにくい場面も少なくありません。
「みんなが楽しそうなのに、自分だけ怖い」と感じて、教室や園庭で孤立してしまう子もいます。
そんなとき、ママやパパは「がんばりなさい」と声をかけたくなるかもしれません。でも、まずは、お子さんの気持ちを聞いてあげることが大切です。
「虫に近づかなくても、できる役割はある?」と一緒に考えてみるのも、一つの方法です。たとえば、観察ノートに記録をつける、図鑑で調べる、遠くから見るなど、自分のペースで関われる形があるかもしれません。
また、先生にお子さんの様子を伝えておくと、無理のない形で関われるよう、工夫してもらえることがあります。

虫とりの日の前の夜、「行きたくない」って言われて、どうしたらいいか悩んじゃったよ…。

悩むのは、お子さんを大切に思っているからわん。無理に参加させるより、「どうしたら安心できそう?」と聞いてあげるのが、心強いんだわん。
虫を怖がる子に、家庭でできる工夫
虫を怖がる子と進める、遠くから見るところからの慣れ方

たとえば、最初は窓ごしに外を見て、慣れてきたらベランダから、次は庭の少し離れた場所から、というふうに、距離を少しずつ縮めていく方法があります。一度に進めようとせず、昨日より1歩だけ近づけたら十分です。
また、お子さんが「もういい」と言ったら、そこで終わりにしましょう。やめたいときにやめられるとわかっていると、次も安心して挑戦しやすくなります。
もし、お子さんが少し興味を見せたら、その一歩を大切にしましょう。「ちょうちょ、きれいだね」と一緒に眺めるだけでも十分です。怖がらずに見られた時間を、一緒に喜ぶことが、次の自信につながります。
家庭でできる工夫の一つが、「遠くから見る」ところから始めて、少しずつ慣れていくことです。
たとえば、窓の中から外の虫を見てみる、ちょうちょを遠くから眺める、花にとまる様子をそっと観察する。「見ても何も起こらなかった」という経験が積み重なると、怖さが少しずつやわらぐ子もいます。
お子さんが虫に近づこうとしないときは、そのままで大丈夫です。「見てみる?」と声をかけても、首を振ったら、「じゃあ、また今度ね」と引き下がりましょう。
大切なのは、怖がる気持ちを否定せず、お子さんのペースで進めることです。
暗い場所への怖さについては、こちらの記事でも紹介しています。

虫を怖がる子が興味をもてる、図鑑・絵本・観察の楽しみ方

図鑑を選ぶときは、写真が大きくて、色がきれいなものがおすすめです。お子さんが「これ、おもしろい」と思えるページから開いてみましょう。
虫の名前を覚える、ダンゴムシの数を数える、チョウの羽の模様を真似して描いてみる。そんな遊びを通して、虫への見方が少しずつ変わっていくこともあります。
虫そのものが怖くても、絵や写真、図鑑なら見られるという子は少なくありません。
動かない写真なら、突然跳ねたり飛んだりする心配がないので、じっくり眺めることができます。「この虫は、こんなふうになっているんだね」と、一緒に調べるうちに、「知っていること」が増えて、怖さがやわらぐこともあります。
虫が主人公の絵本やアニメも、きっかけになります。かわいく描かれた虫を見て、「ちょっと好きかも」と思える子もいます。
また、虫めがねやカメラを使って観察するのもおすすめです。レンズを通して見ることで、直接さわらなくても、虫の形や模様を楽しめます。「かっこいいね」「模様がきれいだね」と、好きになれる部分を見つけるのがポイントです。
ただし、無理に好きにさせる必要はありません。「怖いものは怖い」という気持ちも、大切にしてあげましょう。
「見たくなったら、いつでも言ってね」と伝えておくだけで、お子さんは安心して過ごせるようになります。
虫を怖がる子には、気持ちを受けとめる・安心できる距離を保つ・見るところから少しずつ慣れるの3つを意識するだけでも、外遊びの時間が少しずつ穏やかになることがあります。

そっか。怖いままでも、いいんだね。それなら、わたしも肩の力がぬけたよ。

その通りわん!怖い気持ちも、大事な気持ちなんだわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
まとめ:虫を怖がる子と、無理なく向き合うために
虫を怖がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

なお、お子さんの怖がり方がとても強いと感じたり、生活が大変だと感じたりするときは、一人で悩まず、身近な人に話してみるのもよいかもしれません。話すだけで、気持ちが整理されることもあります。
ここまで、虫を怖がる子の気持ちと、家庭での工夫を見てきました。
虫を怖がる理由は、動きが読めない不安、見た目の刺激、大人の反応や過去のびっくり体験など、いくつも重なっていると言われています。
工夫のポイントは、次の3つです。
| 場面 | 気持ちの背景 | 家庭でできる工夫 |
|---|---|---|
| 公園・外遊び | 突然の動きへの不安 | 虫が少ない場所を選ぶ・無理に連れ出さない |
| 園・学校の活動 | みんなと違う不安 | 役割を一緒に考える・気持ちを聞く |
| おうちで | 怖さへの慣れ | 遠くから見る・図鑑や絵本・虫めがねで観察する |
お子さんが虫を怖がるのには、それなりの理由があります。怖い気持ちを受けとめてもらえた経験が、安心して世界を広げていく力になっていきます。
また、どの工夫も、うまくいかない日があっても大丈夫です。その日の天気や体調で、怖がり方も変わります。「今日はこうだったんだな」と、次のヒントにしていきましょう。
一人で抱え込まず、虫を怖がる子と一緒に進んでいく

怖いものが減るきっかけは、人によってさまざまです。「あるとき、気づいたら平気になっていた」ということもありますし、「大人になっても少し苦手」ということもあります。どちらも、その子らしさの一つです。
外遊びが楽しい季節に、「虫がいるから行けない」と言われると、ママやパパも悩んでしまいますよね。
「ほかの子はできるのに」と比べてしまう日もあるかもしれません。でも、虫を怖がる気持ちは、成長とともに少しずつ変わっていくと言われています。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。気持ちを聞いてくれる人や、同じ悩みを話せる人がいるだけでも、心は軽くなります。
今日できる小さな一歩は、「虫、こわいね。ここで見ていようか」と、一言伝えてあげることです。それだけで、お子さんは「わかってもらえた」と感じて、安心できるかもしれません。
お子さんのペースで、ゆっくり進んでいきましょう。

今度の公園は、虫が少ない広場で遊んでみるね!

いい調子わん!ほのママも、お子さんも、本当によくがんばってるわん。ボクはいつでも応援してるわん!
アイキャッチ画像:Photo by Ali Goode on Pexels



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