写真を撮られるのを嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
七五三や運動会、家族のお出かけ。「はい、チーズ」とカメラを向けた途端、顔をそむけたり、泣き出したり、逃げ出したりする。写真を撮られるのを嫌がる子を前にして、「せっかくの記念なのに」とため息が出てしまうこともありますよね。
一方で、「どうして写真だけこんなに嫌がるの?」と不思議に思う方も多いはずです。ふだんは元気に遊んでいるのに、カメラを向けられると表情がかたまってしまう。そんな姿に、戸惑っている方もいるかもしれません。
この記事では、写真を嫌がる子が感じていることや、嫌がりやすい場面、家庭でできる工夫を、やさしく整理していきます。思い出づくりが、親子にとって少しでも穏やかな時間に近づくヒントになればうれしいです。
写真を嫌がる子が、カメラを向けられる緊張で固まってしまうとき

カメラを向けられるのは、実は子どもにとって、かなり特別な場面です。じっと見られている感じがして、「どうしたらいいのかわからない」と感じる子もいます。
大人は「笑って」「こっちを見て」と声をかけますが、子どもにとっては、何をすればよいのか、はっきりしない指示かもしれません。笑うという動作は、頭でわかっていても、意識した途端にできなくなることがあります。
たとえば、ふだんの遊びの中では自然に笑えるのに、「笑って」と言われた途端、表情がこわばってしまう、ということもあります。これは、わざとやっているわけではなく、緊張が表情に出ているだけ、ということもあるのです。
また、カメラのレンズが大きく見えたり、カメラが自分に向かってくるように感じたりして、怖くなる子もいます。目の前に大きな黒い丸があるような感覚は、大人が思う以上に強いのかもしれません。
緊張しやすい子は、「失敗してはいけない」と感じている場合もあります。写真は一瞬で記録に残りますから、「変な顔をしたらどうしよう」と、年齢が上がるほど気にする子もいます。
そんなときは、写真を撮る目的が「いい顔を撮ること」ではなく、「楽しい時間を残すこと」だと伝えてあげてください。うまくやらなくていいんだ、という安心が、緊張をゆるめる一歩になります。
ふだんの様子を思い返してみてください。人に見つめられるのが苦手か、大きな音や光が苦手か、初めての場面全般が苦手か。ヒントは、日常のさまざまな場面に隠れています。
写真を嫌がる子が、フラッシュやシャッター音にとまどうとき

写真を撮るときには、光や音もついてきます。フラッシュのピカッとした強い光、「カシャッ」というシャッター音。こうした刺激が苦手な子もいます。
光や音に敏感な子にとっては、突然の光は、目に飛び込んでくる強い刺激です。何が起こるのか予想できないぶん、身構えてしまう子もいます。
また、スマートフォンの場合も、連続撮影の音や、画面の光に反応する子がいます。何度も撮り直されることで、「いつまで続くの?」と不安が高まるケースもあります。

大きな音が苦手な子の気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。シャッター音が苦手な子と、重なる部分があるかもしれません。

うちの子、フラッシュが光った瞬間に目をぎゅっとつぶっちゃうの…。

光や音が苦手な子もいるわん。ふだんの様子の中に、ヒントが隠れているかもしれないわん。
音の感じ方は、子どもによってさまざまです。小さな音でも気になる子もいれば、大きな音は平気でも、光に敏感な子もいます。「どの刺激が苦手なのか」を、遊んでいるときの様子から探ってみると、手がかりが見つかることがあります。
たとえば、フラッシュをオフにして撮る、シャッター音が小さいモードを使う、明るい場所で撮る。そんな小さな工夫で、表情がやわらぐこともあります。

「笑って」って言うほど、顔がこわばっていくのよね…。

言葉をかえてみるのがおすすめわん。「ピースしてみよう」みたいに、動きで伝えると取り組みやすい子もいるわん。
写真を嫌がる子が、「撮られること」の意味をまだつかめていないとき

子どもにとって、写真を撮ることの意味が、まだはっきりしていない場合もあります。大人は「思い出に残すため」と知っていますが、子どもにとっては、なぜ今ここで止まらなければいけないのかがわからないのです。
遊びの途中で呼び止められて、並ばされて、動いてはいけないと言われる。それは、子どもにとっては、楽しい時間を急にさえぎられる体験でもあります。
写真を撮られること自体が嫌なのではなく、遊びを中断させられることが嫌なのかもしれません。そう考えると、嫌がる理由の見え方が少し変わってきます。
アルバムを一緒に見て、「この日、楽しかったね」と話すなど、写真が思い出につながる体験を重ねると、少しずつ意味がわかってくる子もいます。無理に急がず、ゆっくり育てていく気持ちで大丈夫です。
写真を、遊びの延長として体験させるのも一つの方法です。子どもにカメラやスマートフォンを持たせて、親や好きなぬいぐるみを撮ってもらう。撮る側を経験すると、「写真ってこういうものなんだ」とわかる子もいます。
撮った写真を一緒に見て、「上手に撮れたね」とほめてあげると、写真に対するイメージが少しずつ明るくなっていきます。
写真を嫌がる気持ちは、年齢によっても変わっていきます。小さいうちは、知らない人やカメラそのものへの不安が中心でも、大きくなると「どう写るか」を気にする気持ちが加わることがあります。成長に合わせて、声のかけ方も変えていきましょう。
写真を嫌がる子が、特に困りやすい場面
写真を嫌がる子の困りやすさは、場面によっても変わります。ここでは、家庭でよくある2つの場面を見ていきましょう。
行事の写真が苦手な子には、前もって「当日は何をするか」を伝えておくと安心につながります。写真に写った見本を見せたり、絵で流れを示したりして、見通しを持たせてあげましょう。
七五三や入学式など、写真を嫌がる子が行事で固まってしまうとき

七五三、入園式、入学式、卒園式。行事の写真は、家族にとって大切な記念です。でも、行事の日は、ふだんと違う服、慣れない場所、たくさんの人と、緊張が重なりやすい日でもあります。
着慣れない服で動きにくかったり、髪型やくつが気になったりして、そもそも落ち着かない状態で、さらに「撮るよ」と言われる。それでは、笑顔になれなくても、不思議ではありません。
また、記念写真の撮影では、スタジオやカメラマンさんなど、知らない大人が関わることもあります。人見知りのある子にとっては、これもハードルです。

七五三を嫌がる子の気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。写真を嫌がる子と、重なる部分があるかもしれません。
行事の日は、写真を撮るための時間に余裕をもたせるのも大切です。撮影のことで頭がいっぱいになると、親の声もつい急ぎ気味になり、それが子どもの緊張をさらに高めてしまうことがあります。
当日は、一番大事な数枚だけを撮れれば十分、くらいの気持ちで臨むと、親子ともに気持ちが楽になります。
家族のお出かけで、写真を嫌がる子が「早く遊びたい」と逃げてしまうとき

お出かけ先の公園や旅行先では、子どもの興味は目の前の遊びに向いています。そんなとき、「ちょっと止まって」と言われると、「えー、今はいや!」となるのは自然なことです。
特に、動くことが大好きな子や、気になるものにすぐ引きつけられる子は、じっとして撮られることが、とても苦手です。
親としては「一枚だけ」と思っていても、子どもにとっては、終わりがわからないことも不安につながります。何枚撮るのか、いつ終わるのかが見えないと、「早く終わって」という気持ちが強くなります。

「もう一枚だけ」って言ったのに、結局何枚も撮っちゃって、怒らせちゃうの…。

気持ちはわかるわん。「あと2枚で終わりだよ」と先に伝えると、見通しが持てて安心できる子もいるわん。
たとえば、「遊びの合間に、一緒にお水を飲みに行こう」と休憩のタイミングで撮る、「ここまで歩いたら撮るよ」と区切りのよいところで撮る、といった方法があります。遊びが一段落したときのほうが、子どもも受け入れやすくなります。
それでも嫌がるときは、撮らないという選択をしても大丈夫です。写真は、後からいくらでも撮れる機会があります。
周りの大人の声かけも、実は大きな影響があります。祖父母や親戚が「こっち向いて」「笑って」と次々に声をかけると、子どもは混乱してしまいます。撮影の前に、「声をかける人は一人にしようね」と家族で決めておくと、子どもの負担が軽くなります。
写真を嫌がる子と一緒にできる、家庭での工夫
ここからは、写真を嫌がる子と、家庭でできる工夫をご紹介します。すべてを試す必要はありません。「これならできそう」と思えるものだけ、取り入れてみてください。

人が多い場所が苦手な子の気持ちについては、こちらの記事も参考になります。行事や観光地での撮影が難しいときのヒントになるかもしれません。
家での練習も役に立ちます。ぬいぐるみやおもちゃを並べて、親がカメラを向けるまねをしたり、親子でふざけた顔を撮り合ったりすると、緊張せずに写真に慣れていくことができます。
写真を嫌がる子の気持ちを受けとめて、「撮る前の約束」を決める

まず大切なのは、嫌がる気持ちをそのまま受けとめることです。「嫌だったんだね」「びっくりしちゃったね」と、気持ちに名前をつけてあげるだけで、安心する子もいます。
そのうえで、撮る前に、簡単な約束を決めておく方法があります。たとえば、「あと3枚で終わりね」「撮ったら、すぐ遊びに戻っていいよ」と、終わりの見通しを先に伝えます。
絵や指で枚数を示したり、「3、2、1」と数えたりすると、目で見てわかるので、安心する子もいます。
撮る前の約束のヒント
・「何枚で終わるか」を先に伝える
・「撮ったら遊びに戻っていい」と伝える
・「笑って」より「ピースしてみよう」など、具体的な動きで声をかける
・嫌がったら、その日はやめる選択肢も残しておく
「笑って」と言われると難しい子でも、「ピースしてみよう」「お花をもってみよう」のように、具体的な動作なら取り組みやすいことがあります。表情よりも動作に注目すると、緊張が和らぐこともあります。
また、撮る前に「撮ってもいい?」と声をかけ、お子さんの返事を聞くことも、ひとつの工夫です。自分の気持ちを聞いてもらえたという経験は、「写真は無理やり撮られるものではない」という安心につながります。
「いいよ」と言ってくれたときには、「ありがとう」と伝えましょう。その積み重ねが、写真への信頼を育てていきます。

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いい考えわん!役割があると、写真が「楽しいこと」に変わっていくこともあるわん。
写真を嫌がる子には、「撮る」より「自然な姿を残す」という考え方

記念写真は、並んで、カメラを見て、笑う。そんなイメージがありますが、それだけが「いい写真」ではありません。
遊んでいる横顔、後ろ姿、手元のアップ。カメラを意識させずに撮った一枚には、その子らしさがあふれています。無理に正面から撮ろうとしなくても、思い出はしっかり残せます。
少し離れた場所から、ズームで撮ってみる方法もあります。カメラが近くにあると緊張する子でも、離れていれば、気づかずに自然な表情を見せてくれることがあります。
また、ときには、親が写真に写る側になるのも一つの方法です。親子で一緒にポーズをとったり、親がカメラを向けられる様子を見せたりすると、「写真ってこういうものなんだ」と、少しずつ理解が進む子もいます。
スマートフォンの連写機能やビデオを使って、遊んでいる様子を長めに撮っておくのもおすすめです。あとから、その中のよい瞬間を選べば、子どもに負担をかけずに、いい表情の一枚を残せます。
親が楽しそうにカメラを向ける姿も、お子さんにとって大きな安心材料です。「撮る人が楽しそう」だと、子どもも不思議と、肩の力が抜けていきます。
まとめ:写真を嫌がる子と、ゆっくり進んでいく
写真を嫌がる子の気持ちを、まるごと受けとめるという考え方

ここまで、写真を嫌がる子の気持ちや、家庭での工夫を見てきました。嫌がる理由は、緊張、光や音、撮られる意味がわからないなど、子どもによってさまざまです。
どの理由が当てはまるかは、お子さんの様子を見ながら、ゆっくり探っていけば大丈夫です。わからなくても、「何か嫌なことがあるのかな」と考える姿勢が、お子さんにとって大きな安心になります。
写真の出来より、その日のお子さんの機嫌と、親子の穏やかな時間のほうが、ずっと大切です。撮影がうまくいかなかったからといって、その日の思い出が台なしになるわけではありません。
撮れなかった日があっても、親の愛情が足りないわけではありません。そんな日は、写真を撮らない日と割り切って、一緒に遊ぶ時間を大切にしてください。
写真を撮れないことに、罪悪感を持たなくて大丈夫です。写真が残らなくても、一緒に過ごした時間は、お子さんの心にしっかり残っています。
もし、写真の場面に限らず、日常のいろいろな場面で強い苦手さが続くときは、園や学校の先生、身近な相談先に、様子を話してみるのも一つの選択肢です。一人で背負わず、周りの力も借りながら進んでいってください。
写真が苦手な時期があっても、それはお子さんの成長の途中の姿のひとつです。「いま、この子はこう感じているんだ」と受けとめられると、親の気持ちも少し軽くなります。
一人で抱え込まず、写真を嫌がる子と一緒に進んでいく

「周りの子はみんな笑顔で写っているのに」と、つい比べてしまう気持ちになる日もあるかもしれません。でも、お子さんにはお子さんのペースがあります。
お子さんが落ち着いているときに、昔の写真を一緒に見る時間をつくってみてください。「これはいつの?」「何してたの?」と話すうちに、写真に写る自分を、少しずつ受け入れられるようになる子もいます。
今は嫌がっていても、成長とともに、写真が楽しくなる時期が来ることもあります。そのときのために、今は「写真は怖くないよ」「楽しいこともあるよ」という経験を、少しずつ積み重ねていきましょう。
毎日の暮らしの中で、お子さんが安心して笑える時間が増えていけば、写真に写る表情も、自然とやわらいでいくはずです。
ゆっくり、その子のペースで。いつか、写真を見返しながら親子で笑い合える日が来ることを、願っています。
アイキャッチ画像:Photo by Diego G. on Pexels



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