七五三を嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい場面
こんにちは!おやまどの鈴木です。
秋が深まると、七五三の準備を始めるご家庭も増えてきます。ところが、「着物を着るのを嫌がって泣いてしまう」「七五三の写真撮影を嫌がって、スタジオに入れない」と、思い描いていた様子と違って戸惑う保護者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、七五三を嫌がる子どもの気持ちや背景、ご家庭でできる準備の工夫を、やさしい言葉で整理していきます。「せっかくの行事なのに」とあせってしまうときの、気持ちの整理のきっかけになればうれしいです。
七五三の時期は、お子さんが年少から年長、あるいは小学校低学年にあたることが多く、成長のなかで「自分の意思」がはっきり出てくる頃でもあります。「いやだ」と言えるのは、自分の気持ちを持てるようになってきた証でもあります。
まずは、「どの場面がいちばんいやなのか」を、ゆっくり探ってみてください。着物なのか、写真なのか、お参りなのか。いやな場面が分かれば、そこだけ工夫すればいい、という見通しが立ち、保護者の方の気持ちも少し軽くなります。
いつもと違う服や髪型への違和感

七五三を嫌がる理由として、とくに多いのが「着物や衣装が、いつもの服と違いすぎる」という違和感です。着物は帯でおなかを締めつけますし、足元は草履で、ふだんの靴とは歩き心地がまったく違います。大人でも窮屈に感じる装いですから、子どもが落ち着かないのも自然なことです。
髪型や髪飾りも、同じです。普段は結ばない髪をまとめられたり、頭に飾りをつけられたりすると、「引っぱられる感じ」や「頭が重い感じ」が気になってしまう子もいます。感覚が敏感な子は、衣装の素材のチクチクやゴワゴワを、強く感じることもあるようです。
よくある例として、衣装を着せた途端に「脱ぎたい」と泣き出し、そのまま落ち着けなくなる場面があります。本人は「わがまま」で泣いているのではなく、体が感じている不快さをどう伝えたらいいか分からず、泣いて表していることも考えられます。

ほのママ:七五三を嫌がるなんて、「晴れ姿なのにどうして?」って思っちゃったわ…。えへへ。

その気持ちも分かるわん。でも、子どもには「きれいな服」より先に「着心地」が気になることがあるわん。まずは何が気になるのかを聞いてみるわん。
「かわいいから我慢して」という言葉は、大人の気持ちとしては自然ですが、子どもには「自分の感じている不快さを分かってもらえない」と受け取られてしまうことがあります。着心地を気にしている子には、「苦しいところはある?」「どこが気になる?」と、感覚に寄りそう聞き方が助けになります。
合わないと感じる部分は、調整できることもあります。帯の位置を少しゆるめる、締めつけの強い小物は外す、肌に当たるタグや糸を取りのぞくなど、小さな工夫で落ち着く子もいます。
写真撮影や大勢の大人に囲まれる緊張

七五三では、スタジオ撮影や神社でのご祈祷など、知らない大人と関わる場面が続きます。カメラマンに「笑って」「こっち向いて」と次々に声をかけられ、強いライトを向けられると、緊張で固まってしまう子もいます。
「笑顔で撮らなきゃ」という大人の期待が伝わって、プレッシャーになる場合もあります。じっとしているのが苦手な子にとっては、「動かないで」と言われ続けること自体がつらいこともあるでしょう。
また、予約の時間に合わせて、朝から着付け・ヘアセット・撮影・移動とスケジュールが詰まっていると、疲れや空腹から気持ちが崩れやすくなります。本番の途中で急に機嫌が悪くなるのは、体力や気持ちの限界のサインかもしれません。
撮影のときは、「笑って」と指示するより、好きなキャラクターの話題や、お気に入りのおもちゃを使って、自然な表情を引き出してもらう方法があります。スタジオによっては、親子で入れる、休憩を多めにとれる、撮影時間を短縮できるなど、配慮してくれるところもあります。
予約をするときに、お子さんの苦手なことや、慣れるまでに時間がかかることをあらかじめ伝えておくと、当日の雰囲気づくりを工夫してもらえることがあります。「最初は見学だけ」といった形で、少しずつ場に慣れる時間をとるのも一つの方法です。
七五三を嫌がる理由をひもとく
七五三を嫌がる様子の背景には、衣装や撮影だけでなく、見通しのもちにくさや、気持ちの切りかえにくさが関わっていることもあります。理由をひもとくことで、事前にできる工夫が見えてきます。
当日の流れが分からない不安

七五三の当日は、「何をするのか」「どこへ行くのか」「いつ終わるのか」が、子どもにはなかなか見えません。「今日は七五三だよ」と言われても、七五三がどんな行事か分からなければ、不安だけがふくらんでしまいます。
先の見通しがもちにくい子にとっては、予定が分からないこと自体が緊張のもとになります。「着物を着て、神社に行って、お参りをして、写真を撮って、千歳飴をもらう」といった流れを、事前に知っておくだけで、安心できる子もいます。
たとえば、絵や写真を使って1日の流れをカードにしておく方法があります。順番にめくりながら「次はここだよ」と伝えると、先の予定が見え、気持ちの準備がしやすくなります。終わりの時間も、あわせて伝えておくと安心です。
当日の見通しを助けるチェックポイント
・事前に、神社やスタジオの写真を見せておく
・1日の流れを、絵や写真のカードで順番に見せる
・「終わったら○○しようね」とご褒美の予定を伝える
見通しを伝えるときは、「できたら終わり」ではなく「ここまでで終わり」とゴールをはっきり示すと、気持ちが落ち着きやすくなります。たとえば、「鳥居をくぐって、お参りして、飴をもらったら帰るよ」のように、具体的に順番を伝えます。
絵本や動画で七五三の様子を一緒に見るのもおすすめです。同じ年ごろの子が着物を着て、お参りをしている場面を見ておくと、「自分もああするんだ」とイメージがわき、当日の戸惑いが少なくなることがあります。
じっとしていることや、慣れない所作が苦手

七五三のお参りでは、ご祈祷の間、静かに座って待つ時間があります。体を動かしていたい子や、同じ姿勢を長く保つのが苦手な子にとっては、数分でもとても長く感じられることがあります。
お辞儀や手を合わせるといった所作を、「こうしてね」と急に求められるのも、戸惑いのもとです。やり方が分からないまま周りに注目されると、不安から固まったり、その場を離れたくなったりすることがあります。
また、草履で歩きにくい、着物でしゃがめない、という身体的な制約が、いつもの動きを妨げてストレスになる場合もあります。「じっとしていなさい」より、動きやすい工夫をしてあげるほうが、結果的に落ち着きやすくなります。

ほのママ:当日ばたばたして、子どもの気持ちにまで目が向いていなかったかも…。

気づけたのは大きな一歩わん。「何をするか」が見えるだけで、安心できる子はたくさんいるわん。次に活かせばいいわん。
衣替えやふだんの服へのこだわりが強い子については、こちらの記事も参考になります。

待ち時間が長くなりそうなときは、静かに遊べる絵本、シール帳、小さなぬいぐるみなど、手を動かせるものを用意しておくと助かります。ご祈祷の時間は、事前に「このくらいの時間だよ」と伝えておくと、気持ちの準備がしやすくなります。
お辞儀や手を合わせる所作は、家で何度か練習しておくと安心です。ごっこ遊びのように、親子で「神様にごあいさつ」の練習をしてみましょう。上手にできなくても、「やってみたこと」を認める姿勢が大切です。
七五三を嫌がる子への家庭での関わり方
七五三を嫌がる気持ちを無理に押さえつけず、できるところから少しずつ慣らしていくことが大切です。ここでは、ご家庭で取り入れやすい工夫を紹介します。
衣装や髪型に事前に慣れておく工夫

衣装への違和感は、当日の前に少しずつ慣れておくことで、やわらげられることがあります。たとえば、数日前から足袋や草履を試す、帯を軽く巻いてみる、髪飾りをつけてみる、といった「お試し」の時間をつくる方法があります。
最初から全部を身につけず、「今日は髪飾りだけ」「今日は草履で家の中を歩く」のように、一つずつ段階を踏むと負担が小さくなります。嫌がるときは、すぐにやめてOKにして、「できたところまで」を認めるのがポイントです。
衣装を選ぶときも、本人の意見を取り入れてみましょう。「どの色がいい?」「どっちの帯がすき?」と選んでもらうことで、「自分の服」という感覚が生まれ、着ることへの抵抗感が和らぐことがあります。レンタルなら、事前に試着できるお店を選ぶ方法もあります。
慣らしていくときは、「着たらごほうび」と引き換えにするよりも、「着ている時間が楽しい」と感じられる工夫のほうが、気持ちが長続きします。着ながら好きな絵本を読む、写真を撮って見せ合う、「お姫さまごっこ」「若様ごっこ」にしてみるなど、遊びに変えてみてください。
それでも、どうしても受けつけない子もいます。その場合は、無理に着物にこだわらず、普段着に近い服装や、洋装のドレスやスーツで行うのも立派な選択肢です。大切なのは、お子さんが成長を祝われる経験を、安心して味わえることです。
スケジュールと当日の過ごし方を子どものペースに合わせる

七五三は、11月15日が由来とされていますが、その日にこだわらなくても大丈夫です。前後の時期や、混雑の少ない平日、気候のよい日を選ぶご家庭も多くあります。子どもの体調や気分が整いやすい日を選ぶことが、いちばん大切です。
お参りと写真撮影を別の日にする、前撮りを先に済ませておく、といった分け方もあります。1日にたくさんの予定を詰め込むより、「今日は神社だけ」「今日は写真だけ」と分けるほうが、子どもの気持ちに余裕が生まれます。
当日は、お気に入りのおもちゃやおやつ、飲み物を持っていくと、待ち時間の気持ちの切りかえに役立ちます。着物のまま過ごす時間が長くなりすぎないよう、休憩できる場所をあらかじめ決めておくのも一案です。
途中で気持ちが崩れそうなときは、いったん着物を脱いで休む、写真は一部だけにする、といった柔軟な判断をしてみてください。「全部できなくても、行事として十分」と考えると、気持ちが軽くなります。

ほのママ:写真は一部だけでもいいのね!前撮りだけにして、本番はお参りだけにするのもアリかも!

それは名案わん!家族みんなが笑顔でいられることのほうが、完璧な写真より大切わん。無理のない形を一緒に考えるわん。
行事の練習や当日を嫌がる気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。

当日の朝は、時間にゆとりをもち、おなかを満たしてから出発すると、気持ちが安定しやすくなります。着付けや撮影の予約時間に追われると、保護者の方もあせってしまい、その空気がお子さんに伝わることもあります。「今日は気楽にいこう」と、家族で声をかけあっておくのもよいでしょう。
兄弟姉妹がいる場合は、きょうだいの気持ちにも目を向けてみてください。主役の子だけが注目されると、ほかの子の気持ちが不安定になることもあります。みんなで楽しめるプランを考えておくと、家族全体が穏やかに過ごせます。
まとめ:七五三を嫌がる子と、あせらず向き合う
七五三を嫌がるのは、めずらしいことではありません

七五三を嫌がる背景には、衣装の着心地、慣れない場所や人への緊張、当日の流れが分からない不安、じっとしているつらさなど、さまざまな理由があると言われています。どれも、子どもなりの精いっぱいのサインかもしれません。
せっかくの行事だからこそ、うまく進めたい気持ちが強くなるものです。でも、七五三は「こうでなければいけない」という決まりのあるものではありません。家族それぞれのペースで、できる形を選んで大丈夫です。
お子さんが七五三を嫌がっているときは、まず「いやなんだね」と気持ちを受け止めてあげてください。何が気になっているのかを一緒に探すと、小さな工夫で気持ちが軽くなることがあります。
お参りや撮影の場所の方々にも、事前にお子さんの様子を伝えておくと、休憩を多めにとってもらうなど、柔軟に対応してもらえることがあります。一人で抱え込まず、周りの力を借りてみてください。
親戚や祖父母から、「せっかくなんだから」と声をかけられて、気持ちが追い込まれることもあるかもしれません。そんなときは、お子さんの様子を一度ていねいに伝えて、「今年はこの形でいきたい」と共有しておくと、お互いの安心につながります。
七五三は、子どもの成長を祝い、これからの健康を願う行事です。その気持ちさえ家族の中にあれば、形は自由に選んでかまいません。
今日からできる小さな一歩

今日からできる一歩として、七五三の写真やお参りのようすを、お子さんと一緒に絵本のように眺めてみるのはいかがでしょうか。「こんな服を着るんだよ」「ここでお参りをするんだよ」と話すだけで、行事のイメージがふくらみます。
お子さんの「いやだ」という気持ちが出てきたら、理由を聞いて、「そうなんだ」と受け止めてみてください。気持ちを分かってもらえた経験は、次の行事への安心にもつながります。
七五三が終わったあとには、「がんばったね」「一緒に過ごせてうれしかったよ」と伝える時間も大切にしてください。結果よりも、家族で過ごした時間そのものが、お子さんの思い出になっていきます。
ひと息つくためのチェックポイント
・七五三を嫌がる気持ちを、まず受け止める
・衣装や髪型は、事前に少しずつ慣らす
・当日の流れを、絵や写真で見せておく
・途中でやめてもOK、と家族で決めておく

ほのママ:七五三を嫌がる気持ちにも、ちゃんと理由があるのね。わたしもあせらず、子どものペースを大切にするわ。

その調子わん!大丈夫、一緒に考えるわん。家族みんなが笑顔になれる七五三が、いちばんの思い出になるわん。
もし、お参りや撮影の時期で迷っているなら、まずは「やる・やらない」を決めるより、「いつ、どんな形なら安心してできそうか」を家族で話し合ってみてください。時期を数か月ずらしたり、写真だけにしたりと、選べる道はたくさんあります。
準備をしながら、お子さんが少しでも興味を示した部分を見つけたら、「その部分を大切にしてあげる」ことが、前向きな気持ちを育てます。小さな「やってみたい」を見逃さず、広げていきましょう。
アイキャッチ画像:Photo by Sarmat Batagov on Pexels



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