発表会の練習を嫌がる子。理由と乗り越え方を解説

発表会の練習を嫌がる子。理由と乗り越え方を解説 保育園・幼稚園
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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発表会の練習を嫌がるのはなぜ?よくある理由から知ろう

こんにちは!おやまどの鈴木です。

「発表会の練習を嫌がる」。この言葉で検索してこのページにたどり着いた方は、きっと今日も子どもとのやりとりに疲れているのではないでしょうか。

園や学校から「そろそろ発表会の練習が始まります」と聞いたとたん、子どもの表情がくもる。行きしぶりが増える。家では「やりたくない」の一点張り。そんな姿を見ていると、親としてはどう声をかけたらいいのか、わからなくなりますよね。

発表会の練習を嫌がる背景には、その子なりの理由があります。「怠けている」「やる気がない」と決めつける前に、まずはよくある理由から一緒に見ていきましょう。理由がわかれば、その子に合った関わり方も見えてきます。

発表会の練習を嫌がるのは、わがままなのでしょうか。それとも、何か理由があるのでしょうか。

大きな声や人前が苦手なのかもしれません

発表会の練習で並んで歩く子どもたちを後ろから見た様子
Photo by MART PRODUCTION on Pexels

発表会は、大勢の前で歌ったり、せりふを言ったり、楽器を鳴らしたりする場面が多くあります。人前に出ること自体が苦手な子にとっては、これがかなりの負担になることがあります。

大きな声を出すこと、注目を浴びること、失敗したらどうしようという緊張感。ふだんの練習の場でも、これらが積み重なると「練習=つらいもの」というイメージがついてしまうこともあります。

たとえば、家では大きな声で歌えるのに、園や学校ではまったく声が出せなくなる、というケースもあります。人前と家との差が大きいほど、練習そのものへの抵抗感も強くなりやすいです。

また、まわりの視線を感じ取りやすい子ほど、「見られている」という感覚そのものが緊張の原因になります。先生に名前を呼ばれる、みんなの前で一人だけ動きを確認される、といった場面も、練習への苦手意識を強めるきっかけになりやすいです。

こうした人前での緊張は、性格の問題というより、刺激の感じ方の個人差によるところが大きいと言われています。無理に慣れさせようとするよりも、少しずつ人数を増やしていくなど、負担の小さい形から始めるほうが合っていることもあります。家族の前で発表してみる、祖父母にビデオ通話で見てもらう、といった小さな「人前」の経験を積み重ねることも、ひとつの方法です。

同じ動きのくり返しに飽きてしまうことも

発表会の練習に疲れて床に座り込む子どもを後ろから見た様子
Photo by cottonbro studio on Pexels

発表会の練習は、同じ振り付けやせりふを何度もくり返すことがほとんどです。上手にできるようになるための大切な過程ですが、くり返しそのものが苦手な子にとっては、途中で気持ちが切れてしまう原因になります。

「もう何回もやったのに、まだやるの?」という気持ちが、練習を嫌がる態度として出てくることもあります。集中できる時間には個人差があるので、大人の感覚で「まだ5分しかたっていない」と思っても、子どもにとってはもう限界、ということもあるのです。

くり返しに飽きやすい子は、目的や理由がわかると気持ちが続きやすいと言われています。「なぜこの動きを練習するのか」「何回やったら次に進めるのか」を先に伝えておくと、同じ見通しでも受け止め方が変わることがあります。

ほのママ
ほのママ

うちの子、家では上手にできるのに、練習の時間になると急にやる気をなくすんです…。わがままなのかなって、つい叱っちゃうこともあって。

ここわん
ここわん

それは違うわん!わがままとは限らないわん。人前が苦手だったり、くり返しに飽きてしまったり、理由はいろいろあるわん。まずは「なんで嫌なのかな」を一緒に考えるところから始めるといいわん。

発表会の練習を嫌がる子の気持ちを理解する

発表会の練習を嫌がる子の頭の中では、大人が思う以上にいろいろな気持ちが動いています。ここでは、その気持ちをもう少し深く見ていきます。

「できない」と思われるのが怖いのかもしれません

両手で顔をおおって恥ずかしがる子ども
Photo by Ivan S on Pexels

まわりの子と自分を比べて、「自分だけ上手にできない」と感じている子もいます。プライドが高い子や、完璧にやりたい気持ちが強い子ほど、失敗する姿を見られたくないという思いから、練習そのものを避けようとすることがあります。

「やらない」を選んでいるように見えて、実は「やって失敗するのが怖いから、やらないほうがまし」という気持ちが隠れていることも少なくありません。

よくある例として、練習中に少しでも間違えると、その場で固まってしまったり、涙が出てしまったりする姿があります。これは反抗しているのではなく、「うまくできない自分」への戸惑いや悔しさが表に出ている状態だと考えられます。

こうした場面では、できなかった部分を指摘するより先に、「挑戦したこと」に目を向けてあげることが大切です。「間違えても大丈夫」という空気を家庭の中でつくっておくと、少しずつ失敗への抵抗感がやわらいでいくこともあります。完璧を求めすぎる気持ちが強い子には、「100点じゃなくても、参加できたら合格」というように、合格ラインそのものを親子で決めておく方法もあります。

見通しが立たないと、不安になりやすいです

カレンダーに予定を書き込む手元
Photo by RDNE Stock project on Pexels

「発表会っていつ?」「本番って何をするの?」「終わったらどうなるの?」。こうした見通しが持てないままだと、練習そのものが「よくわからない、なんとなく嫌なもの」になってしまうことがあります。

見通しを立てるのが苦手な子にとっては、「あと何回練習したら本番なのか」「本番の会場はどんな場所なのか」がわからないこと自体が、大きな不安の原因になります。

いつもと違う場所、いつもと違う服装、いつもと違う時間割。発表会の日は、ふだんの生活とは違うことが一度にたくさん重なります。変化そのものが苦手な子にとっては、この「いつもと違う」の多さが、練習を嫌がる気持ちに直結していることもあります。

「見通しを立てる」とは、これから何が起こるかを前もって知っておくことです。カレンダーや予定表で「あと何日」がわかるようにするだけでも、不安が和らぐことがあります。

ほのママ
ほのママ

見通しって、そんなに大事なんですね…。わたし、てっきり「気合いの問題」だと思ってました。

ここわん
ここわん

気合いだけじゃ乗り越えられない子もいるわん。「いつまで頑張ればいいか」が見えているだけで、気持ちがぐっと楽になる子は多いわん。大丈夫、一緒に考えるわん!

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発表会の練習を嫌がるときに、家庭でできる工夫

ここからは、発表会の練習を嫌がる子に対して、家庭でできる具体的な工夫を紹介します。すべてを一度にやろうとせず、できそうなものから試してみてください。

練習を小さく分けて取り組んでみる

チェックリストに印をつける手元
Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels

「発表会の練習」とひとまとめにせず、小さな単位に分けて取り組むと、ハードルがぐっと下がります。たとえば、せりふ全部を一気に覚えようとせず、「今日は最初の1行だけ」というように区切る方法があります。

踊りの練習であれば、最初の8カウントだけ、次の日は次の8カウントだけ、というふうに少しずつ進めていくのもひとつの方法です。「できた」という感覚を細かく積み重ねることが、練習への抵抗感を減らすことにつながります。

分ける単位は、子どもによって合う大きさが違います。「1行ずつ」がちょうどいい子もいれば、「1フレーズだけ」のほうが取り組みやすい子もいます。うまくいかないときは、単位をさらに小さくしてみると、急にすんなり進むこともあります。

タイマーを使って「あと3分だけやってみよう」と時間を区切る方法も、見通しが持ちやすくなるのでおすすめです。できた単位にシールを貼ったり、表に丸をつけたりして、目に見える形で記録していくのもよい方法です。積み重なっていく様子が見えると、「もうここまで進んだんだ」という達成感につながりやすくなります。

練習を分けるときのチェックポイント

・1回の練習時間を短めに区切る
・「今日はここまで」というゴールを先に伝える
・できた部分は毎回声に出してほめる

おうちで役ごっこをして遊んでみる

おもちゃの線路で遊ぶ子どもを後ろから見た様子
Photo by Irina Kraskova on Pexels

「練習」という言葉を使わずに、遊びの延長として発表会の内容を再現してみるのもおすすめです。ぬいぐるみやミニカーを使って、せりふや動きを実況してみると、子どもが自然と真似をし始めることがあります。

よくある例として、「今日はママが観客役ね」「じゃあ、ここわんは次のせりふを言う役ね」というふうに役割を決めて、家全体をちょっとした舞台に見立てて遊ぶ方法もあります。「練習させられている」感覚が減り、遊びの中で自然と動きやせりふを覚えていける子もいます。

お風呂の中や布団の上など、練習とは関係のない場所で、ふと口ずさむせりふや歌を拾ってあげるのも効果的です。「今のせりふ、上手だったね」と何気なく伝えるだけでも、本人が気づかないうちに練習を重ねていることになります。

親が下手な演技を見せて子どもに笑ってもらう、というのも意外とよい方法です。「間違えても、ここわんみたいに笑い話にできる」という空気があると、完璧を求めすぎる気持ちが少しやわらぎます。きょうだいや友達を巻き込んで、ミニ発表会ごっこをするのも盛り上がります。

「参加できた」ことをたくさん認める

手をつないで歩く親子を後ろから見た様子
Photo by Life Of Pix on Pexels

発表会の練習では、つい「上手にできたかどうか」に目が向きがちです。しかし、まずは「その場にいられたこと」「参加できたこと」自体を認めることが、子どもの自信につながります。

「今日は最後まで椅子に座っていられたね」「1回だけでも声が出せたね」。結果ではなく、取り組んだ過程を言葉にして伝えることで、子どもは「頑張りを見てもらえている」と感じやすくなります。

できないところばかりに目が向いてしまうときは、練習が終わったあとに「今日できたこと」を1つだけ親子で言い合ってみるのもおすすめです。小さなことでも、口に出すことで気づきやすくなります。

認める声かけを続けていくと、「練習=怒られるかもしれない時間」から「練習=見てもらえる時間」へと、子どもの中のイメージが少しずつ変わっていくこともあります。すぐに結果が出なくても、焦らず積み重ねていきましょう。

「上手だったね」よりも、「最後までやってみたね」「昨日より声が大きくなったね」のように、具体的な行動を認める声かけがおすすめです。

気持ちの切り替えがなかなかできない子については、こちらの記事でも詳しく取り上げています。あわせて読んでみてください。

気持ちの切り替えができない子のトレーニング7選!今日から試せる方法
気持ちの切り替えができない子のトレーニング7選を解説。なぜ切り替えが苦手なのか特性別の理由とNG対応、今日から試せる声かけ・視覚化・予告の方法まで徹底紹介。

発表会の練習を嫌がる時期を、無理なく乗り越えるために

最後に、発表会の練習を嫌がる時期を、園や学校の先生とも協力しながら乗り越えていくためのポイントを紹介します。

先生と家庭で、様子を伝え合う

連絡帳のようなノートに書き込む手元
Photo by Kindel Media on Pexels

家での様子と、園や学校での様子は、意外と違うことがあります。「家ではあんなに嫌がっているのに、園ではがんばっているらしい」という場合もあれば、その逆もあります。

連絡帳や送り迎えのタイミングで、「練習をどんなふうに嫌がっているか」「どんな声かけだと気持ちが切り替わりやすいか」を先生と共有しておくと、園と家庭で対応の方向性をそろえやすくなります。一人で抱え込まなくて大丈夫です。先生も一緒に考えてくれる味方です。

「園ではどんな様子で練習に参加しているか」を聞いておくと、家庭での声かけのヒントが見つかることもあります。逆に、家庭で見つけた「これをすると気持ちが切り替わりやすい」という工夫を伝えておくと、園でも同じ方法を試してもらえるかもしれません。

伝えるときは、「困っていること」だけでなく、「こういうときはうまくいった」というプラスの情報もあわせて伝えると、先生側も対応のヒントを得やすくなります。担任の先生だけでなく、加配の先生や支援員がついている場合は、その先生とも様子を共有しておくと安心です。関わる大人みんなが同じ方向を向いていると、子ども自身も混乱しにくくなります。

「相談してもいいのかな」と迷う保護者の方もいますが、練習期間中の様子を伝えることは、決して特別なことではありません。ちょっとした立ち話や連絡帳の一言からで大丈夫です。

当日は「参加の形」にこだわりすぎない

客席から舞台の赤い幕を見つめる観客のシルエット
Photo by Monica Silvestre on Pexels

本番当日、練習どおりにできないことがあっても、それは決して珍しいことではありません。舞台に立てただけでも、袖から少し様子を見られただけでも、その子にとっては大きな一歩です。

「みんなと同じように、最初から最後まで参加すること」だけをゴールにしてしまうと、親も子も苦しくなってしまいます。参加の形は、その子に合わせて柔軟に考えてよいものです。

衣装だけ身につけて舞台のそばにいる、先生の横で手をつないで参加する、といった方法を取り入れている園や学校もあります。どんな参加の形が合うかは、事前に相談しておくと、当日になって慌てずにすみます。

本番に無理に立たせようとすると、発表会そのものへの苦手意識が強くなってしまうこともあります。当日の様子は、事前に先生とも相談しておくと安心です。

ほのママ
ほのママ

「最初から最後まで参加させなきゃ」って、わたし自身が一番こだわってたかもしれません…。

ここわん
ここわん

そう思う親御さんは多いわん。でも、舞台の袖から見ているだけでも立派な参加のかたちわん。その子なりのペースで大丈夫わん!

行事そのものを嫌がる場面については、こちらの記事も参考にしてみてください。

遠足に行きたくない子。理由と当日の乗り越え方を解説
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運動会の練習を嫌がる子への対応方法は、こちらの記事にまとめています。

運動会の練習を嫌がる子。理由と家でできる関わり方を解説
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集団での活動が苦手な理由については、こちらの記事も参考になります。

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まとめ:発表会の練習を嫌がる子と、焦らずつきあう

ここまで、発表会の練習を嫌がる理由と、家庭でできる関わり方についてご紹介してきました。最後に、大切なポイントを振り返っておきましょう。

発表会の練習を嫌がる気持ちは自然なこと

遊歩道を歩く子どもを後ろから見た様子
Photo by Ian Taylor on Pexels

発表会の練習を嫌がるのは、決してわがままから出ているとは限りません。人前が苦手、くり返しに飽きる、失敗を見られたくない、見通しが持てないなど、その子なりの理由が背景にあることが多いものです。まずは「嫌だ」という気持ちをそのまま受け止めることが、関わりの第一歩になります。

今日からできる小さな一歩

森の中の道を一歩ずつ歩く子どもを後ろから見た様子
Photo by Medine Dilek Kizmaz on Pexels

練習を小さく分ける、遊びに取り入れる、参加できたこと自体を認める。すべてを一度にやろうとせず、できるところから少しずつ試してみてください。できたところを見つけて認める、先生と情報を共有する、当日の参加の形にこだわりすぎない。これらを積み重ねていけば、発表会の練習は「がんばらせるもの」から「一緒に乗り越えるもの」に変わっていくはずです。

今、練習を嫌がる子と向き合っているあなたは、すでに十分がんばっています。焦らず、その子のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。発表会が終わったあとには、練習を通して子どもが少しずつ成長した姿がきっと見えてくるはずです。

発表会の練習を嫌がるのには、その子なりの理由があります。気持ちを受け止め、見通しと安心材料を用意しながら、その子のペースで向き合っていきましょう。

アイキャッチ画像:Photo by Ann H on Pexels

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