就学時健診の不安を抱える親子の気持ちと、つまずきやすい場面
こんにちは!おやまどの鈴木です。
秋から冬にかけて、来年度に小学校へ入学するお子さんのご家庭に、就学時健診のお知らせが届きます。「就学時健診で、うちの子がじっと座っていられるか心配」「就学時健診で何をするのか分からず、不安でいっぱい」。そんな気持ちを抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、就学時健診への不安の中身を整理しながら、親子でできる準備や、当日の気持ちの持ち方を、やさしい言葉でまとめていきます。「うちの子だけ?」と感じているときの、ひと息つくきっかけになればうれしいです。
就学時健診の時期は、運動会などの行事が一段落し、「そろそろ入学の準備を」と意識し始める頃でもあります。周りの保護者の方との会話で、「もう字が書けるのよ」「ランドセルは決めた?」といった話題が出ると、焦りや比較の気持ちが生まれやすくなります。
不安の中身は、保護者の方とお子さんで違うこともあります。保護者の方は「入学後の学校生活」を心配し、お子さんは「知らない場所や人」が気になっている、といった具合です。それぞれの不安を分けて考えてみると、必要な準備が見えてきます。
何をするのか分からない、という漠然とした不安

就学時健診への不安でいちばん多いのは、「当日、どんなことをするのか分からない」という漠然とした気持ちです。初めて経験する行事ですから、不安になるのは自然なことです。
一般には、内科・歯科・眼科・耳鼻科などの健康診断や、視力・聴力の検査、簡単な面談や質問などが行われることがあると言われています。ただし、実施の内容や順番は自治体や学校によって違うため、案内文書で確かめておくと安心です。
保護者の方の中には、「ここで何かを見られて、判断されてしまうのでは」と身がまえてしまう方もいます。その緊張が、お子さんにも伝わって、いつもより不安定になってしまうこともあります。保護者の方の安心が、お子さんの安心につながる面があるのです。
まずは、案内の内容をお子さんと一緒に確かめて、「小学校に行って、いろんな先生と会うんだって」と、わくわくする形で伝えてみてはいかがでしょうか。

ほのママ:就学時健診って、なんだか「テストされる日」みたいで、ドキドキしちゃうのよね…。えへへ。

その気持ちはよく分かるわん。でも、お子さんにとっては「小学校ってこんなところなんだ」と知る機会でもあるわん。まずは何をする日かを整理してみるわん。
案内の紙は、お子さんの目につく場所に貼っておくのも一案です。日にちが近づいていることが目で見て分かると、見通しをもちやすくなります。カレンダーに印をつけて、「あと何日で小学校に行くよ」と伝えるのもよいでしょう。
聞きなれない言葉は、保護者の方が先に調べて、子どもに伝わる言葉に言いかえておくと安心です。たとえば「検査」は「体の元気をみてもらう日」、「面談」は「先生とお話しする時間」というように、やさしい表現にしてみてください。
じっと座れない、順番を待てないのでは、という心配

「待ち時間にじっとしていられなくて、他の子に迷惑をかけたらどうしよう」。そんな心配も、就学時健診ではよく聞かれます。会場では、順番を待ったり、いくつかの場所を移動したりする場面があり、慣れない場所で緊張した子どもにとっては大きな負担になることがあります。
じっとしているのが苦手な子、初めての場所で固まってしまう子、人の多い場所で落ち着かなくなる子などは、その子なりの理由があって、うまく動けないことがあります。それは、保護者の方が責任を感じる必要のあることではありません。
よくある例として、会場に入った途端に親から離れられなくなる、名前を呼ばれても返事ができなくなる、といった場面があります。そんなときは、無理に離そうとせず、お子さんの気持ちが落ち着くまで、そばで見守ってあげてください。
待ち時間の工夫として、静かに持ち込める絵本や小さな折り紙など、手を使えるものを用意しておく方法があります。会場の決まりで持ち込めないこともあるため、案内を確認しておくと安心です。
また、待っているあいだは、「あと何人で順番だよ」と、具体的に数字で伝えると、見通しがもてて落ち着きやすくなる子もいます。立ったまま待つ、椅子に座る、といった姿勢も、お子さんが楽な形でかまわない場合があります。
就学時健診の不安をひもとく
就学時健診に感じる不安は、中身を分けて見てみると、少しずつ整理できます。ここでは、保護者の方がよく感じる不安を2つの切り口から見ていきます。
結果で入学が左右されるのでは、という心配

「就学時健診で何か指摘されたら、入学に影響するのでは」という不安も、とても多く聞かれます。就学時健診は、入学前の健康状態を確認し、必要に応じて入学までに準備や配慮を整えるために行われると言われています。
健診の場で、先生から「少し様子を見ましょう」「入学前にご相談ください」といった声かけがあることもありますが、それはお子さんがより過ごしやすい環境を整えるための、情報の共有であることが多いようです。決して、「入学を断られる」「評価される」といった性質のものではないと考えられています。
とはいえ、「何か言われたらどうしよう」と気になる気持ちは、とても自然です。気になるときは、事前に学校や教育委員会に、就学時健診の目的や流れを問い合わせてみるのも一つの方法です。
そのうえで、お子さんの得意なこと、安心できる関わり方、苦手に感じやすい場面などを、メモにしておくと、当日や入学後の相談にも役立ちます。
就学時健診の前に整理しておきたいこと
・案内文書で、日時・場所・持ち物を確認する
・お子さんの得意なことと、苦手を感じやすい場面をメモする
・気になることがあれば、事前に学校へ問い合わせる
気になる点が見つかったときも、慌てなくて大丈夫です。就学前には、学校や自治体との面談や相談の機会が別に設けられていることが多く、そこで時間をかけてお子さんの様子を共有できます。一度の健診だけで、すべてが決まるわけではありません。
不安をふくらませすぎないためにも、「分からないこと」を「聞けること」に変えておくことが大切です。気になる点を書き出して、案内に書かれた連絡先に問い合わせてみるのも、前向きな一歩です。
集団の中で、その子らしさが見えづらい不安

就学時健診は、短い時間で行われることが多いため、お子さんの普段の様子が十分に伝わらないことがあります。家ではおしゃべりなのに、初めての場所では一言も話せない子もいます。その逆に、緊張からテンションが高くなりすぎる子もいます。
そのため、「普段の姿を見てもらえないのでは」「誤解されてしまうのでは」という心配が生まれやすくなります。その場の様子だけで、お子さんのすべてが決まるわけではありません。
もし、お子さんの普段の様子や、安心できる声かけの方法を伝えたいときは、健診の場でも、後日でも、学校や園の先生に相談できます。たとえば、「初めての場所ではなかなか話せませんが、慣れると元気になります」のように、一言添えるだけでも、先生に伝わりやすくなります。

ほのママ:普段の姿を知ってもらうって、大事なのね。園の先生にも相談してみようかしら…。

いい考えわん。園での様子をよく知っている先生は、強い味方になるわん。無理せず、できる範囲で共有してみるわん。
就学に向けた不安については、こちらの記事でも詳しく取り上げています。

お子さんの「安心できる条件」を、短くまとめておくのもおすすめです。「大きな音が苦手」「急に触れられるのがいや」「最初は少し離れて見ていたい」など、日頃から気づいていることを書き留めておくと、必要なときに伝えやすくなります。
ただし、ここで書く内容は、「苦手なこと」だけに偏らないようにしましょう。「ブロックが得意」「歌が好き」「虫に詳しい」など、お子さんの好きなことや得意なことも一緒に伝えると、先生がお子さんを思い浮かべやすくなります。
就学時健診の不安をやわらげる、家庭での準備
就学時健診への不安は、当日までの準備や心の持ち方で、少しずつやわらげていくことができます。ご家庭で取り入れやすい工夫を見ていきましょう。
小学校の雰囲気を知り、当日のイメージをつくる

見通しがもてると、子どもの不安は大きく減ると言われています。就学時健診の前に、小学校の外観を見に行く、校庭の前を散歩してみる、といった体験をしておくと、当日の緊張がやわらぐことがあります。
絵本や写真で、小学校の1日を紹介するものを一緒に見るのもおすすめです。「ここで勉強するんだよ」「ここでお給食を食べるんだよ」と話すと、小学校が少しずつ身近になっていきます。
当日の流れも、お子さんの年齢に合わせて、簡単な言葉で伝えておきます。「先生がお話を聞いてくれるよ」「体の検査をするよ」「終わったらお家に帰るよ」のように、短く、順番に伝えるのがコツです。
「終わったら、帰りに公園に寄ろうね」「おやつを食べよう」など、楽しみな予定を一緒に伝えておくと、気持ちの切りかえにも役立ちます。
小学校の見学の機会があれば、積極的に参加してみるのも方法です。学校説明会や、地域の見学会などで、教室や校庭、給食室などを実際に見ると、イメージが具体的になります。
お子さんが慣れ親しんでいる幼稚園や保育園との違いを、「同じところ」「違うところ」として一緒に整理してみてください。「先生がいる」「お友達がいる」といった共通点を見つけると、安心感が生まれます。
家でできる簡単な練習と、当日の声かけ

当日の流れに慣れるために、家で「健診ごっこ」をしてみる方法があります。名前を呼ばれたら「はい」と返事をする、椅子に座って順番を待つ、といった簡単なやりとりを、遊びの延長で試してみてください。
うまくできなくても、やってみたこと自体を認めるのが大切です。「呼ばれたらお返事ができたね」「座って待てたね」と、小さな「できた」を言葉にして伝えます。
当日の朝は、いつもと同じ生活リズムを心がけ、早めに起きて朝ごはんを食べるなど、体調を整えておくと安心です。持ち物や服装も、前日のうちに準備しておき、朝はあわてずに出発できるようにしておきましょう。
当日の声かけは、「だいじょうぶ、そばにいるよ」「ゆっくりでいいよ」と、安心を伝える短い言葉が効果的です。緊張が強いときは、会場の隅や、落ち着ける場所で一息つくのも一つの方法です。

ほのママ:「健診ごっこ」なら楽しくできそうだわ!親のわたしも練習になるかも、えへへ。

それは名案わん!親子でリラックスして取り組めば、本番でも落ち着きやすいわん。無理のない範囲で試してみるわん。
個人面談などで、お子さんの発達について先生と話す場面が不安なときは、こちらの記事も参考になります。

当日、緊張で動けなくなったときのために、「困ったときの合図」を決めておくのも安心です。たとえば、親の手をぎゅっと握る、小さな声で「あのね」と言うなど、お子さんが出しやすい合図を一緒に決めておきます。
健診が終わったあとは、「よくがんばったね」「ここまで来られたね」と、行動そのものをたたえてください。結果がどうであれ、会場まで足を運べたことが、すでに大きな一歩です。
まとめ:就学時健診の不安と、あせらず向き合う
就学時健診への不安は、めずらしいことではありません

就学時健診に不安を感じる背景には、「何をするのか分からない」「じっとしていられるか心配」「結果で何か決まるのでは」など、さまざまな気持ちがあると言われています。どれも、お子さんを大切に思うからこそ生まれる不安です。
就学時健診は、お子さんが安心して小学校生活を始めるための、準備の機会の一つです。評価されたり、判断されたりする場ではなく、必要な情報を整えるための場だと捉えると、少し気持ちが楽になります。
不安なときは、一人で抱え込まず、園の先生や学校、同じ年齢のお子さんを持つ保護者の方と話してみてください。「みんな同じように不安なんだ」と分かるだけで、気持ちが軽くなることもあります。
たとえ当日、うまくいかないことがあっても、それでお子さんの価値が変わるわけではありません。入学までには、まだ時間があります。ゆっくり、一緒に準備を進めていけば大丈夫です。
入学までには、まだ長い道のりが続きます。就学時健診は、その中の通過点の一つにすぎません。この日がうまくいかなかったとしても、お子さんが成長していく時間は、たっぷりあります。
今日からできる小さな一歩

今日からできる一歩として、お子さんに「小学校って、どんなところだと思う?」と聞いてみてはいかがでしょうか。楽しみにしていること、心配していることを、ゆっくり聞いてあげます。
お子さんの気持ちを聞いたら、「そうなんだ」「そう思うんだね」と、まず受け止めることを心がけてください。アドバイスや解決策は、そのあとでかまいません。気持ちを分かってもらえる経験が、安心の土台になります。
保護者の方ご自身の不安も、大切にしてください。気になることを紙に書き出す、パートナーや家族と話すなど、ご自身の気持ちを整理する時間をもつと、当日の心の余裕が変わってきます。
ひと息つくためのチェックポイント
・就学時健診の不安は、自然な気持ちだと受け止める
・案内を読み、当日の流れをお子さんと共有する
・「できた」を言葉にして、小さな自信を積み重ねる
・気になることは、学校や園の先生に相談する

ほのママ:就学時健診の不安も、ひとつずつ整理すれば大丈夫なのね。わたしも、あせらず準備してみるわ。

その調子わん!大丈夫、一緒に考えるわん。お子さんも保護者の方も、少しずつ小学校への気持ちが整っていくわん。
お子さんの気持ちの準備と一緒に、ご家庭の生活リズムも、少しずつ整えていけるとよいでしょう。早寝早起きや、朝食をとる習慣は、小学校生活の土台にもなります。無理のない範囲で、できることから取り入れてみてください。
アイキャッチ画像:Photo by Pixabay on Pexels



コメント