読み聞かせを嫌がる子の気持ちと、そう感じる理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
寝る前に絵本を開いたとたん、「いや!」と本を閉じてしまう。最初のページも終わらないうちに、おもちゃのほうへ行ってしまう。そんなふうに、読み聞かせを嫌がる子の姿に、「絵本が好きになってほしいのに」と、さびしい気持ちになったことはありませんか。
読書の秋と言われるこの季節は、絵本の特集や図書館のイベントなど、読み聞かせの話題を目にする機会が増えます。「まわりのお子さんは、おとなしく聞いているのに」と、つい比べてしまう方もいるかもしれません。
この記事では、読み聞かせを嫌がる子が感じていることや、嫌がりやすい場面、家庭でできる工夫をやさしく整理していきます。絵本を無理にすすめず、親子で楽しい時間にしていくヒントをお届けします。
読み聞かせを嫌がる子が、じっと聞き続けることにつかれてしまう理由

読み聞かせは、大人にとっては「ゆったり座って、お話を聞く時間」です。でも、子どもにとっては、じっとしている時間が長い活動に感じられることがあります。体を動かしたい気持ちが強い時期は、座り続けること自体が負担になるようです。
特に、3〜5歳ごろは、体を動かして遊ぶことで、いろいろなことを学んでいく時期だと言われています。走ったり、跳ねたり、ものを触ったりしたい気持ちが強いと、ページをめくる間のわずかな時間でも、立ち上がりたくなることがあります。
また、聞くだけの時間は、子どもにとって「何もしていない時間」に感じられる場合もあります。絵を見て、声を聞いて、頭の中で場面を思いうかべる。この作業は、じつはとてもエネルギーを使うものです。
たとえば、朝から保育園や公園でたくさん遊んだ日は、夜にはもう、頭も体もくたくた。そんなときに「さあ、本を読もうね」と言われても、気持ちがついていかないことがあります。
時間や場所を少し変えるだけで、落ち着いて聞ける子もいます。元気な時間帯に、ほんの数分だけ読んでみる方法もあります。
子どもが読み聞かせを続けられる時間は、年齢や日によって大きく変わります。「今日は5分」「明日は1分」と、気軽に考えてみましょう。
読み聞かせを嫌がる子が、絵本の内容や絵に感じる好みの違い

読み聞かせを嫌がる理由として、絵本の内容や絵が好みに合わないことも考えられます。大人が選んだ「いい絵本」が、子どもにとって「おもしろい絵本」とは限らないからです。
たとえば、お話の展開がゆっくりすぎて、待ちきれなくなる子もいます。反対に、展開が早すぎて、ついていけなくなる子もいます。絵が細かすぎて、どこを見ればいいのか迷ってしまう場合もあるようです。
また、お話の中に、怖い場面や悲しい場面があると、そこで気持ちがいっぱいになって、「もうやだ」となってしまう子もいます。登場人物の気持ちを、大人が思う以上に強く受けとめているのかもしれません。
子どもの好みは、とてもはっきりしています。乗り物、動物、食べ物、お化け、ごっこ遊び。いま好きなものが出てくる絵本のほうが、ずっと関心を持ちやすいと言われています。
たとえば、電車が大好きな子には、物語よりも、電車の写真や絵がたくさん載っている図鑑のような絵本のほうが、ぐっと引きこまれることがあります。「物語でなければ絵本ではない」と考えなくても大丈夫です。
絵本選びで見てみたいポイント
・いま夢中になっているものが出てくるか
・1ページの文章が短く、リズムがあるか
・絵がはっきりしていて、見やすいか
・「おしまい」まで、短い時間で読めるか
図書館や本屋さんで、子ども自身に選んでもらうのもおすすめです。「自分で選んだ」という気持ちが、本への関心を育てることもあります。
読み聞かせを嫌がる子が、聞くより「自分で動きたい」と感じているとき

子どもは、見たり聞いたりするより、自分でやってみたいと感じる時期があります。ページをめくりたい、指さしをしたい、お話のまねをしたい。そんな気持ちが強いと、一方的に聞いている時間が、もどかしく感じられることがあります。
「おとなしく聞いてね」と言われても、体がうずうずしてしまうのは、成長の途中の自然な姿です。ページをめくるタイミングを待たされることが、子どもには長く感じられる場合もあります。
たとえば、「これはなあに?」と指さして、質問を投げかけてくる子もいます。大人が読んでいる途中でも、気になったことをすぐ確かめたい気持ちがあふれ出てしまうのです。
そうした様子は、絵本に関心がある証拠とも言えます。決まった形の読み聞かせにこだわらず、子どもが自由に反応できる時間にしてあげると、楽しさが増すことがあります。
じっと座ることが苦手な子の気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。


うちの子、絵本を読んでいると、すぐに立ち上がっちゃうの。わたし、てっきり、本が嫌いなんだと思ってたんだけど…。

それは違うわん!本が嫌いなんじゃなくて、体を動かしたい気持ちや、自分でやりたい気持ちが強いのかもしれないんだわん。座って聞くだけが、絵本の楽しみ方じゃないんだわん。
読み聞かせを嫌がる子が、特に困りやすい場面
読み聞かせを嫌がる子が、寝る前の絵本タイムで落ち着かなくなるとき

寝る前は、読み聞かせの定番の時間です。でも、眠い気持ちと、まだ遊びたい気持ちがせめぎ合う時間でもあります。この時間に絵本を嫌がる子は、少なくありません。
眠くてぐずぐずしているときに、「絵本を読もうね」と言われると、子どもは「寝る時間がきてしまう」と感じて、気持ちが離れることがあります。絵本が嫌いなのではなく、寝ること自体が嫌なのかもしれません。
反対に、日中にたくさん活動して、体がくたくたに疲れているとき。やっと座れたと思ったら、そのまま寝てしまう日もあります。読み聞かせのどこまでを求めるか、親としても迷いますよね。
寝る前の読み聞かせを嫌がるときは、時間をずらしてみる方法があります。たとえば、夕食のあとや、お風呂の前など、少し元気が残っている時間に、短く読んでみるのです。
寝る前の時間は、絵本のかわりに、今日あった楽しいことをお話ししたり、子守唄を歌ったりするだけでも、十分すてきな時間になります。絵本に限らず、親子で声を交わす時間が大切です。
暗い場所が怖いときや、夜に不安を感じやすいときは、読み聞かせの内容や明るさも見直してみてください。

毎日読まなければ、と思いつめなくても大丈夫です。読まない日があっても、子どもの心はちゃんと育っています。
寝る前の絵本が難しい日は、「歌を1曲」「今日あったことを3つ話す」など、声を交わす時間に置きかえても大丈夫です。親子で言葉を楽しめることが、いちばんの目的です。
絵本の時間が、「しなければいけないこと」ではなく、「お楽しみ」として感じられるように、そっと整えてあげたいですね。
読み聞かせを嫌がる子が、園や図書館のおはなし会でとまどうとき

家では嫌がらないのに、園や図書館のおはなし会では、座っていられない。逆に、家では嫌がるのに、お友達と一緒なら楽しめる。場所や人によって、反応が変わることも、よくあることです。
おはなし会では、たくさんの子どもが一緒にいて、いつもと違う場所で、知らない大人が絵本を読みます。まわりの音や、動き、においなど、気になることがたくさんあります。そのため、お話に集中できなくなる子もいます。
たとえば、会場に入った瞬間、緊張して、親のそばをはなれられなくなる子もいます。そうした様子を見て、「みんなと同じようにできていない」と、親は不安になるかもしれません。
でも、緊張している子が、親のひざの上で、最後まで見ていたなら、それは立派な参加です。座る場所や姿勢は、その子が落ち着ける形で大丈夫です。
また、園での読み聞かせは、先生が全員に向けて読むため、自分のペースで質問したり、ページを止めたりできないこともあります。そのもどかしさから、聞くのが苦痛に感じてしまう子もいるようです。
待つのが苦手な子の気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。園での集団の場面と重なる部分があるかもしれません。

おはなし会に行くときは、入り口に近い席を選んだり、途中で出られるようにしておいたりすると、気持ちにゆとりが生まれます。「いつでも出ていいよ」と、先に伝えておくだけでも、安心できる子もいます。
読み聞かせを嫌がる子と一緒にできる、家庭での工夫
読み聞かせを嫌がる子のペースに合わせて、短く、楽しく始める工夫

読み聞かせを嫌がる子には、まず「読まなきゃ」という気持ちを手放すことが、はじめの一歩になります。親が肩の力を抜くと、子どもも、絵本の時間に抵抗を感じにくくなることがあります。
たとえば、「今日は1ページだけ」「好きなところだけ開こう」と、ハードルを低くしてみましょう。全部読み終えなくてもいいと決めておくと、親子ともに気持ちがらくになります。
絵本を、読むためだけのものにせず、遊びの道具にしてみる方法もあります。乗り物の絵本を開いて、「このバス、どこに行くのかな」と指でなぞったり、動物の絵本で、鳴きまねをしてみたり。聞くだけでなく、体や声を使うと、楽しさが増します。
子どもの興味を引きつけたいときは、読み方も工夫してみましょう。声の大きさや高さを変えたり、ゆっくり間をとったり、効果音を入れたりすると、お話がぐっと生き生きします。上手に読もうと思わなくて大丈夫です。
そして、絵本を手のとどく場所に置いておくことも大切です。いつでも自分で手にとれる場所にあれば、気が向いたときに、自分から開くようになることがあります。
読むときの姿勢も、自由に考えてみてください。ひざの上に座らせたり、ねころがったり、かたわらで遊びながら聞いてもらったりと、子どもが落ち着ける形が、いちばんのおすすめです。

絵本をひらいて、バスの絵をなぞったら、うちの子が「ぶーぶー」って言ってくれたの!えへへ…ちょっとだけ楽しそうだったかも。

それはいい工夫だわん!絵本は、聞くだけじゃなく、見て、さわって、声を出して楽しんでいいんだわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
読み聞かせを嫌がる子が、絵本との距離をゆっくり縮めていく方法

絵本に近づけない時期があっても、焦らなくて大丈夫です。絵本との距離は、少しずつ縮められるものです。まずは、親が自分の好きな本を、子どもの前で楽しそうに読む姿を見せるだけでも、本への印象が変わっていくことがあります。
子どもは、親のまねをするのが得意です。親が楽しそうにページをめくっている様子を見て、「あれは楽しいものなんだ」と感じとります。無理にすすめなくても、本のある環境が、少しずつ関心を育てていきます。
絵本を読むのが難しいときは、「絵本」ではなく、身近なものを使った言葉遊びから始める方法もあります。お風呂で数を数えたり、お散歩で見つけた花の名前を言い合ったりするだけでも、言葉に親しむ大切な時間です。
また、図鑑や写真絵本、しかけ絵本など、いろいろなタイプの本に出会える機会を作ってあげるのも、ひとつの方法です。お話を聞く絵本が苦手でも、しかけをめくる、写真を見る楽しさなら、夢中になる子もいます。
ただし、「これならどう?」と次々に出すと、かえって負担になることもあります。子どもが手にとったものを、そっと一緒に見るくらいのゆるやかな関わりが、ちょうどいいことも多いようです。
音読を嫌がる子の気持ちについては、こちらの記事でも取り上げています。読み聞かせとはまた違う悩みですが、「本が楽しくない」と感じる理由に、共通する部分があるかもしれません。

まとめ:読み聞かせを嫌がる子と、楽しい時間をゆっくり育てる
読み聞かせを嫌がる子の気持ちを、まるごと受けとめるという考え方

読み聞かせを嫌がる気持ちは、じっと座るつかれ、絵本の好みの違い、自分で動きたい気持ち、眠さなど、いくつかの理由が重なって生まれます。嫌がることには、その子なりの理由があると言われています。
無理に読み聞かせを続けるより、「今日はここまでにしようか」と、子どもの気持ちを受けとめるほうが、結果的に、絵本への気持ちが育ちやすくなります。絵本の時間は、楽しい時間であることがいちばん大切です。
絵本に興味を持つ時期や、ペースは、子どもによってさまざまです。いまは遊びが中心の時期でも、成長とともに、絵本の楽しさに気づく日がくる子はたくさんいます。

絵本を読めない日があっても、いいんだね。わたしも、「今日は1ページだけ」って、気楽にやってみようかな。

そうだわん。絵本は、親子が楽しむためのものだわん。ゆっくりでいいんだわん。
「どうしてうちの子だけ」と悩む日があっても、読み聞かせを嫌がる子は、たくさんいます。ほかの子と比べず、今日のその子の様子を見て、できたことを一つずつ見つけてあげてください。
たとえば、「絵本を自分で持ってきた」「表紙を指さした」「ひとつのページを見て笑った」など、小さな変化も立派な成長です。気づいたら、ぜひ声に出して伝えてあげましょう。
一人で抱え込まず、読み聞かせを嫌がる子と一緒に進んでいく

読み聞かせを嫌がる子を見守るあなたも、毎日、本当によくがんばっています。「絵本は子どもにいいと聞くのに」と、焦りを感じる日もあるでしょう。
でも、読み聞かせが続かないからといって、親子の関わりが足りないわけではありません。抱きしめること、話しかけること、一緒に笑うこと。そんな毎日のひとつひとつが、子どもの心と言葉を育てています。
ご家族で、「どんなときに絵本を楽しんでいたか」を話し合ってみるのも、ひとつの方法です。パパやおじいちゃん、おばあちゃんが読むと喜ぶ、という子もいます。読み手を変えてみると、思わぬ反応があるかもしれません。
絵本は、読んであげるものから、いつか自分で開くものへと変わっていきます。今は嫌がっていても、ある日ふと、自分で本を持ってくる日が来る子もいます。
ゆっくり、その子のペースで。絵本の時間が、いつか親子のほっとするひとときになるよう、願っています。
アイキャッチ画像:Photo by Kate L on Pexels



コメント