服のタグを嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
服のタグを嫌がる子が感じている、チクチクと触れつづける不快さ

「背中がかゆい」「首のところがイヤ」と言って、朝の着替えのたびに泣いたり、服を脱いでしまったり。服のタグを嫌がる子の様子に、どう対応したらいいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、服のタグを嫌がる子がつまずきやすい理由と、家庭でできる工夫を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じたときのヒントになればうれしいです。
大人は、服のタグが肌にあたっていても、慣れてしまえばほとんど気にならなくなります。ところが子どもの中には、同じ刺激が一日中つづくと感じる子がいます。タグの固さ、縁のチクチク、肌にあたる角度が、ずっと意識から離れないのです。
たとえば、よくある例として、こんな場面を想像してみてください。学校で授業を受けているのに、首の後ろのタグが気になって、先生の話が頭に入ってこない。「何がいやなの?」と聞かれても、うまく言葉にできない。気になっているのに説明できないことが、さらにつらさを増してしまうこともあります。
タグには、洗濯表示やサイズ、素材の表記が書かれています。必要な情報ではありますが、子どもの首や背中にふれる位置にあるため、肌にとっては小さな異物のように感じられることがあります。とくに、首の後ろやウエストまわりは、皮ふが薄く、敏感に感じやすい場所です。
タグだけでなく、縫い目、ゴムの締めつけ、素材のごわごわ感などが一緒に気になる子もいます。「服全体がいや」に見えて、じつはタグが一番の原因ということもあるのです。
「そんなの気にならないでしょ」と言われると、子どもは自分の感覚を否定されたように感じてしまうことがあります。大人が感じないからといって、子どもにも感じないとは限りません。感じ方が違うことを、まず前提にしてみましょう。

わたし、てっきり「服をぬぎたい口実」だと思ってたの…。

それは違うわん! 子どもにとっては、タグのチクチクが本当に気になることがあるんだわん。「気のせい」と言わずに、聞いてあげるわん。
服のタグを嫌がる子が戸惑いやすい、素材と縫い目のごわごわ感

タグを嫌がる子の中には、服の素材や縫い目にも敏感な子がいます。化学繊維のさらさらした感じ、ウールのチクチク、デニムの固さなど、感じ方は子どもによってさまざまです。
同じ服でも、洗濯をくり返してやわらかくなると、着られるようになることもあります。反対に、新品の服はゴワゴワしていて、とくに嫌がる子もいます。新しい服を着る日が、そのままストレスになってしまうこともあるのです。
縫い目の位置も、大事なポイントです。肩、わきの下、足の付け根、くつ下のつま先など、皮ふがこすれやすい場所に縫い目があると、気になりやすくなります。服を裏返して着たがる子は、縫い目を避けているのかもしれません。
たとえば、レースやフリルがついた服、ボタンやファスナーが肌にあたる服、首まわりがきつい服なども、同じように気になる子がいます。タグだけを外しても着られないときは、ほかの部分が気になっているのかもしれません。
汗をかく季節は、素材の感じ方も変わります。夏は汗でベタつく感じが気になり、冬は静電気や乾燥でチクチクしやすくなります。同じ服でも、季節や体調によって着心地が変わることがあるのです。
子ども自身も、「どこがどういやなのか」を、はっきり分かっていないことが多くあります。「なんとなくイヤ」としか言えないときは、服を一緒にさわりながら、「ここ?」「こっち?」と探っていくのも一つの方法です。
こうした感じ方は、年齢とともに変わっていくとも言われています。いまは気になるものが、成長とともに平気になることもあります。「ずっとこのまま」と決めつけなくて大丈夫です。
服のタグを嫌がる子が、一日中感じやすい「気になる」の積み重ね

子どもの一日は、着替えから始まります。朝、服を着る。学校や園で過ごす。帰ってきて、お風呂に入る前に服を脱ぐ。着ている間じゅう、タグが皮ふにふれている状態です。
子どもにとって、「気になる」ことは、集中力や気持ちの余裕を使います。授業中や遊びの最中も、タグのことが頭のすみにあると、本来の力を出しにくくなる場合があります。
園や学校では、気になることがあっても、「先生に言いにくい」「みんなの前では言えない」と、がまんしてしまう子もいます。家で見せる姿が、いちばん素直な反応ということもあります。
夕方になって、家に帰ったとたんに機嫌が悪くなる子もいます。それは、一日中「気になる」を我慢してきた疲れが出ているのかもしれません。帰宅後に服を脱いでほっとする様子があれば、思い当たる点があるかもしれません。
また、緊張しているときや、疲れているときには、いつもは平気な刺激でも気になりやすいことがあります。気持ちの状態によって、感じ方が変わる子もいます。「今日はタグを嫌がる」という日は、体調や気分も一緒に見てあげるとよいかもしれません。
反対に、家の中では平気なのに、学校や外出先だけ嫌がる子もいます。「ここだけ」と場面を分けて見ると、原因が見えてくることがあります。
家で様子を見るときのヒント
・着替えのとき、首や背中をさわって嫌がるか
・服を裏返したり、脱いだりしたがるか
・新しい服や、洗濯前の服をとくに嫌がるか
・家にいる間は平気でも、外出先や学校で嫌がるか
服のタグを嫌がる子が、とくに困りやすい場面
服のタグを嫌がる子が戸惑う、朝の着替えと新しい服の場面

服のタグを嫌がる子がいちばん困りやすいのは、朝の着替えの時間です。時間が限られていて、親も急いでいるなかで、子どもが「これはイヤ」と言い出すと、親子ともに気持ちが追いつめられてしまいます。
冬場は、厚着をするため、重ね着のたびに別のタグが増えます。肌着、シャツ、セーターと、それぞれにタグがあると、どれが気になるのか分からなくなってしまうこともあります。
新しい服は、タグがまだ固く、折れ目もついています。「お気に入りの色だから着たい」という気持ちと、「でもチクチクする」という気持ちの間で、揺れてしまう子もいます。
| 場面 | つまずきやすいポイント |
|---|---|
| 朝の着替え | 時間がないなかで、気になる服を何度も着替えなおしてしまう |
| 新しい服 | タグや縫い目が固く、洗濯前だと肌ざわりが気になる |
| 学校・園の制服や体操服 | 選べない服を着なければいけない、一日中がまんしている |
| 洗濯後・おさがり | 洗い方や素材で肌ざわりが変わり、昨日まで平気だった服が着られなくなる |
朝の着替えがうまくいかないと、そのあとの支度や登園・登校にも影響が出ます。「また遅刻しそう」「機嫌が悪いまま出かけてしまった」という日が続くと、親もつらくなってしまいます。だからこそ、前の晩に服を一緒に選んでおく方法を取り入れている方もいます。
苦手な場面は子どもによって違います。「服がいや」とひとまとめにせず、どの場面、どの服が気になるのかを分けて見てみると、対応も具体的になります。

服のタグを嫌がる子がつまずきやすい、洗濯後や学校の制服・体操服

家では服を選べても、学校の制服や体操服は、自由に選べません。毎日同じ服を着なければならない場面で、タグや縫い目が気になって、つらさが続いてしまう子もいます。
また、洗濯をくり返すと、タグが折れ曲がったり、ごわついたりして、かえって肌にあたりやすくなることもあります。昨日まで平気だった服が、急に着られなくなることもあるのです。
洗剤や柔軟剤も、肌ざわりに影響することがあります。香りが強いものや、すすぎ残しのある服は、においや肌ざわりが気になる原因になる場合があります。洗い方を少し変えるだけで、着られるようになることもあります。
おさがりの服は、すでに洗濯をくり返してやわらかくなっていることが多く、新品よりも着やすい場合があります。一方で、タグの位置や素材が合わないと、同じように嫌がることもあります。
体育のある日は、着替えの回数が増えます。体操服に着替える、また制服に戻す。着替えるたびにタグのあたり方が変わるため、そのたびにつらい思いをする子もいます。時間が限られた学校では、着替えの途中で焦ってしまうことも少なくありません。
体操服や制服については、先生に相談して、タグの取り外しやインナーの工夫を認めてもらえるかどうか、聞いてみる方法もあります。学校ごとに考え方が違うので、まずは相談してみるのが近道です。


え〜っ、洗濯したら着られなくなる服もあるの?

そうなんだわん。服の状態によっても、感じ方が変わるんだわん。着られなくなった理由も、いっしょに探してあげるわん。
服のタグを嫌がる子に、家庭でできる工夫
服のタグを嫌がる子と、着心地の合う服を一緒に選んでみる

服のタグを嫌がる子には、まず「着心地の合う服」を一緒に見つけることが、助けになります。お店で服を選ぶときは、子どもに実際に触ってもらい、「どう?」と聞いてみましょう。
選ぶときの目安は、タグが小さい・やわらかい・布に印刷されているものです。最近は、タグがなく、洗濯表示を服にじかに印刷している「タグなし」の服も多く見かけます。肌にふれる部分が少ないので、試してみる価値があります。
試着ができるお店なら、実際に着て、少し動いてみるのがおすすめです。立っているときは平気でも、腕を動かしたり、しゃがんだりすると、タグや縫い目があたって気になることもあります。
素材は、綿などのやわらかいものを好む子もいれば、伸びる素材のほうが楽という子もいます。縫い目が外側にある服や、縫い目が少ない服も、選ぶときの目安になるかもしれません。
新しい服は、着る前に一度洗っておくと、固さがやわらぎます。それでも気になる場合は、肌着を重ねて、服が直接肌にふれないようにする方法もあります。
「いやな服」と「着られる服」の違いを、親子で言葉にしてみるのも一つの方法です。「これはやわらかい」「これはチクチクする」と話しながら、子どもの好みを一緒に整理していくと、次の服選びがぐっと楽になります。
服のタグを嫌がる子に、切り方を工夫して試してみる

タグが気になる場合、タグを切るという方法もあります。ただし、切り方には注意が必要です。
まず、切る前に、タグに書かれている洗濯表示や素材の情報を、写真に撮ったり、メモしたりして残しておきましょう。洗濯の方法を忘れてしまうと、服をいためてしまうことがあります。
切るときは、はさみで根もとの縫い目のぎりぎりを切ると、切り口が残って、かえってチクチクすることがあります。縫い目の糸を、糸切りばさみで少しずつ外すと、肌ざわりがよくなります。
タグを外すのが難しい服や、縫い込まれているタグもあります。無理に引っ張ると、生地が破れたり、縫い目がほどけたりすることもあるので、急がず、少しずつ外していきましょう。小さな子どもの前で作業すると、はさみに興味を持つこともあるため、安全にも気を配りたいところです。
切り口が気になるときは、やわらかい布やテープを当てる方法もあります。それでも気になる場合は、肌着を一枚着るなど、別の工夫を組み合わせてみましょう。
ほかにも、服を裏返しに着る、タグが見えない位置の服を選ぶ、肌着を重ねる、といった方法もあります。一度に完ぺきな対策を探さず、「これなら大丈夫そう」と思える方法を、一つずつ試してみましょう。
ただし、タグを切ることで、新しい服のブランドや、洗い方の情報が分からなくなるデメリットもあります。服を買うときに、切りやすい位置のタグかを見ておくのも、一つの工夫です。

まとめ:服のタグを嫌がる子と、無理なく進めるために
服のタグを嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

服のタグを嫌がる子は、わがままを言っているのではなく、肌ざわりの感じ方の違いから、本当に不快さを感じていることがあります。タグだけでなく、素材や縫い目、洗濯後の状態など、いくつかの要素が重なっている場合もあります。
おうちでは、一緒に服を選んだり、タグを切る・肌着を重ねるなどの工夫を試したりしながら、着られる服を少しずつ増やしていくのが近道です。
たとえば、「タグは気になるけれど、縫い目は平気」「新しい服だけがいや」というように、気になる部分は子どもによってちがいます。うちの子の場合はどこなのかを、少しずつ探っていくことが、近道になります。
気持ちを受けとめる、服の選び方を工夫する、無理をさせない。この3つを意識するだけでも、朝の時間が少しずつ楽になっていくことがあります。

そっか、「着られる服」を一緒に見つけていけばいいんだね!

そのとおりだわん! 小さな「これならいいよ」を、いっしょに集めていくわん。
一人で抱え込まず、服のタグを嫌がる子と一緒に進んでいく

毎朝、服のことで時間がかかると、「このままで大丈夫かな」と不安になるかもしれません。でも、肌ざわりの感じ方は、年齢や環境によって変わっていくと言われています。
服にまつわるこだわりは、成長のなかで、少しずつ形を変えていくものです。いまは「このタグがいや」でも、数か月後には平気になっている、ということもあります。そのときどきの気持ちに合わせて、柔軟に付き合っていくくらいが、ちょうどよいかもしれません。
着られる服が見つかったら、「これ、いいね」と一緒に喜んであげましょう。自分に合う服を自分で選べたという経験は、子どもの安心感にもつながっていきます。
学校の先生や、まわりの保護者の方と、服選びの工夫を分かち合うだけでも、気持ちが軽くなることがあります。一人で抱え込まず、まわりの力も借りながら進めていきましょう。
服のタグを嫌がる子のペースを大切にしながら、ゆっくり、できるところから進めていきましょうね。
アイキャッチ画像:Photo by Atlantic Ambience on Pexels



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