整理整頓が苦手な子は多い?よくある悩みを知る
こんにちは!おやまどの鈴木です。
「机の中もランドセルの中も、いつもぐちゃぐちゃ」
整理整頓が苦手な子どもの部屋を見るたびに、ため息が出てしまう。そんな方も多いのではないでしょうか。
整理整頓が苦手なことに、本人以上に親のほうが疲れてしまう。そんなご家庭は、実はめずらしくありません。何度片付けても、翌日にはまた元通り。「言い方が悪いのかな」「そもそもしつけが足りないのかな」と、自分を責めてしまう方もいるはずです。この記事では、整理整頓が苦手な背景にある理由と、家庭で無理なく取り入れられる工夫を、一緒に見ていきます。
整理整頓が苦手だと感じる場面

整理整頓が苦手だと感じる場面は、家庭によってさまざまです。おもちゃを出したまま次の遊びに移ってしまう。ランドセルの中にプリントとお菓子の袋が一緒に入っている。机の引き出しを開けると、何がどこにあるのか本人もわからない状態になっている、というご家庭もあります。
たとえば、「片付けなさい」と声をかけても、どこから手をつければいいのかわからず、その場に立ちつくしてしまう。そんな場面を見て、「やる気がないのかな」と感じる方もいるかもしれません。
学校でも机の中やロッカーの様子を注意されることが増えると、苦手意識がふくらみやすくなります。
探し物をする時間が増えたり、忘れ物につながったりすることもあり、整理整頓の苦手さは、日常生活のあちこちに影響を及ぼしがちです。「だらしない」という一言で片づけられがちですが、実はそう単純な話ではありません。
朝の準備がスムーズにいかないのも、探し物に時間を取られてしまうことが理由の一つになっていることがあります。「あれがない、これがない」と探し回るうちに、出発の時間が近づいてあわてる。そんな朝を何度もくり返していると、親子ともに気持ちがすり減ってしまいます。
「整理整頓が苦手」は特別なことじゃない

「整理整頓が苦手なのは、うちの子だけなんじゃないか」と感じる方は少なくありません。でも、物の分類・優先順位づけ・記憶の保持など、整理整頓にはいくつもの力を同時に使う必要があり、大人が思う以上に難しい作業だと言われています。
勉強や運動は得意なのに、身の回りの整理だけが極端に苦手、というケースもあります。得意・不得意の差が大きいのは、めずらしいことではありません。
クラス全体で見ても、机の中がぐちゃぐちゃになりやすい子は一定数いる、というのが実際のところです。
周りの子の机がきれいに整っているのを見ると、自分の子だけが特別にだらしないように感じてしまいがちです。でも、見た目の整い方だけで、その子の能力すべてを判断することはできません。
「今はまだ、片付け方のコツをつかめていないだけ」。そんな見方をしてみると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。

うちの子だけ、整理整頓がずっと苦手で…。お友だちの机はきれいなのに、なんでうちの子だけって、つい考えちゃうの。

それ、多くの家庭で聞く悩みだわん。整理整頓は分類や優先順位づけが必要な作業だから、苦手な子がいてもぜんぜん特別じゃないわん。
忘れ物が多いことと整理整頓の苦手さは、つながっていることもあります。こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

整理整頓が苦手なのはなぜ?考えられる理由
整理整頓が苦手な背景には、いくつかの理由が重なっていることがあります。ここでは、代表的な視点から見ていきます。
整理整頓に必要ないくつもの力

整理整頓は、「物をグループに分ける」「優先順位を決める」「元の場所を覚えておく」という、いくつもの力を同時に使う作業です。どれか一つが得意でも、すべてをそろえて実行するのは、また別の難しさがあります。
「教科書はここ」「プリントはここ」と頭の中で分類しながら手を動かす経験は、大人が思う以上に複雑な作業です。だからこそ、片付けを始めたばかりの時期は、多くの子がどこから手をつけていいかわからず戸惑うものです。
「分類はできても、優先順位がつけられない」「一つひとつは片付けられても、全体を見渡せない」というのは、よく見られる姿です。
この、複数の作業を同時に組み立てて進める力は、実行機能と呼ばれています。育ち方には個人差があり、身につくまでの時間も子どもによってさまざまです。
苦手の背景にあるかもしれない特性

整理整頓が苦手な理由は、練習量だけでは説明できないこともあります。物の分類基準を決めるのが苦手なタイプの子や、目の前のことに気を取られて全体の見通しを立てにくいタイプの子がいる、と言われています。
パズルのピースのように、それぞれの子どもが得意な形・苦手な形を持っています。
色で分けるのが得意な子もいれば、大きさで分けるほうがしっくりくる子もいます。どんな基準なら整理しやすいかにも、子どもによって違いがあるようです。
断定はできませんが、目の前のことに集中しやすい特性が、整理整頓の難しさとつながっているケースもあると言われています。「怠けている」のではなく、「片付け方の手順を思いつくのに、その子なりの時間が必要」というだけ、というケースも少なくありません。

実行機能って…はじめて聞いた言葉だわ。片付けが苦手なのは、やる気の問題じゃないってこと?

そうわん!分類・優先順位・記憶、3つを同時に使う力のことだわん。育ち方には個人差があるから、時間がかかるのは自然なことだわん。
片付けないのは「やる気がない」からではない

「何度言っても片付けない」と感じるとき、「やる気がない」「面倒くさがっている」という見方をしてしまいがちです。でも、片付けないことの裏には、「どこから手をつければいいかわからない」という戸惑いが隠れていることもあります。
ランドセルの中身がぐちゃぐちゃなのも、本人にとっては「そこに物があること」自体は認識できていて、「どう分類すればいいか」がつかめていないだけ、というケースが少なくありません。
「片付けなさい」という指示だけでは、何をどうすればいいのかが伝わりにくいこともあります。
「片付ける」という言葉の中には、「拾う」「分ける」「運ぶ」「しまう」という、いくつもの小さな動作が隠れています。大人にとっては当たり前の一連の流れも、子どもにとっては一つひとつ意識しないと進められない作業かもしれません。
手先の器用さも整理整頓に関わってきます。物をつまむ、重ねる、そろえるといった細かい動きが苦手な場合は、こちらの記事も参考になるかもしれません。

整理整頓が苦手な子への関わり方。家庭でできる工夫
整理整頓が苦手な子に対して、家庭では特別な道具がなくても、少しずつできることがあります。ここでは、今日から取り入れやすい工夫を紹介します。
物の住所を決める

「どこに戻せばいいかわからない」ことが片付けられない理由の一つなら、物ごとに「住所」を決めてあげるのが効果的です。おもちゃ箱、本棚、文房具入れなど、それぞれの物の置き場所をあらかじめ決めておきます。
ラベルや写真を貼っておくと、文字だけでは伝わりにくい子にもわかりやすくなります。
「ここに戻す」という行動がシンプルであるほど、片付けへのハードルは下がります。細かく分類しすぎず、まずは大きなカテゴリーで分けるところから始めるのがコツです。
物の住所が決まっていれば、片付けるときに「考える」手間が減ります。考える手間が減るということは、それだけ片付けへの心理的なハードルも下がる、ということです。
最初のうちは、大人が一緒に住所を決めてあげることが大切です。子ども自身に決めさせると、置き場所がころころ変わってしまい、かえって定着しにくくなることもあります。一度決めたら、しばらくは同じ場所を使い続けてみましょう。
一度に全部やろうとしない

部屋全体を「きれいに片付けなさい」と言われると、どこから始めればいいのかわからず、かえって手が止まってしまうことがあります。整理整頓は、階段を一段ずつ上るように、小さく区切って進めるのがおすすめです。
「今日は机の上だけ」「今日はおもちゃ箱だけ」というように、範囲を区切って取り組むと、達成感を積み重ねやすくなります。
一度に全部を終わらせようとせず、今日できる分だけで十分、という考え方が、片付けへの苦手意識をやわらげてくれます。
時間を区切るのも一つの方法です。「タイマーが鳴るまで」と決めておくと、終わりが見えることで取り組みやすくなる子もいます。
「あと5分だけ」と声をかけるより、実際にタイマーが鳴るという形にしたほうが、終わりのタイミングをめぐる親子のやり取りも減らせます。
「10個だけ拾う」「3か所だけ戻す」というように、数で区切る方法も効果的です。範囲が具体的であるほど、子どもにとってのゴールがはっきりし、取り組みやすくなります。
できたことを一緒に喜ぶ工夫

整理整頓が苦手な子にとって、「片付いていない」ことばかり指摘される日々が続くと、片付けそのものがつらいものになってしまいます。だからこそ家庭では、小さな「できた」を一緒に喜ぶ時間を大切にしたいところです。
机の上だけでも片付いた。おもちゃを一つでも元の場所に戻せた。そんな小さな変化も、立派な成長です。
「完璧に片付いたかどうか」ではなく、「取り組めたこと」に目を向けて声をかけると、子どもの表情も少しずつ変わっていきます。
シールを貼る、カレンダーに印をつけるといった簡単な方法でも構いません。結果よりも過程を認める関わり方が、次への意欲につながっていきます。
「今日はここまでできたね」という声かけを積み重ねていくと、子ども自身も「やればできる」という感覚を少しずつ持てるようになります。小さな自信の積み重ねが、次の片付けへの原動力になります。

そういえば、「全部片付いたか」ばっかり見て、「机の上だけでも頑張った」とか、そういうところ全然見てなかったかも!

気づけてえらいわん!完璧じゃなくても、取り組めたことに気づいてあげると、子どももきっとうれしいわん。
整理整頓が苦手で片付けをいやがるときの向き合い方
整理整頓が苦手な状態が続くと、片付けそのものをいやがるようになることもあります。ここでは、そんなときの声かけと、学校との連携について見ていきます。
片付けをいやがるときの声かけ

「片付けたくない」と言われたとき、「そんなこと言わずにやりなさい」とつい強く言いたくなるかもしれません。でも、いやがる気持ちの裏には、「どうせうまくできない」という不安が隠れていることもあります。
そんなときは、片付けを無理にすすめる前に、「どこから困ってる?」と聞いてみるところから始めてみてください。
どこでつまずいているのかを一緒に確認するだけで、次の一歩を踏み出しやすくなる子もいます。
「全部やって」ではなく、「まずこれだけやってみよう」という具体的な声かけに変えると、プレッシャーを減らしながら片付けに誘うことができます。
それでもいやがる日は、無理に誘わず、いったん距離を置いてみるのも一つの選択です。「今日はここまでにしよう」と思い切って切り替えることで、次の日に気持ちを切り替えて向き合えることもあります。
学校の先生と共有しておきたいこと

整理整頓が苦手なことで学校生活がつらくなっているようなら、家庭だけで抱え込まず、担任の先生と様子を共有しておくのも一つの方法です。
「机の中がいつも散らかっている」「配布物をすぐなくしてしまう」など、家庭で見えている具体的な様子を伝えると、学校側も配慮しやすくなります。
連絡帳に簡単にメモしておき、面談のタイミングで伝える、という形でも十分です。
学校でも、机の中身を定期的に確認する時間を設けてもらう、ロッカーの使い方を絵で示してもらうなど、ちょっとした工夫だけで本人の負担が変わることがあります。家庭と学校で情報を持ち寄る、という姿勢が大切です。
「特別扱いしてほしい」という意味ではなく、「今、こんな状態です」という共有だと考えると、伝えるハードルも少し下がるかもしれません。
チェックポイント
・物ごとに「住所」を決め、ラベルや写真でわかりやすくする
・「全部片付ける」ではなく「今日はここだけ」と範囲を区切る
・つらそうな様子が続くときは、担任の先生にも様子を共有する
時間割の準備がうまくいかないことと、整理整頓の苦手さは関係していることもあります。こちらの記事もあわせてご覧ください。

まとめ:整理整頓が苦手でも、あせらずつきあう
整理整頓が苦手でも大丈夫と伝えたい

整理整頓が苦手なことは、その子の努力不足でも、育て方の問題でもありません。分類・優先順位づけ・記憶をまとめて使う実行機能の育ち方には個人差があり、時間をかけて身についていくものだと言われています。
「きちんと片付けられるようにならなきゃ」と親のほうが力を入れすぎると、その緊張が子どもにも伝わってしまうことがあります。
「今はまだ練習中」というくらいの気持ちで、長い目で見守ってあげてください。
焦らず見守るためのポイント

整理整頓の力が育つスピードは、双葉が土から顔を出すタイミングのように、子どもによってさまざまです。焦って急かすよりも、その子のペースに寄り添うことのほうが、結果として身につく近道になることもあります。
物の住所を決める。範囲を区切って取り組む。できたことを一緒に喜ぶ。つらそうなときは無理にすすめず、必要があれば学校とも様子を共有する。
そうした関わりを積み重ねていくことが、整理整頓が苦手な子にとっての、いちばんの支えになります。

焦らなくていいんだね。完璧な片付けを求めるんじゃなくて、その子のペースを見てあげようって思えた。

そうだわん!一人で抱え込まなくて大丈夫だわん。あせらず、一緒に考えていこうわん。
整理整頓が苦手なのは、努力不足でも育て方のせいでもなく、分類や優先順位づけをまとめて使う力の育ち方に個人差があるためです。物の住所を決め、範囲を区切って取り組み、できたことを一緒に喜びながら、その子のペースであせらずつきあっていきましょう。
整理整頓が苦手なことも、成長のペースの一つです。今日できなかったことが、来月には少しできるようになっているかもしれません。周りと比べすぎず、その子自身の「昨日より少し」に目を向けながら、整理整頓とゆっくりつきあっていってくださいね。



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