鬼ごっこが苦手な子。理由と遊び方の工夫を解説

鬼ごっこが苦手な子。理由と遊び方の工夫を解説 低学年
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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鬼ごっこが苦手な子の気持ちと、そう感じる理由

こんにちは!おやまどの鈴木です。

休み時間に「みんなで鬼ごっこをしよう!」と誘われたのに、輪の外で見ているだけだった。鬼になった途端、泣き出してしまった。そんなふうに、鬼ごっこが苦手な子の様子に、胸が痛んだことはありませんか。

秋は外遊びがしやすく、運動会のあとに休み時間の遊びが盛り上がる季節でもあります。「友達と遊べているのかな」と、親のほうも気になってしまいますよね。

この記事では、鬼ごっこが苦手な子が感じていることや、つまずきやすいポイント、家庭でできる工夫をやさしく整理します。「うちの子だけかな」と感じている方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。

鬼ごっこが苦手な子が感じている、追いかけられる緊張と捕まる不安

運動場に並ぶ白いスニーカーをはいた子どもの足元
Photo by Antonius Ferret on Pexels

鬼ごっこは、楽しい遊びのように見えて、実は気持ちの動きが大きい遊びです。追いかけられるドキドキや、捕まるかもしれない不安が、一度にやってきます。

走って逃げているとき、後ろから足音が近づいてくると、体が固まってしまう子もいます。「捕まったらどうしよう」という気持ちが先に立って、楽しむ余裕がなくなってしまうのです。

また、鬼に捕まった瞬間に「負けた」「ダメだった」と感じる子もいます。気持ちの切りかえが苦手な子にとっては、その悔しさがなかなか消えないこともあります。

鬼ごっこは、集団で遊ぶ中でも「鬼」という立場が入れかわる遊びです。立場が変わるたびに、気持ちの切りかえも求められます。

たとえば、捕まったあとにその場から動けなくなったり、「もうやらない」と言って輪から抜けたりする場面があります。これは、わがままではなく、気持ちの整理に時間がかかっているのかもしれません。

まずは、「ドキドキしたよね」「悔しかったね」と、気持ちを言葉にしてあげましょう。気持ちを受けとめてもらえるだけで、子どもは落ち着きやすくなります。

鬼ごっこが苦手な子の「できない」を、うちの子だけと思わなくて大丈夫

遊んでいる子どもたちの後ろ姿
Photo by Antonius Ferret on Pexels

「どうして、みんなみたいに楽しめないんだろう」と悩む気持ちは、とてもよくわかります。でも、鬼ごっこが苦手な子は、思っているよりも多いと言われています。

鬼ごっこは、足の速さだけで決まる遊びではありません。ルールを理解する力、まわりを見る力、すばやく動く力、気持ちを切りかえる力など、いくつもの力を同時に使う遊びです。

また、体の発達や経験の量、そのときの気分によっても、遊びの楽しさの感じ方は変わります。昨日は楽しくできたのに、今日は入りたくない、という日があっても不思議ではありません。

そのうちのどれかが「まだ育っている途中」だと、苦手さとして表れることがあります。「苦手」は「ずっとできない」という意味ではありません。

ほのママ
ほのママ

鬼ごっこって、ただ走ればいいだけだと思ってたわ…。そんなにいろんな力を使ってたのね。

ここわん
ここわん

そうなんだわん!鬼を決める、逃げる場所を考える、交代する…頭も体もフル回転なんだわん。苦手な子がいても、ぜんぜん不思議じゃないんだわん!

この先の章で、苦手さの中身をもう少し具体的に見ていきましょう。

鬼ごっこが苦手な子がつまずきやすい、遊びの中のポイント

鬼ごっこが苦手な子に多い、ルールの変化についていくむずかしさ

校庭で輪になって遊ぶ子どもたち
Photo by Mehmet Turgut Kirkgoz on Pexels

鬼ごっこには、「タッチされたら鬼が交代」「高いところにいたら捕まらない」「氷鬼で凍ったら動けない」など、ルールがたくさんあります。

しかも、遊ぶ人によってルールが変わることがあります。「今日は色鬼ね」「バリアありね」と、その場で新しいルールが決まることも珍しくありません。

口で説明されただけでは、「結局、どうすればいいの?」とわからなくなる子もいます。目で見て理解するほうが得意な子にとっては、言葉だけのルール説明は、むずかしいことがあります。

たとえば、「氷鬼」では、凍った子を助ける役割もあります。「鬼から逃げる」「友達を助ける」を同時に考えるのは、大人でも意外と大変です。

たとえば、「タッチされたら鬼」というルールを理解していても、「誰が今の鬼なのか」がわからなくなる場面があります。だれが鬼かを見失うと、逃げる方向も決められません。

ルールがわからないまま遊びに入ると、「間違えたらどうしよう」という不安が強くなります。それが、「やりたくない」という気持ちにつながることもあるのです。

「ルールがわからない」ことと「遊びたくない」ことは、似ているようで別の気持ちです。まずは、どちらに近いのかをそっと聞いてみましょう。

鬼ごっこが苦手な子が戸惑う、すばやく方向を変えて走る動き

芝生の上で手をつないで輪になる子どもたち
Photo by Tuấn Nguyễn Văn on Pexels

鬼ごっこでは、まっすぐ走るだけでなく、急に曲がる、止まる、また走るといった動きが次々に必要になります。

走りながら、後ろの鬼の位置を気にしたり、前にいる友達をよけたりもします。このように、まわりの様子を見ながら体を動かすことは、意外とむずかしいことです。

体の動かし方や、目と体を同時に使う感覚は、子どもによってちがいます。たとえば、急に止まるのが苦手で、友達とぶつかってしまう子もいます。ぶつかったり転んだりした経験が続くと、走ること自体が怖くなることもあります。

足が速くても、方向を変えるのは苦手、という子もいます。反対に、足はそれほど速くなくても、まわりをよく見て上手に逃げる子もいます。

急に動きを変える遊びは、「予想外の動き」が多いため、見通しを立てるのが好きな子には、緊張が続きやすい遊びでもあります。

鬼ごっこの得意・不得意は、「足の速さ」だけでは測れない、ということを、家庭でも伝えてあげたいですね。

止まる・曲がる動きは、「だるまさんがころんだ」や「ケンケンパ」のような遊びでも、楽しく慣れていくことができます。

鬼ごっこが苦手な子にとって負担になる、タッチの強さと体の接触

だれもいない公園の遊具
Photo by Joaquin Carfagna on Pexels

鬼ごっこでは、友達に体をさわられたり、さわったりします。この「タッチ」が苦手な子もいます。

背中をバシッとたたかれて、びっくりして泣いてしまう子や、人にさわられること自体が落ち着かない子もいます。タッチの強さの加減が難しくて、力が入りすぎてしまう子もいます。

また、たくさんの子が走り回っている場所は、人の声や足音、笑い声がまじり合って、とてもにぎやかです。にぎやかな場所が苦手な子には、それだけで疲れてしまうこともあります。

タッチの感覚は、とても個人差のあるところです。「ちょっとさわられただけで痛い」と感じる子もいれば、「強くたたかれても平気」な子もいます。苦手な理由を、「大げさだ」と受けとめず、まずは聞いてあげましょう。

ほのママ
ほのママ

うちの子、鬼ごっこより、ひとりでブランコに乗ってるほうが落ち着くみたいなの…。

ここわん
ここわん

それも立派な過ごし方わん。無理にみんなの輪に入れなくても、安心できる遊び方があることが大事なんだわん。

苦手な理由は一人ひとりちがいます。次の章では、家庭でできる工夫を見ていきましょう。

― 読みながら、ちょっと立ち止まって ―

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鬼ごっこが苦手な子と進める、家庭でできる遊びの工夫

鬼ごっこが苦手な子と始める、親子で楽しむ「二人鬼ごっこ」

公園で遊ぶ子どもたち
Photo by Jah Nomad on Pexels

いきなり大勢で遊ぶより、まずは親子の二人で始めてみましょう。人数が少なければ、ルールもシンプルで、気持ちも落ち着きます。

最初は、親が鬼になって、「ゆっくり追いかけるよ」と宣言します。わざと捕まらないふりをしたり、わざと捕まったりして、「追いかけられる楽しさ」を体験できるようにします。

慣れてきたら、子どもが鬼の役をやってみます。そのとき、親は「わー、にげろー!」と大げさに逃げると、子どもも笑顔になりやすくなります。

また、「追いかけっこ」だけを楽しむ、というところから始めてもかまいません。鬼や捕まる・捕まらないを気にしなくていいので、純粋に走る楽しさを味わえます。

鬼ごっこの前に、「ここまでがセーフの場所」「5数えたら交代」など、簡単なルールを事前に決めておくのもおすすめです。あらかじめ決めておくことで、安心して遊べます。

親子鬼ごっこのコツ

・最初は親がゆっくり追いかける
・「セーフの場所」を先に決めておく
・捕まったら、笑って「やられた〜!」と楽しい雰囲気に
・1回3〜5分くらいで切り上げる

短い時間で「楽しかった」と終われると、また遊びたい気持ちが育ちます。

鬼ごっこが苦手な子に合う、ルールをやさしくした遊び方

芝生の上を歩く子どもたち
Photo by Kampus Production on Pexels

ふつうの鬼ごっこがむずかしいときは、ルールをやさしくした遊びから試してみる方法もあります。

遊びやさしいポイント
高鬼高いところにいれば捕まらないので、安心して逃げられる
色鬼色をさわれば捕まらないので、走る速さより「見つける力」で楽しめる
手つなぎ鬼捕まったら手をつなぐので、仲間が増えて落ち込みにくい
だるまさんがころんだ動く・止まるを楽しめて、体のコントロールの練習にもなる

とくに、「捕まっても仲間が増えるだけ」という遊びは、負けた気持ちになりにくいと言われています。

また、遊ぶ場所を、広い公園だけでなく、家の庭や小さな広場にすることで、走る範囲が限られて安心できる子もいます。

ルールは、紙に絵や矢印で書いて見せると、わかりやすくなります。「鬼は赤い帽子」「セーフの場所は木の下」など、目で見てわかる工夫があると、安心して参加できます。

「タッチ」が苦手な子には、「手ではなく、ボールを当てたら交代」といった工夫も考えられます。体に直接さわらないルールにすると、取り組みやすくなります。

かけっこが苦手な子。理由と練習の工夫を解説
かけっこが苦手な子の理由と、家庭でできる練習の工夫をやさしく解説します。スタートの緊張、からだの使い方、順位への不安、見通しの伝え方まで整理。運動会に向けてお悩みの保護者の方へ、小さな一歩を大切にした無理のない進め方をまとめてお届けします。

鬼ごっこが苦手な子の気持ちを支える、事前の見通しとふり返りの声かけ

カラフルな遊び場で遊ぶ子どもたち
Photo by Antonius Ferret on Pexels

遊びに行く前に、「今日はどんな遊びをするのかな」「鬼になるのはどんなときかな」と、見通しを話しておくと、安心できる子もいます。

「鬼になったらどうしよう」と不安な子には、「鬼になったら、ゆっくり追いかけてもいいんだよ」「やりたくなかったら、『パス』って言ってもいいよ」と、逃げ道を伝えておきます。

遊んだあとは、結果ではなく、気持ちをふり返る時間をつくりましょう。「どんなところが楽しかった?」「ちょっと嫌だったことはあった?」と、やさしく聞いてみます。

遊びの前後に「見通し」と「ふり返り」があることで、子どもは「次も大丈夫そう」と感じやすくなります。こうした小さな安心の積み重ねが、いつか「やってみたい」につながっていきます。

ほのママ
ほのママ

「パスしてもいいよ」って伝えておけば、安心して行ってこれるかもしれないわね!

ここわん
ここわん

その通りわん!逃げ道があるだけで、気持ちがぐっと楽になるんだわん。

話したがらないときは、無理に聞き出さなくても大丈夫です。子どもが自分から話したくなるときを、待ってあげましょう。

鬼ごっこが苦手な子と向き合う、学校や園での友達関係への関わり方

鬼ごっこが苦手な子が悩みやすい、休み時間の過ごし方

校庭で集まる制服姿の子どもたちを上から見た様子
Photo by Mehmet Turgut Kirkgoz on Pexels

学校や園の休み時間は、鬼ごっこなどの集団遊びが盛り上がる時間です。苦手な子にとっては、「どこにいればいいのかわからない」時間になることもあります。

無理に輪に入ろうとして疲れてしまう子もいれば、ひとりで過ごす時間を選ぶ子もいます。ひとりで過ごすことが、「友達がいない」こととは限りません。

「休み時間は何をしてるの?」と聞いてみると、「図書室に行ってる」「ブランコしてる」「友達と話してる」など、意外な答えが返ってくることもあります。

休み時間の過ごし方は、年齢や季節、クラスの雰囲気によっても変わっていきます。いまの過ごし方が、ずっと続くとは限りません。

もし、「鬼ごっこをしたいけど、入れてって言えない」という気持ちがありそうなときは、入れてもらうときの言葉を一緒に練習してみましょう。「入れて」「いいよ」のやりとりを、家でまねしてみるのです。

並ぶのが苦手な子。理由と練習の工夫を解説
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集団に入る場面での悩みは、ほかの記事でも取り上げています。気になる方は、あわせてご覧ください。

休み時間のことを聞くとき、「友達と遊べてる?」と問いただすような聞き方は、子どもが責められたように感じることがあります。「今日は何して遊んだの?」くらいが、ちょうどよい距離感です。

鬼ごっこが苦手な子のことを、先生や友達に伝えるときのヒント

芝生の上で手をつなぐ子どもたちの輪
Photo by Weadd on Pexels

園や学校の先生には、「鬼ごっこが苦手で、少し緊張しやすいようです」と、やわらかく伝えておく方法があります。先生が、遊びのルールを紙に書いて見せてくれたり、小さなグループから始めてくれたりすることもあります。

伝え方のコツは、「困っている」よりも、「こんな工夫があると安心できそうです」と、具体的に伝えることです。

友達に対しては、子ども自身が「今日は見てるね」「ゆっくり走るね」と、自分の気持ちを伝える言葉を持っていると安心です。家で練習しておくのもよい方法です。

「気持ちを伝える言葉」を持つことは、鬼ごっこだけでなく、これから友達と関わっていくときの力にもなります。小さな練習から始めてみましょう。

ただし、無理に「言わなければ」と思う必要はありません。本人が負担に感じるようなら、まずは先生とのやりとりから始めてみましょう。

鬼ごっこだけが、友達との関わり方ではありません。絵を描く、話す、本を読む、一緒に歩くなど、子どもに合った関わり方が広がっていくといいですね。

まとめ:鬼ごっこが苦手な子と、ゆっくり進んでいくために

鬼ごっこが苦手な子の理由と工夫を、あらためて整理する

校庭のカラフルな走路を走る子どもたち
Photo by 2jdncpiw cskm on Pexels

鬼ごっこが苦手な理由は、追いかけられる緊張、ルールの変化、すばやい動き、体の接触、にぎやかな環境など、いくつもあります。苦手さの理由は、子どもによってちがうのです。

鬼ごっこが苦手でも、それは「その子の個性のひとつ」です。苦手な理由を知り、安心できる遊び方を一緒に探すことが、いちばんの近道です。

家庭では、親子の二人鬼ごっこから始めたり、ルールをやさしくしたり、「パス」という逃げ道を伝えたりすることで、少しずつ楽しめるようになることがあります。

この記事でお伝えしたことを、もう一度かんたんにふり返ります。

そして、何より大切なのは、「楽しめなくてもいい」という安心感です。無理に参加させるより、子どもが自分から「やってみたい」と思えるタイミングを待つほうが、うまくいくこともあります。

ほのママ
ほのママ

今日の帰り道、公園でふたりで鬼ごっこしてみようかな。ゆっくり、笑いながらね。

ここわん
ここわん

いいわん!ほのママと一緒なら、きっと安心して楽しめるんだわん。

一人で抱え込まず、鬼ごっこが苦手な子と一緒に進んでいく

芝生のグラウンドを歩く子どもたち
Photo by Kampus Production on Pexels

鬼ごっこが苦手でも、その子の良さは変わりません。ほかの場面で見せてくれる、やさしさや、集中力や、ユニークな発想を、ぜひ見つけてあげてください。

鬼ごっこが苦手な子を見守るあなたも、毎日、本当によくがんばっています。子どもの気持ちに寄りそおうとするその姿勢が、何よりの支えになっています。

「友達と遊べていないのかな」と心配になる日もあるかもしれません。そんなときも、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

今日できた小さなことを一緒に喜びながら、ゆっくり、その子のペースで進んでいきましょう。

アイキャッチ画像:Photo by Antonius Ferret on Pexels

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