お風呂を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説

お風呂を嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説 保育園・幼稚園
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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お風呂を嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい理由

こんにちは!おやまどの鈴木です。

お風呂を嫌がる子が感じている、服をぬぐところから始まる不安

白い浴槽と洗面台のある明るい浴室
Photo by Max Vakhtbovych on Pexels

「お風呂に入るよ」と声をかけると、「やだ!」と逃げてしまう。服をぬがせようとすると泣き出す。毎日のことだからこそ、お風呂を嫌がる子への対応に、頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、お風呂を嫌がる子がつまずきやすい理由と、家庭でできる工夫を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じたときのヒントになればうれしいです。

大人にとってお風呂は、一日の疲れをとる、ほっとする時間です。でも子どもにとっては、服をぬぐ、水にふれる、体を洗われる、髪を流されると、苦手な体験が次々とやってくる時間でもあります。

たとえば、よくある例として、脱衣所の寒さや、はだかになる心もとなさが気になる場面があります。浴室に入る前の段階で、すでに気持ちがこわばってしまう子もいるのです。

また、お風呂は「入る」「洗う」「流す」「出る」と、短い間に場面がどんどん変わります。次に何が起こるか分からないという不安が強い子にとっては、気が休まりにくい場所です。

さらに、遊びや動画の時間をやめて、お風呂に移らなくてはいけない切り替えの負担もあります。夢中になっているほど、「今はいや」という気持ちが強くなるのは自然なことです。

お風呂を嫌がるのは、「わがまま」「しつけ不足」ではありません。肌や水の感じ方、場面の切り替え、見通しのもちにくさなど、本人なりの理由があることが多いと言われています。まずは気持ちを受けとめるところから始めましょう。

ほのママ
ほのママ

わたし、てっきり「遊びたいだけ」だと思ってたの…。

ここわん
ここわん

それは違うわん! 見えない不安や、体の感覚がいやで、体が先に逃げているということもあるんだわん。理由を探してあげるわん。

お風呂を嫌がる子が戸惑いやすい、水やシャワーの感触と音のひびき

シャワーヘッドから流れる水
Photo by Pixabay on Pexels

お風呂を嫌がる子の中には、水やシャワーの感触に敏感な子がいます。ここは、理由が見つかりやすい部分です。

シャワーの水は、細かい水滴が肌に当たる、独特の刺激があります。大人には心地よい強さでも、子どもにはチクチクする、つめたく感じる、と思える場合があります。顔に水がかかるのをいやがる子も多くいます。

音もひとつのポイントです。浴室は音が反響するので、シャワーの音や水が流れる音が、実際より大きく聞こえます。大きな音が苦手な子にとっては、それだけで緊張してしまう場所です。

湯の温度も、大人と子どもで感じ方が違います。大人にちょうどよい温度が、子どもには熱く感じられることもあります。逆に、少しぬるいと「寒い」と感じて、すぐに出たがる子もいます。

気になりやすいものつまずきやすいポイント
シャワーの水水滴が肌に当たる刺激、顔にかかる怖さ
湯の音・反響水の流れる音が大きく聞こえて緊張する
湯の温度熱く感じる、または寒く感じる
湯気・におい息苦しさや、石けんのにおいが苦手

「お風呂がいや」に見えて、じつはシャワーだけ、あるいは顔に水がかかることだけが原因だった、ということもあります。いろいろな場面を分けて考えてみると、見つかることがあります。

子ども自身も、どこがいやなのか、うまく言葉にできないことが多くあります。「水が冷たい?」「音がこわい?」と、一緒に探していくつもりで聞いてみましょう。

たとえば、シャワーヘッドを手に持たせて、自分で水を出したり止めたりさせてみる方法があります。自分で動かせると分かると、怖さが少し薄れる子もいます。最初は壁に向かって出すだけでも、十分な一歩です。

お風呂を嫌がる子が抱えやすい、洗われる場面と「やりたくない」の理由

泡のそばに浮かぶ黄色いアヒルのおもちゃ
Photo by L Veit on Pexels

感覚だけでなく、洗われる場面や気持ちも、お風呂を嫌がる理由になります。ここでは、よくあるものを整理してみましょう。

まず、髪を洗うときの泡や水が目に入る不安です。一度でも目にしみた経験があると、「また入るかも」と身構えて、頭をぬらすこと自体をいやがる子もいます。

次に、体をタオルでこすられる感触です。ごしごし洗われるのが痛い、くすぐったいと感じる子もいます。洗い方の強さが合っていないだけ、ということもあります。

見通しが持ちにくい子は、「いつ終わるのか」が分からない不安もあります。おもちゃで遊んでいても、「そろそろ洗うよ」と言われた瞬間に気持ちが切り替わってしまうことがあります。

また、お風呂場で転んだり、すべったりした経験がある子は、浴室そのものを警戒することがあります。ぬれた床の感触が、足の裏に不安を与えている場合もあります。

家族の様子が影響することもあります。親が「今日こそ入れなきゃ」と身がまえていると、その緊張が子どもにも伝わります。逆に、親の声が明るくなるだけで、雰囲気がふっとゆるむ日もあります。うまくいかない日が続いたときは、親自身が少し肩の力をぬくことも大切です。

まずは様子を見るときのヒント

・服をぬぐ前から嫌がるか、浴室に入ってから嫌がるか
・シャワー、髪を洗う、体を洗うのうち、どの場面でいちばん嫌がるか
・湯の温度や、浴室の寒さに反応しているか
・家族のだれと入るときに、いちばん落ち着くか

ほのママ
ほのママ

いろんな理由があるんだね…。うちの子はどれなんだろう。

ここわん
ここわん

一つに決めなくて大丈夫だわん。「これかな?」と試しながら、少しずつ分かっていくわん。

お風呂を嫌がる子が、とくに困りやすい場面

お風呂を嫌がる子が戸惑う、脱衣所の寒さと湯上がりのバスタオル

くるくると巻かれたやわらかいバスタオル
Photo by Engin Akyurt on Pexels

お風呂を嫌がる子がいちばん困りやすいのは、入る前と出たあとです。じつは、お風呂の「中」よりも、前後のほうがつらい子もいます。

冬の脱衣所は、はだかになると一気に寒く感じます。服をぬいでから浴室に入るまでの短い時間が、子どもにとっては長く感じられることがあります。寒さが苦手な子は、ここでつまずきやすくなります。

湯上がりも同じです。ぬれた体をバスタオルでふかれる感触が苦手な子もいます。タオルのごわごわ感や、ふかれる強さがいやで、湯から出るのをしぶる場合があります。

場面つまずきやすいポイント
脱衣所はだかになる寒さ、心もとなさ
浴室に入るとき湯気・音・床のぬれた感触
湯から出るときもう終わってしまう寂しさ、寒さ
体をふくときタオルの手ざわり、ふかれる強さ

お風呂のあとにパジャマを着る時間も、見落としがちな場面です。体がぬれたままだと服が着づらく、湯冷めを気にして焦る親の声が、子どもの緊張をさらに高めてしまうこともあります。

たとえば、パジャマをあらかじめ脱衣所のあたたかい場所に用意しておく、バスタオルを広げて待っておく、といった工夫が考えられます。出てすぐに包まれる安心感があると、湯から出ることへの抵抗が少しずつ減っていきます。出たあとの心地よさを知っておくことは、次の入浴への気持ちにも影響します。

「早くしなさい」「風邪をひくよ」と急かす声かけは、気持ちをさらにこわばらせてしまうことがあります。まず「寒いね」と気持ちに寄りそうことから始めましょう。

髪を洗う場面については、こちらの記事でもくわしく取り上げています。

シャンプーを嫌がる子。理由と家庭での工夫を解説
シャンプーを嫌がる子の理由と、家庭でできる工夫を解説します。水がかかる怖さや泡の感触が苦手な気持ちを知り、ごっこ遊びや数える工夫、シャンプーや浴室の環境の整え方まで、やさしい言葉で順番に紹介しています。毎日のお風呂にお悩みの保護者の方へ。

お風呂を嫌がる子がつまずきやすい、いつもと違う浴室や家族以外の人とのとき

湯船の水にふれる手
Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels

お風呂を嫌がる子の中には、場所や相手が変わると、さらに嫌がる子がいます。ふだんと違うことが重なると、不安が大きくなるためです。

祖父母の家や、旅行先の宿、プールのシャワールームなどでは、浴室の広さ、明るさ、湯の出方がいつもと異なります。それだけで、「いつものお風呂」の安心感が消えてしまうことがあります。

一緒に入る人が変わるのも、大きな変化です。いつもはママと入っているのに、パパや祖父母と入ろうとして泣いてしまう、という場面は少なくありません。入り方の手順やペースが違うだけで、戸惑う子もいます。

たとえば、泊まりのときは、いつものシャンプーやおもちゃを持っていく、湯の温度を先に手で確かめさせてあげる、という工夫が考えられます。いつもの道具が手元にあるだけで、少し落ち着くことがあります。

「家ではできるのに」と思うと、親は不安になるかもしれません。でも、場面によって差が出るのは、とても自然なことです。少しずつ慣れていけば大丈夫です。

園や学校の宿泊行事などで、友達と一緒にお風呂に入る場面を心配する保護者の方もいます。そんなときは、先生に事前に家での様子や工夫を伝えておく方法があります。入る順番や時間帯を相談できることもあります。無理のない形で参加できるよう、前もって準備しておくと安心です。

ほのママ
ほのママ

家ではなんとか入れるのに、よそだとダメなの。やっぱり問題なのかな…。

ここわん
ここわん

大丈夫だわん。場所が変わると緊張するのは、子どもにはよくあることだわん。少しずつ慣れていけばいいわん。

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お風呂を嫌がる子に、家庭でできる工夫

お風呂を嫌がる子と、安心できる環境と流れを一緒に整えてみる

泡の中で浮かぶ黄色いアヒルのおもちゃ
Photo by Ylanite Koppens on Pexels

お風呂を嫌がる子への工夫として、まず試しやすいのが、環境を整えることです。苦手な刺激を少しでも減らすと、気持ちがラクになることがあります。

脱衣所と浴室は、入る前にあたためておく方法があります。暖房を入れる、湯を張ったときに少しふたを開けておく、などで、寒さの不安が和らぐことがあります。

シャワーは、いきなり体にかけず、まず手や足にかけて、水温と強さを子どもに確かめてもらいます。顔にかかるのが苦手な子には、頭は手で水をすくってゆっくり流す、というやり方もあります。

洗う順番を決めて、毎回同じ流れにすると、見通しが持てて安心しやすくなります。たとえば「足から洗う→体→最後に髪」のように、本人が受け入れやすい順に並べてみましょう。

お風呂の中で遊べるように、好きなおもちゃを持ちこむのも一つの方法です。遊びの時間を先に作ってから、洗う時間に移ると、気持ちの切り替えがしやすくなります。

合うやり方が見つかるまでには、時間がかかるかもしれません。一度でうまくいかなくても、「次はこれを試してみよう」くらいの気持ちで進めていきましょう。

湯をはる量も、見直してみたい点です。深いと怖く感じる子には、浅めにして座ってつかる形にすると、落ち着くことがあります。足元がすべりにくいマットを敷くと、足の裏の安心感が増す場合もあります。小さな変更を一つずつ試してみましょう。

お風呂を嫌がる子が安心しやすい、見通しと遊びを取り入れた進め方

白い背景に並んだ3羽のカラフルなアヒル
Photo by Angie Dutton on Pexels

次に、見通しを持たせる工夫です。「いつ始まって、いつ終わるのか」が分かるだけで、安心して取り組める子もいます。

砂時計やタイマーを使って、「この砂が落ちるまで」「歌が終わるまで」と区切る方法があります。終わりが見えると、がまんしやすくなります。浴室に防水のタイマーを持ちこんでいる方もいます。

絵や写真で、お風呂の流れを見せる方法もあります。「服をぬぐ→湯につかる→洗う→流す→出る」のように並べておくと、次に何が起こるか分かり、気持ちの準備ができます。

遊びを取り入れるのも、続けやすい工夫です。たとえば、おもちゃに「洗ってあげる」役をまかせてみたり、泡で字や絵をかいてみたりする方法があります。洗う時間が遊びの一部になると、苦手意識が薄れることがあります。

入れたら、カレンダーにシールを貼るなど、がんばりが目に見える仕組みを作る方法もあります。「今日は髪を洗えたね」と、小さな一歩を認めてあげるのがコツです。

ごほうびは、物よりも「一緒に絵本を読む」「好きな遊びを少しする」といった時間のほうが、続けやすいこともあります。お風呂のあとに楽しみがあると分かると、入ること自体の意味が子どもの中で変わっていくことがあります。

ほのママ
ほのママ

おもちゃで遊びながらなら、うちでもできそう!

ここわん
ここわん

その調子だわん! 子どもが好きなものを、お風呂の時間にちょっと混ぜてみるわん。

まとめ:お風呂を嫌がる子と、無理なく続けるために

お風呂を嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

木の棚に並んだポンプ式のボトル
Photo by Anna Tarazevich on Pexels

ここまで、お風呂を嫌がる子の理由と、家庭でできる工夫を見てきました。あらためて整理してみましょう。

お風呂を嫌がる理由には、脱衣所の寒さ、水やシャワーの感触、音のひびき、洗われる不安、見通しのもちにくさ、切り替えの難しさなど、さまざまなものがあります。一つとは限らず、重なっていることも多いと言われています。

工夫としては、脱衣所や浴室をあたためる、シャワーを段階的に試す、洗う順番を決める、タイマーや絵で見通しを持たせる、遊びを取り入れる、などがありました。どれも、少しずつ試して、合うものを見つけていくものです。

子どもによって、気になる部分はちがいます。たとえば、「シャワーがいや」な子もいれば、「髪を洗うのがいや」な子もいます。うちの子の場合はどこなのかを、少しずつ探っていくことが、近道になります。

また、お風呂が苦手な時期は、ずっと続くとは限りません。体の成長や、気持ちの成長にともなって、ある日ふっと平気になることもあります。いまの様子だけで判断せず、変化のきざしにも目を向けてみましょう。

気持ちを受けとめる、環境を整える、無理をさせない。この3つを意識するだけでも、毎日のお風呂が少しずつ楽になっていくことがあります。

ほのママ
ほのママ

そっか、「いやだね」って言いながら、一緒に探していけばいいんだね!

ここわん
ここわん

そのとおりだわん! 小さな「これならいいよ」を、いっしょに集めていくわん。

一人で抱え込まず、お風呂を嫌がる子と一緒に進んでいく

大きな窓から光が入る広い浴室
Photo by Curtis Adams on Pexels

毎日のお風呂がうまくいかないと、「このままで大丈夫かな」と不安になるかもしれません。でも、水や肌の感じ方、お風呂への慣れ方は、年齢や経験によって変わっていくと言われています。

いまはシャワーを見るのもいやでも、成長とともに、自分から入れるようになる子もいます。「ずっとこのまま」と決めつけなくて大丈夫です。そのときどきの気持ちに合わせて、柔軟に付き合っていくくらいが、ちょうどよいかもしれません。

少しでも湯につかれたら、「できたね」と一緒に喜んであげましょう。小さな「できた」の積み重ねが、子どもの自信にもつながっていきます。

毎日入れない日があっても、体をふくだけで済ませる日があっても、責める必要はありません。無理のない範囲で、ゆったりと続けていきましょう。

うまくいかなかった日も、「今日はお休みの日」と割りきってしまって大丈夫です。翌日にまた、ゆったりした気持ちでやり直せば、それで十分です。親が笑顔でいられる時間を守ることも、子どもにとっては大切な安心材料になります。

幼い子のお風呂の悩みについては、こちらの記事も参考になります。

2歳・3歳がお風呂を急に嫌がる理由。イヤイヤ期で拒否の対処法は?
2歳・3歳がお風呂を急に嫌がる理由を解説。イヤイヤ期のお風呂拒否、遊びの切り替え、眠さ、感覚過敏、水やシャンプーへの不安、体調不良の見分け方から、家庭でできる声かけ・環境調整・相談目安まで具体的に紹介します。

園の先生や、まわりの保護者の方と、お風呂の工夫を分かち合うだけでも、気持ちが軽くなることがあります。一人で抱え込まず、まわりの力も借りながら進めていきましょう。

お風呂を嫌がる子のペースを大切にしながら、ゆっくり、できるところから進めていきましょうね。

アイキャッチ画像:Photo by Pătrașcu Bianca on Pexels

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