手袋を嫌がる子の気持ちと、つまずきやすい理由
こんにちは!おやまどの鈴木です。
手袋を嫌がる子が感じている、指先のしめつけと動かしにくさ

朝晩の空気がひんやりしてきて、そろそろ手袋の出番ですよね。ところが、いざはめさせようとすると、手袋を嫌がる子が手をぎゅっと握って、そっぽを向いてしまう。そんな様子に、困っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、手袋を嫌がる子がつまずきやすい理由と、家庭でできる工夫を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じたときの、ヒントになればうれしいです。
ものごとの感じ方には個人差があります。同じ手袋でも、まったく気にならない子もいれば、はめた瞬間に「いやだ」と感じる子もいます。どちらが良い悪いではなく、その子の感じ方がそうなっているというだけのことです。そう考えると、親の気持ちも少し落ち着いてきます。
まず知っておきたいのは、手袋を嫌がる子にとって、手袋は「ただ暖かいもの」ではないということです。手は、ものをつかんだり、さわって確かめたりする、とても大事な場所です。そこを布でおおわれると、いつもの感覚が急に変わってしまうように感じる子もいます。
たとえば、指の先が少し余ったり、反対に指がきつく押されたりすると、指の動かしにくさがはっきり伝わります。おもちゃをつかむ、クレヨンをにぎる、ボタンをさわる。そんな「いつもできること」がやりにくくなるので、「手袋はいやだ」という気持ちにつながりやすくなります。

わたし、てっきり「寒くないから、いらないだけ」だと思ってたの…。

それは違うわん! 手は感覚がとても細かい場所だから、布でおおわれるだけで、ぜんぜん違って感じる子もいるんだわん。
手袋を嫌がるようすが見られたときは、「どうしてかな」と、まず理由を探すつもりで見てあげると、気持ちが楽になります。
手袋を嫌がる子がいやがりやすい、毛糸のちくちく感と肌ざわり

手袋を嫌がる子の理由として、よく挙がるのが、素材の肌ざわりです。毛糸の手袋は、見た目はやわらかそうでも、手首や指のあいだの細かい繊維が、ちくちくと感じられることがあります。
大人にはほとんど気にならない刺激でも、子どもは肌がうすく、感じ方も敏感なことがあります。「ずっとちくちくするのがいや」という気持ちが、手袋を投げてしまう行動につながることもあります。
ちくちくが気になる子は、手袋だけでなく、セーターの首まわりやタイツのゴムなど、ほかの服にも同じような反応を見せることがあります。もし思い当たる場面があれば、「肌ざわりに敏感なのかもしれない」と頭の片すみに置いておくと、服選び全体が楽になります。
内側の縫い目も、見落としやすいポイントです。指先の縫い目が、ちょうど指のはらにあたると、小さな段差が気になって、集中できなくなる場合があります。
また、汗のかきやすさも関係します。手袋の中は、あたたかいぶん、湿気がこもりやすくなります。手がじっとり湿って、貼りつくような感じが続くと、「早くはずしたい」と思う子もいます。
気になる感覚は、うまく言葉にできないこともあります。「いや」「いたい」「へん」などの短い言葉に、肌ざわりへの不快感がまじっていることもあるので、手袋の内側を一緒にさわって、感想を聞いてみるのもひとつの方法です。
手袋を嫌がる子が戸惑う、はめるときの手間と外れやすさ

手袋は、じつは「はめる」までに、案外むずかしい手順があります。親指を別の穴に通して、ほかの4本の指をそろえて入れる。指先まで押し込んで、手首のところを整える。小さな子には、かなり手間のかかる作業です。
うまく入らないと、手袋の中で指がバラバラになり、「うまくいかない」というイライラがたまります。はめるのに時間がかかること自体が、いやな気持ちの元になる子もいます。
はめやすさを高めるには、手首のゴムがゆるめで、口が広く開くタイプが向いていると言われています。親が手袋の口を広げて持ち、子どもが自分で手を差し入れる形にすると、「自分でできた」という気持ちも育ちます。ほんの少しの手助けで、手袋の印象は大きく変わります。
さらに、せっかくはめても、ぶかぶかですぐに外れてしまうと、落としたり、片方なくしたりすることも増えます。手袋が外れるたびに注意されると、手袋そのものが「叱られるきっかけ」になってしまうこともあります。
たとえば、よくある例として、手袋をはめるたびに「ちゃんと入れて」と何度も言われて、手袋を見るだけで身構えてしまう、という場面があります。そうなると、素材や形に関係なく、手袋を嫌がる子の気持ちが強くなっていきます。

わたし、手袋をはめるたびに「ほら早く!」って言っちゃってたかも…。

気づけたなら大丈夫わん。急がせないだけで、手袋の印象は少しずつ変わっていくんだわん。
手袋を嫌がる子が、とくに困りやすい場面
手袋を嫌がる子が戸惑う、登園・登校前の朝の支度

手袋を嫌がる子の悩みが、いちばん出やすいのは、朝の支度の時間です。出かける前は、上着、帽子、くつ、かばんなど、やることがたくさんあります。そこに手袋がくわわると、時間がどんどん足りなくなります。
親も時計が気になって、つい声が強くなりがちです。子どもも「いやだ」の気持ちが強くなり、手袋をめぐって、朝からやりとりが長引くことがあります。
前の日の夜に、「あしたの朝は、この手袋をはめるよ」と、見通しを伝えておく方法もあります。急に言われるより、前もって心の準備ができるほうが、安心して受け入れやすい子もいます。絵や写真で、朝の流れを見せてあげるのもひとつの方法です。
このとき、手袋をはめる時間を、朝の支度の流れに最初から入れておくと、少し気持ちに余裕が生まれます。たとえば、前の日に玄関で手袋を用意しておく、家の中で先にはめてみる、といった工夫です。
また、「手袋をしなくても出かける」という選択肢を用意しておくのも、ひとつの方法です。ポケットに入れて持っていき、「寒くなったら使おうね」と声をかければ、朝のやりとりが短くなることもあります。
同じように、朝の支度で服が気になる子の悩みは、こちらの記事でも取り上げています。

手袋を嫌がる子がつまずきやすい、外遊びや体育で道具を使うとき

外遊びの場面では、手袋が「あるとじゃま」と感じられることもあります。ブランコの鎖をにぎる、砂をさわる、虫を拾う。手袋をしたままだと、いつもの感触と違って、遊びにくくなります。
体育や、道具を使う活動でも同じです。縄、ボール、鉄棒など、手の感覚を頼りにするものは、手袋があると勝手が変わります。そのため、手袋をはめると、「遊びにくい」「うまくできない」というイメージにつながることがあります。
寒さの感じ方にも、個人差があります。動いているあいだは体があたたまり、手袋がなくても平気、という子もいます。大人が寒いと感じる気温でも、本人にとっては「ちょうどいい」ことがあるので、手の温かさを、親子で一緒にさわって確かめてみると、納得しやすくなります。
園や学校では、手袋のルールが決まっている場合もあります。「寒いから、つけたほうがいい」という指導を受けても、本人の中で気持ちが追いつかず、迷ってしまう子もいます。
たとえば、先生から「手袋をしましょうね」と声をかけられて、表面ではしぶしぶはめるものの、気づくとはずしてしまっている、ということもあります。そんなときは、「しなさい」と繰り返すより、どんな場面でなら使えそうかを一緒に考えるほうが、うまく進むことがあります。
滑り止めのついた手袋や、指先が出るタイプなど、場面に合わせて選べるようにしておくと、本人も納得しやすくなります。

外に出ると、つい「寒いのに!」って心配になっちゃうのよね…。

寒さが気になるのは、親の大事な気持ちわん。でも、遊びにくさを減らす工夫から始めるのも、ひとつの手なんだわん!
手袋を嫌がる子に、家庭でできる工夫
手袋を嫌がる子と、素材と形を選びなおしてみる

手袋を嫌がる子には、いまの手袋の素材や形が合っていないだけ、ということも考えられます。そこで、無理に慣らそうとする前に、選びなおしてみるのも、ひとつの工夫です。
素材は、内側がなめらかなものを優先してみましょう。表は毛糸でも、内側にやわらかい布がついたものや、薄手のフリース素材などは、ちくちく感が出にくいと言われています。
手袋以外の防寒を、組み合わせて考えるのもおすすめです。たとえば、あたたかい上着のそでをしっかり手首まで伸ばす、手首を守るリストウォーマーを使う、ポケットのある服を選ぶなど、手袋にこだわらない方法もあります。手袋ひとつにこだわりすぎないことも、大切な工夫です。
形は、指が分かれたタイプのほかに、親指だけが分かれたミトンタイプもあります。小さな子には、ミトンのほうが、はめやすく、指が窮屈にならないこともあります。反対に、指をよく使いたい子には、指先の動かしやすさを優先した薄手のタイプが合うこともあります。
サイズも大切です。大きすぎると外れ、小さすぎると指が押されます。試着のときは、指先に少し余裕があり、手首が止まるくらいを目安にするとよいでしょう。
そして、選ぶときに本人を巻き込むのもおすすめです。「どれがいいかな」と、いくつか並べて、さわり心地を選んでもらうと、自分で選んだ手袋という気持ちが育ちます。
手袋を嫌がる子が慣れやすい、少しずつ試す進め方

手袋に慣れるには、いきなり長い時間はめるより、短い時間から始めるのが近道になることが多いです。「少しだけ試す」くらいの気持ちで、ゆっくり進めてみましょう。
たとえば、最初は家の中で、1分だけはめてみる。うまくいったら、少しずつ時間をのばす。慣れてきたら、玄関まで、庭先まで、と場所を広げていきます。「できた」を小さく積み重ねることが、大きな安心につながります。
兄弟姉妹やお友達が手袋をはめている姿を見て、自然とまねしたくなる子もいます。無理に見せるのではなく、親自身が楽しそうに手袋をはめる姿を見せるだけでも、「手袋って、いやなものじゃないのかも」と感じてもらえることがあります。
お気に入りのキャラクターの手袋を選んだり、手袋にぬいぐるみの手をはめてあそんだりするのも、ひとつの手です。「手袋=いやなもの」から、「手袋=楽しいもの」へ、印象を少しずつ変えていけるかもしれません。
はめられたときは、「できたね」「あったかいね」と、短い言葉で伝えてあげましょう。結果より、試してみた気持ちを認めることが、次の一歩につながります。
反対に、はめられなかった日は、「今日はお休みにしようね」と、さらりと切りあげて大丈夫です。気持ちが落ち着いた日に、またやり直せば、それで十分です。

最初から長くはめさせなくていいのね。それなら、うちでもできそう!

その調子わん! 小さな「できた」を、一緒に喜んであげるんだわん。
まとめ:手袋を嫌がる子と、無理なく冬を迎えるために
手袋を嫌がる子の理由と工夫を、あらためて整理する

ここまで、手袋を嫌がる子の理由と、家庭でできる工夫をお伝えしてきました。あらためて、ポイントを整理してみます。
手袋を嫌がる理由には、指先の感覚、毛糸のちくちく感、はめる手間や外れやすさなど、いくつかの要素があります。どれか一つではなく、重なっていることも多いと言われています。
大切なのは、「手袋をはめられるようになること」そのものではなく、寒い季節を、親子で機嫌よく過ごせることです。手袋に代わる方法があるなら、それを選んでもかまいません。ゴールを少し広げて考えてみると、毎日の気持ちがぐっと楽になります。
場面では、朝の支度や、外遊び・体育など、手を使うときに困りやすくなります。いきなり「はめなさい」と言うより、持っていく、場面を選ぶ、といった柔らかい進め方が合う子もいます。
家庭の工夫としては、内側がなめらかで、サイズが合う手袋を選ぶこと、短い時間から少しずつ慣らすこと、本人と一緒に選ぶことなどが挙げられます。
寒さが気になるときは、手袋だけに頼らず、袖口の長い上着や、ポケットのある服など、手を守る別の方法を組み合わせるのも、ひとつの考え方です。
服の感覚が気になる子の悩みは、こちらの記事でも取り上げています。

一人で抱え込まず、手袋を嫌がる子と一緒に進んでいく

手袋をめぐるやりとりが続くと、「このままで大丈夫かな」と、不安になるかもしれません。でも、手の感覚や、道具への慣れ方は、成長とともに変わっていくと言われています。
去年はいやがった手袋を、今年は自分から手に取る、ということもあります。「ずっとこのまま」と決めつけなくて大丈夫です。そのときの気持ちに合わせて、柔軟に付き合っていくくらいが、ちょうどよいかもしれません。
冬の寒さが本格的になる前に、親子で手袋を選びに出かける時間を、ゆったり楽しむのもいいですね。「これはどう?」「どんな感じ?」と、おしゃべりしながら選ぶ時間は、それだけで、手袋への気持ちをやわらげてくれるかもしれません。
うまくいかない日があっても、大丈夫です。寒い日に手袋を嫌がる姿を見て、心配になるのは、子どものことを大切に思っているからです。
まわりの保護者の方や、園・学校の先生と、「うちでは、こんな手袋が合っていました」と情報を分かち合うだけでも、気持ちが軽くなることがあります。一人で抱え込まず、まわりの力も借りながら進めていきましょう。

手袋のことで、こんなに考えることがあるなんて、びっくりだったな〜。

知ることで、気持ちが少し楽になるわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
冬の服やこだわりについては、こちらの記事も参考になります。

手袋を嫌がる子のペースを大切にしながら、ゆっくり、できるところから進めていきましょうね。
アイキャッチ画像:Photo by Yan Krukau on Pexels



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