「この服、着たくない!」
せっかく用意したハロウィンの衣装を前に、子どもが泣き出してしまう。
10月が近づくと、園や地域でハロウィンの行事が増えてきます。
まわりの子が楽しそうに仮装しているのに、うちの子だけ仮装を嫌がる。そんな姿に、どうしたらいいのか分からなくなる方も多いのではないでしょうか。
「せっかく準備したのに」「写真を撮りたかったのに」と、親のほうががっかりしてしまうこともありますよね。
その気持ちも、とても自然なものです。
この記事では、ハロウィンの仮装を嫌がる理由と、無理をさせずに楽しむ工夫、そして園の行事で嫌がったときの考え方をまとめました。
仮装をしなくても、ハロウィンを楽しむ方法はたくさんあります。
親子で笑って過ごせる10月にするためのヒントとして、読んでみてください。
この記事でわかること
・ハロウィンの仮装を嫌がる、よくある理由
・着る以外の参加のしかたと、家での試し方
・園のハロウィン行事の前に、先生に伝えておきたいこと
・着られなかった日の声かけ
ハロウィンの仮装を嫌がるのはなぜ?
こんにちは!おやまどの鈴木です。
ハロウィンの仮装を嫌がる子どもは、決してめずらしくありません。
大人から見ると「かわいい衣装を着るだけ」でも、子どもにとってはいくつものハードルがあるのです。
「恥ずかしがり屋だから」「わがままだから」とひとまとめにしてしまうと、本当の理由が見えにくくなります。
嫌がる理由が分かると、無理のない楽しみ方も見つけやすくなります。
ここでは、よくある理由を2つに分けて見ていきましょう。
衣装のチクチク・締めつけがつらい

ハロウィンの衣装には、ふだんの服では使わない素材がたくさん使われています。
ふわふわのチュール、ごわごわしたフェルト、光るビニールのような生地。見た目は華やかでも、肌ざわりはかなり独特です。
肌ざわりに敏感な子にとって、こうした素材は「チクチクする」「かゆい」「なんだか気持ち悪い」と感じられることがあります。
大人が少し気になる程度のものでも、子どもには我慢できないほどの不快さになっている場合があるのです。
また、衣装はふだんの服より体にぴったりしていたり、首や手首をきゅっとしめるゴムがついていたりします。
かぶりもの、帽子、カチューシャなど、頭にのせる小物が苦手な子もいます。
さらに、顔にペイントをしたり、マスクをつけたりするのが苦手な子も少なくありません。
顔に何かがついている感覚が気になって、それだけで落ち着かなくなることがあります。
「着てみたらかわいいのに」と思っても、本人にとっては「着ている間ずっと気になる」状態なのかもしれません。
そう考えると、嫌がるのは当然の反応とも言えます。
もし、ふだんから服のタグや縫い目を気にする、靴下のはき心地にこだわるといった様子があるなら、衣装の肌ざわりが理由になっている可能性を考えてみてもよいでしょう。
衣装の内側に、やわらかい肌着を1枚着てから重ねると、チクチク感がやわらぐこともあります。
ゴムがきつい部分は、少しゆるめてあげるだけで着られるようになる場合もあります。

わたし、てっきり「恥ずかしいのかな」って思ってた…。衣装の生地がつらいなんて、考えたこともなかったよ〜。

肌ざわりの感じ方は、人によって本当にちがうんだわん!「どこがイヤ?」って一緒に探すと、意外な理由が見つかることもあるわん。
肌ざわりや音などの感覚の敏感さについては、こちらの記事でもくわしく取り上げています。

「いつもと違う自分」や人混みに戸惑う

仮装をするということは、いつもの自分とはちがう姿になるということです。
鏡に映った自分を見て、「自分じゃないみたい」と不安になる子もいます。
小さな子どもにとって、見た目が変わることは思っている以上に大きな出来事です。
おばけや魔女などの衣装では、「こわいものになってしまった」と感じてしまうこともあります。
まわりの人が仮装している姿がこわい、という子もいます。
いつものお友だちや先生が、見たことのない姿になっていると、それだけで落ち着かなくなるのです。
また、ハロウィンのイベントは人が多く、にぎやかになりがちです。
音楽や歓声、たくさんの人の動きなど、刺激が重なる場所が苦手な子にとっては、それだけで疲れてしまいます。
「みんなが見ている前で仮装する」こと自体が、注目されるのが苦手な子には大きな負担になる場合もあります。
写真を撮られることが苦手な子もいます。
こうした気持ちは、言葉でうまく説明できないことがほとんどです。
だからこそ、「着たくない」「行きたくない」という短い言葉にまとめて出てくるのかもしれません。
理由を無理に聞き出そうとせず、「どれがイヤ?」と選べる形でたずねてみると、うなずきや指さしで教えてくれることがあります。
仮装を嫌がる子と、ハロウィンを楽しむ工夫
理由が見えてきたら、次は楽しみ方の工夫です。
大切なのは、「仮装させること」ではなく、子どもがハロウィンを楽しいと感じられることです。
ここでは、家でできる工夫を2つ紹介します。
「着る」以外の参加のしかたを用意する

ハロウィンの楽しみ方は、全身の仮装だけではありません。
「着る」以外にも、参加のしかたはたくさんあります。
たとえば、かぼちゃのバケツを持つだけ、ハロウィンの絵がついたバッグを持つだけ、というのもひとつの参加です。
体に身につけなくても、手に持つものなら平気という子もいます。
ふだん着ている服に、ハロウィンの色をひとつ取り入れるのもおすすめです。
オレンジのTシャツ、黒い帽子、かぼちゃのシールなど、いつもの服の延長なら受け入れやすくなることがあります。
お気に入りの服にワッペンを一つつけるだけでも、立派なハロウィンらしさになります。
着なれた服なら、肌ざわりの心配もありません。
「仮装する人」ではなく、「お菓子を配る係」「写真を撮る係」など、役割で参加する方法もあります。
やることがはっきりしていると、にぎやかな場でも落ち着いて過ごしやすくなる子もいます。
選択肢をいくつか用意して、「どれがいい?」と子どもに選んでもらうのもよいでしょう。
自分で選んだことなら、気持ちよく参加できる可能性が高まります。
大切なのは、どの参加のしかたにも「上」も「下」もないということです。
バケツを持つだけの参加も、全身で仮装する参加も、その子にとってのハロウィンの楽しみ方です。
| 参加のしかた | こんな子に向いている |
|---|---|
| かぼちゃのバケツやバッグを持つだけ | 服を着るのが苦手な子 |
| いつもの服にハロウィンの色やワッペンを足す | 肌ざわりに敏感な子 |
| 帽子やカチューシャなど小物だけつける | 全身の衣装は重く感じる子 |
| お菓子を配る係・写真を撮る係になる | 注目されるのが苦手な子 |
本番の前に、家で少しずつ試してみる

衣装や小物を使ってみたいときは、いきなり本番で着るのではなく、家で少しずつ試してみるのがおすすめです。
まずは、衣装を見たりさわったりするところから始めます。
「これ、ふわふわしてるね」「ここ、ちょっとチクチクするかな」と、一緒に感触を確かめてみましょう。
さわるのが平気そうなら、次はほんの少しだけ身につけてみます。
帽子だけ、マントだけ、と部分的に試すと、負担が小さくてすみます。
大人が先に着てみせるのもひとつの方法です。
ママやパパが楽しそうにかぶりものをかぶっていると、「なんだか楽しそう」と興味を持つ子もいます。
ぬいぐるみに衣装を着せて遊ぶ、というのもよいでしょう。
自分が着る前に、ぬいぐるみで「こんなふうになるんだね」と確かめられると、見通しが持ちやすくなります。
ためしてみて「やっぱりイヤ」となったら、その日はそこでおしまいにして大丈夫です。
「さわれたね」「ちょっとだけかぶれたね」と、できたところを言葉にして終わるのがコツです。
衣装を選ぶ段階から、子どもと一緒に決めるのもおすすめです。
生地をさわって確かめたり、好きな色やキャラクターを選んだりすると、自分の衣装だという気持ちが生まれやすくなります。

え、そうだったの〜!?わたし、当日の朝に「はい、これ着て!」って渡してた…。練習するものだったんだ!

気づけたのがすごいわん!数日前から少しずつ慣れておくと、当日の「イヤ!」がぐっと減ることもあるわん。
園のハロウィン行事で仮装を嫌がるときは
家では工夫できても、園の行事となると、親がその場にいないことも多いですよね。
ここでは、園の行事の前後にできることを紹介します。
先生に、前もって伝えておくこと

園でハロウィンの行事がある場合は、事前に先生に様子を伝えておくと安心です。
「衣装の生地が苦手なようです」「かぶりものを嫌がります」など、家で気づいたことをひとこと伝えておきましょう。
先生も、当日の声かけや対応を考えやすくなります。
伝えるときは、「こうしてください」とお願いするより、「こういうことが苦手なようです」と様子を伝える形のほうが、先生と一緒に考えやすくなります。
園によっては、帽子だけで参加する、見学するなど、柔軟に対応してくれるところもあります。
衣装を持っていく場合は、家で試したことや、着られたところまでを伝えておくのもよいでしょう。
「帽子までは大丈夫でした」と分かっていれば、先生も無理のない範囲で声をかけられます。
当日の朝も、「今日は帽子だけでいいからね」と子どもに伝えておくと、安心して登園できることがあります。
ゴールがはっきりしていると、子どもも気持ちの準備がしやすくなります。
みんなと同じ動きをするのが苦手な場合については、こちらの記事でもまとめています。

当日「着られなかった」ときの声かけ

準備をしていても、当日になって「やっぱり着られなかった」ということはあります。
そんなとき、お迎えのときにどんな言葉をかけるかは、とても大切です。
「どうして着なかったの?」と聞きたくなる気持ちはよく分かります。
でも、子ども自身も、着られなかったことを気にしているかもしれません。
まずは、「今日はハロウィンだったね」「どんなことがあった?」と、行事そのものの話から聞いてみましょう。
お菓子をもらった、友だちの衣装を見た、など、楽しかったことが出てくるかもしれません。
仮装できなくても、その場にいられたこと、みんなと一緒に過ごせたことは、それだけで十分な参加です。
「最後までいられたね」「お友だちの衣装、見られたね」と、できたことに目を向けて声をかけてあげてください。
家に帰ってから、もう一度ハロウィンを楽しむ時間をつくるのもおすすめです。
かぼちゃの形のお菓子を一緒に食べる、ハロウィンの絵本を読むなど、家ならではの楽しみ方があります。
行事のあとは、思っている以上に疲れていることもあります。
その日は早めにお風呂に入って、ゆっくり休める時間をつくってあげてください。

…正直、ほかの子の仮装写真を見ると、ちょっとうらやましくなっちゃうの。わたし、心がせまいのかな…。

そう思うのは、わが子の楽しい姿を見たいからだわん。ちっとも心がせまくなんかないわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
まとめ:仮装を嫌がる子とも、ハロウィンは楽しめる
最後に、いちばんお伝えしたいことを書きます。
仮装しなくても、ハロウィンは楽しめる

ハロウィンの楽しみ方は、仮装だけではありません。
かぼちゃを飾る、お菓子を作る、ハロウィンの絵をかく、絵本を読む。家族でできることは、たくさんあります。
たとえば、かぼちゃにペンで顔をかいて飾るだけでも、立派なハロウィンの準備です。
子どもが自分でかいた顔のかぼちゃは、仮装の写真とはまたちがった、すてきな思い出になります。
夜に部屋を少し暗くして、かぼちゃのライトをつけるだけでも、いつもとちがう特別な雰囲気が楽しめます。
にぎやかな場所が苦手な子でも、家なら安心してハロウィン気分を味わえます。
「仮装しなきゃハロウィンじゃない」という決まりはありません。
その子に合った楽しみ方を見つけられれば、それが家族にとってのハロウィンです。
毎年少しずつ、わが家らしいハロウィンの過ごし方ができていくと、子どもにとっても秋の楽しみな行事になっていきます。

よーし!今年はかぼちゃに顔をかくところから始めてみる!わたしのほうが張り切っちゃいそう!

ママが楽しそうだと、子どももつられて楽しくなるんだわん!すてきなハロウィンになりそうだわん!
「嫌だ」と言えたことを大切にする

仮装を嫌がる姿を見ると、「このままで大丈夫かな」と心配になることもありますよね。
でも、「嫌だ」と言えるのは、自分の感じていることをちゃんと外に出せているということです。
気持ち悪い、こわい、恥ずかしい。その気持ちを伝えてくれたこと自体が、大切な一歩です。
気持ちを受け止めてもらえた経験は、子どもにとって大きな安心になります。
「嫌だって言っても大丈夫なんだ」と感じられることは、これから先、困ったことがあったときに助けを求める力にもつながっていきます。
今年は仮装できなくても、来年は小物だけつけられるかもしれません。
成長とともに、楽しめることは少しずつ増えていくと言われています。
そして、嫌がる子を前に悩みながら、どう楽しませようかと考えている親御さん自身も、十分がんばっています。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。
気持ちの切り替えそのものが苦手な場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

この記事のチェックポイント
・仮装を嫌がる理由は、肌ざわり・見た目の変化・人混みなどさまざま
・バケツを持つだけ、小物だけなど「着る」以外の参加のしかたもある
・本番の前に、家で見る・さわる・一部だけ着るを試してみる
・園の行事の前には、先生に様子を伝えておく
・着られなかった日は、できたことに目を向けて声をかける
アイキャッチ画像:Photo by https://kaboompics.com/ on Pexels



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