こども誰でも通園制度とは?令和8年度から全国で始まった新しい仕組み
こんにちは!おやまどの鈴木です。
「保育園に通っていない0〜2歳の子が、月に少しだけ、園で過ごせる仕組みがあるらしい」。そんな話を、ニュースや自治体のお知らせで目にした方もいるかもしれません。それが、こども誰でも通園制度です。
「集団の中で、うちの子はやっていけるのかな」「まだ園に預けるのは早いかな」と、迷いながら調べている保護者の方も多いと思います。この記事では、こども家庭庁のホームページと、国の手引(令和8年3月改訂版)を実際に開いて確認できた内容を中心に、こども誰でも通園制度の基本と、親が今できることを整理しました。
こども誰でも通園制度は、2026年度から全国の自治体で実施されている

こども家庭庁のページには、「2026年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体において実施されます」と書かれています。令和7年度(2025年度)は一部の市町村での実施でしたが、令和8年度(2026年度)から、全国どの自治体でも共通で実施する形に変わりました。
手引には、この制度を子ども・子育て支援法に「乳児等のための支援給付」として定めたこと(令和8年4月1日施行)が書かれています。あわせて、児童福祉法では「乳児等通園支援事業」として定められています。名前が少し堅いのですが、一般には「こども誰でも通園制度」と呼ばれています。
手引によると、0〜2歳児の約6割が未就園児です。そうしたお子さんを育てる家庭には、孤立した育児の中で不安や悩みを抱えている保護者がいるため、その支援を強めることが、制度のねらいのひとつとされています。
つまり、「保育園に入れなかった家庭のための制度」というよりも、働いているかどうかにかかわらず、すべての子育て家庭が使える仕組みとして作られた、ということです。
手引には、認定の申請をしている人としていない人、認定を受けたうえでどのくらい利用しているかを、自治体が把握できるとも書かれています。この仕組みを通じて、支援が必要な家庭やお子さんの把握にもつなげていく、という考え方です。親としては、「自治体とのつながりができる入り口のひとつ」と受けとめておくと、気持ちが少し楽になるかもしれません。
こども誰でも通園制度の対象は、保育所等に通っていない0歳6か月〜満3歳未満

対象になるのは、0歳6か月から満3歳未満で、保育所等に通っていないお子さんです。手引では、満3歳未満とは「3歳の誕生日の前々日まで」のことと説明されています。
また、認可外保育施設に通っている0歳6か月から満3歳未満のお子さんは対象になる一方、企業主導型保育施設に通っているお子さんは対象外とされています。保護者の就労の有無は問われません。
なお、手引には、リトミック教室や英語教室、スイミングスクールなどの習い事に似た内容で、早期教育の場のように提供することは適切ではない、とも書かれています。この制度は、お子さんが家庭とは違う経験をして、安心できる大人に見守られながら過ごすための時間、という位置づけです。何かを身につけさせるための場所ではありません。
利用するには、お住まいの市町村から「乳児等支援給付認定」を受ける必要があります。認定を行うのは、保護者の居住地の市町村です。申請の方法は、市町村の窓口やマイナポータルなど、各市町村が指定する方法で行うと、手引に書かれています。
こども誰でも通園制度の月10時間は、市町村によって違うことがある

利用できる時間は、月一定時間(10時間)までとされています。時間単位で、柔軟に使える点が特徴です。ただし、手引には、令和8・9年度は経過措置として、月10時間での実施が難しい市町村が、条例で3時間から10時間未満の範囲で利用可能時間を決められると書かれています。
また、市町村の判断で、月10時間を超えて実施する場合もあります。つまり、「月10時間」はあくまで国の給付の上限の目安で、実際の時間はお住まいの市町村の案内で確認することになります。
利用料については、手引に「1時間当たり300円程度を標準」とされています。実際の金額は、事業者が経済的な負担への配慮を踏まえて決めるため、施設や自治体によって違うことがあります。

月10時間って、どのくらいなのかしら。うちの市は、何時間なんだろう…わたし、てっきり全国で同じだと思ってたの。

そこは注意が必要だわん!国の目安は10時間でも、市町村によって違うことがあるんだわん。お住まいの市町村のお知らせを見てみるといいわん。
こども誰でも通園制度の利用の流れと、申込の前に知っておきたいこと
こども誰でも通園制度の認定から利用まで、つうえんポータルで進める流れ

手引には、利用の流れが書かれています。原則として、「こども誰でも通園制度総合支援システム(つうえんポータル)」を活用します。流れをかんたんにまとめると、次のとおりです。
まず、利用者が市町村の窓口やマイナポータルなどで、乳児等支援給付認定を申請します。市町村が審査して認定すると、利用者にメールでログインIDが届き、ポータルで認定証を確認できるようになります。認定証を郵送でもらう手間は、不要とされています。
次に、ポータルにお子さんの情報(アレルギー情報など、施設を使うのに必要なもの)を登録します。そして、ポータル上で施設を探して選び、事前面談を申し込みます。施設が面談日を確定させる、という順番です。
申請の窓口や使える方法は、市町村ごとに違います。まずは、お住まいの市町村のホームページで「こども誰でも通園制度」を探してみてください。国のポータルサイトは、こども誰でも通園制度総合支援ポータルサイト(https://www.daretsu.cfa.go.jp/)です。
こども誰でも通園制度の事前面談で、お子さんの様子を伝える

手引では、初回の利用の前に、保護者(お子さんの同席が基本)と事業者の事前面談を行うと書かれています。この面談で、基本的な事項を伝えるとともに、お子さんの特徴や保護者の意向を把握する、という位置づけです。
また、利用者の同意に基づいて、家族の状況やお子さんの状況、発達の状況をシステム上で共有する仕組みもあります。連絡先や食物アレルギーなど、お子さんの安全に必要な情報は、保護者の同意を得たうえで、総合支援システムを通じて提供されます。
たとえば、「大きな音が苦手」「初めての場所では、しばらく抱っこで様子を見ている」「好きな遊びは水と積み木」など、ふだんの様子を、事前面談で伝えておくと、施設の人もお子さんに合った関わり方を考えやすくなります。うまく説明しなくても大丈夫です。気づいたことを、そのまま話してみてください。
利用が始まってからも、送り迎えのときのやりとりや、保護者向けの連絡手段、連絡帳を通じて、施設での様子と家庭での様子を共有することが大切だと、手引に書かれています。定期的な面談の機会を設けることも考えられる、とされています。家でのささいな変化も、気軽に伝えてみてください。

園に慣れにくいお子さんの特徴や、親ができることをまとめた記事もあります。あわせて読んでみてください。
こども誰でも通園制度の利用料と、気をつけたいキャンセルの決まり

利用料は、前の章でふれたとおり、手引で「1時間当たり300円程度を標準」とされています。ただし、手引には、実費として徴収される費用(食事など)があることも書かれています。実際に支払う金額は、施設の案内で確かめましょう。
手引では、利用料を決めるときに、利用する保護者の経済的な負担を軽くするよう、適切に配慮する必要があるとされています。金額の決め方や、減免の有無は市町村によって違う可能性があるため、気になる場合は市町村の窓口で聞いてみましょう。
食事を出すかどうかは、事業者が判断します。給食を提供するか、持参方式にするかは、施設ごとに決まり、利用者に分かるように周知する、と手引に書かれています。
予約のキャンセルは、市町村または事業所が決めた期日までに、原則として電話かつうえんポータル上で行います。期日を過ぎると、キャンセル料の徴収や、予約した時間分を利用可能時間から引く処理が行われる場合があると、手引に書かれています。細かいルールは、利用する施設や自治体で違うため、予約の前にキャンセルのルールを見ておくと安心です。
こども誰でも通園制度を、発達が気になる子と使うときの考え方
こども誰でも通園制度は、障害のある子や特別な支援が必要な子も使える制度

手引には、「障害のあるこどもも障害のないこどもも、こども誰でも通園制度を利用できるように提供体制を整備していく必要があります」と書かれています。障害の有無にかかわらず、地域のこどもが誰でも通園できる体制を整えることが、市町村に求められている、とされています。
また、障害のあるお子さん、医療的ケアを必要とするお子さん、要支援家庭のお子さんを受け入れる場合には、別に定める加算が適用される仕組みがあります。ここでいう障害のあるお子さんとは、市町村が認める障害児とされ、身体障害者手帳などの交付の有無は問われません。
一方で、各事業所が障害のあるお子さんなどを受け入れるかどうかは、市町村と連携しながら、事業所が対応内容を検討することになっています。つまり、受け入れの体制は、施設によって違うということです。気になる施設には、事前に相談してみるとよいでしょう。
手引では、事業所が提供内容を決めるときに、障害のあるお子さんや医療的ケアが必要なお子さん、家庭への対応を行うかどうかを、検討する項目のひとつとしています。専門の人材を確保することや、施設の環境を整えることも必要だと書かれています。ですから、施設ごとの違いが出るのは自然なことです。
こども誰でも通園制度に慣れるのに時間がかかる子と、親子通園・短時間利用

手引には、慣れるまでに時間がかかるお子さんへの対応が書かれています。ひとつは、親子通園です。保護者もいっしょに過ごすことで、親子にとっても保育者にとっても安心につながることが期待される、とされています。ただし、親子通園を利用の条件とすることは適当ではない、とも書かれています。
もうひとつは、短時間からの利用です。1回の利用時間を短くして、様子を見ながら少しずつ延ばしていく方法で、お子さんの様子を保護者と共有しながら、園で過ごす時間を調整すると手引にあります。
たとえば、初日は30分だけ、保護者もそばで見守り、次の日は少し離れてみる、というような進め方もひとつの例です。お子さんのペースに合わせて、焦らず進めることが大切です。施設によって、こうした対応ができるかどうかは違いますので、事前面談のときに相談してみてください。

うちの子、人見知りが強いの。親子で行ってもいいなら、ちょっと安心かも。えへへ…

それは心強い選択肢だわん。施設が親子通園をやっているかどうかは違うから、事前面談で聞いてみるといいんだわん。
こども誰でも通園制度を使う前に、家庭で準備しておくと安心なこと

最後に、家庭でできる準備をまとめます。難しいことは必要ありません。
制度が始まったばかりの時期は、住んでいる地域によって、使える施設の数や空き状況が違うことも考えられます。希望の日に予約が取りにくいときも、焦らずに、いくつかの施設を比べてみてください。
お子さんが、はじめての場所や人に慣れるまでに時間がかかる場合は、いきなり利用を始めずに、まず事前面談で、施設の雰囲気を見せてもらう方法があります。面談の場にいっしょに行くことで、お子さんにとっても「ここは安全な場所」と感じるきっかけになることがあります。
利用の当日は、持ち物やお迎えの時間を前日までに確認し、お子さんには「今日は楽しい場所に行くよ。終わったら迎えに来るよ」と、見通しを伝えておくと安心しやすくなります。
うまくいかない日があっても、大丈夫です。 利用を始めてみて、「まだ早かったな」と感じたら、時間をおいてから、また考えてもかまいません。使うかどうかは、保護者とお子さんの様子を見ながら決めて大丈夫です。

園を嫌がるようになったお子さんへの関わり方は、こちらの記事でも取り上げています。
まとめ:こども誰でも通園制度の基本と、親が今できること
こども誰でも通園制度の要点を、もう一度整理する

最後に、こども誰でも通園制度の要点を整理します。令和8年度から、全国の自治体で実施される新しい給付制度です。対象は、保育所等に通っていない0歳6か月から満3歳未満のお子さんで、保護者の就労は問われません。
利用できるのは、国の目安で月10時間までです。市町村によって時間や利用料が違うことがあるため、お住まいの市町村の案内を確認してください。手引では、障害のあるお子さんを含めて誰でも通園できる体制を整えることが示されています。

ちょっと整理できたの。まずは、うちの市のホームページを見てみようかな。

その意気だわん!分からないことは、市町村の窓口に聞いてみるといいんだわん。
こども誰でも通園制度を、親の気持ちを大切に使っていく

子育ての日々は、毎日が試行錯誤の連続です。ひとりで抱え込んでしまう日があっても、不思議ではありません。こども誰でも通園制度は、そんな保護者を支えるために、国が作った仕組みのひとつです。
使うか使わないかは、保護者とお子さんのペースで選べます。「少しの時間、誰かに見守ってもらう」という選択肢があるだけで、気持ちが軽くなる日もあるかもしれません。
お子さんの成長のスピードは、それぞれ違います。ほかの子と比べず、「この子にとって、心地よい場所はどこだろう」という視点で、ゆっくり考えていきましょう。この記事が、その参考になればうれしいです。
アイキャッチ画像:Photo by Curtis Adams on Pexels



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