健康診断を嫌がる子。理由と家庭での関わり方を解説

健康診断を嫌がる子。理由と家庭での関わり方を解説 保育園・幼稚園
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【この記事の信ぴょう性】

当ページの記事は、児童発達支援の現場経験を持つ鈴木日奈子(小学校教諭免許保有)が監修しています。

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健康診断を嫌がる子の気持ちには、ちゃんと理由があります

こんにちは!おやまどの鈴木です。

園や学校で行われる健康診断。「明日は健康診断だよ」と伝えた途端に、「行きたくない」「おなかが痛い」と言い出す。朝になっても玄関から動かない。そんな様子に、どう声をかけたらいいか迷ったことはありませんか。

健康診断を嫌がる子は、決して珍しくありません。身体測定、内科健診、視力や聴力の検査、歯科健診と、秋は検査が続く季節でもあります。わがままと決めつけず、その子が何を不安に感じているのかを、いっしょに整理してみましょう。

この記事では、健康診断を嫌がる理由、事前にできる準備、当日の関わり方、そして終わったあとの声かけまで、家庭でできる工夫をお伝えします。「うちの子だけ?」と悩んでいる保護者の方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。

ほのママ
ほのママ

健康診断の前日になると、毎年大騒ぎなの…。みんな平気なのに、うちの子だけどうしてかなって思っちゃう。

ここわん
ここわん

それは違うわん!健康診断を嫌がる子はたくさんいるわん。理由はひとつじゃないから、まずは気持ちを一緒に整理してみるわん。

服を脱ぐことや、体を見られることへの抵抗

棚にきれいにたたまれた衣類と本が並ぶ写真
Photo by Mathias Reding on Pexels

健康診断では、上の服を脱いだり、体を見られたり、触れられたりする場面があります。この「いつもと違う状況」に、強い抵抗を感じる子がいます。

特に、小学校の中学年くらいになると、体を人に見られることを恥ずかしいと感じる子が増えてきます。「みんなの前で脱ぐのが嫌」「先生や知らない人に見られたくない」という気持ちは、成長の中で自然に生まれるものと言われています。

また、肌ざわりが気になる子には、服の着脱そのものがストレスになることもあります。脱いだあと、また着るときの感触が不快で、時間がかかってしまう子もいます。急かされると、さらに焦って嫌になってしまう、という流れも考えられます。

服の着脱が苦手な子には、前日の夜に、服を脱いで着る練習を遊びの中でしておく方法もあります。「3回で着られるかな」とゲームのようにすると、焦らず取り組める子もいます。

こうした気持ちは、「恥ずかしがらなくていいよ」と言うだけでは、なかなか軽くなりません。「見られるのが嫌なんだね」と、まず気持ちを受けとめてあげることが、安心への第一歩です。

たとえば、「みんなの前で上着を脱ぐのが嫌」という理由で、前日から「おなかが痛い」と言い出す子もいます。体の不調として訴えることで、気持ちを伝えようとしているのかもしれません。「嫌だから」と言えない子ほど、体のサインとして表に出やすい、とも言われています。

「恥ずかしい」は成長のしるしでもあります
体への意識が育ってくると、人に見られることを嫌がる子が増えます。自分の体を大切に思う気持ちが育っている、ということでもあります。

日常の服や着替えに関する困りごとについては、こちらの記事でも取り上げています。

衣替えで服にこだわる子。進め方のコツを解説
衣替えのたびに服にこだわる子どもへの向き合い方を解説する記事です。肌ざわりへの敏感さや「いつもと同じ」を求める気持ちなど、考えられる理由と、家庭で無理なく進めていくための具体的な工夫まで、発達が気になるお子さんの保護者の方にご紹介します。

嫌がる様子には個人差があります。泣いて動かなくなる子、怒りっぽくなる子、急に静かになる子、ふざけてごまかす子。どれも、不安の表し方のひとつです。目に見える態度だけで判断せず、その裏にある気持ちを想像してみてください。

聴診器や検査の道具、知らない大人が不安につながることも

白い背景に置かれた聴診器の写真
Photo by Paloma Gil on Pexels

聴診器、視力検査の道具、聴力検査のヘッドホン、舌をおさえるへら。健康診断には、子どもにとって見慣れない道具がたくさん登場します。

「これは何に使うんだろう」「痛いことをされるのかな」と、想像がふくらんでしまう子もいます。特に、見通しが立たないと不安が強くなる子は、道具を見ただけで身構えてしまうことがあります。

さらに、知らない先生や校医さんに、体を診てもらうという状況も、緊張のもとになります。ふだん会わない大人が、急に「口を開けて」「息を吸って」と指示を出してくる。この展開に、頭の中が真っ白になる子もいるでしょう。

聴力検査のように、小さな音に集中する検査では、「聞こえなかったらどうしよう」というプレッシャーを感じる子もいます。結果を気にして不安になる、真面目な子ほど、緊張しやすいと言われています。

よくある例として、「聴診器が冷たかった」「ライトがまぶしかった」「口の中を見られるのが怖かった」といった、小さな出来事が嫌な記憶として残ることがあります。大人には何気ないことでも、子どもにとっては大きな出来事だったりします。

ほのママ
ほのママ

えっ、検査の道具が怖いこともあるの?わたし、てっきり注射のことを心配してるのかと思ってたわ〜。

ここわん
ここわん

それは違うわん!学校の健康診断で注射をすることは、ふつうは少ないと言われているわん。子どもの不安は、想像から大きくなることもあるわん。

待ち時間や、いつもと違う流れが負担になる子も

カラフルな壁と靴箱が並ぶ学校の廊下
Photo by K on Pexels

健康診断の日は、ふだんの時間割とは違う流れで進みます。教室から別の部屋に移動して、順番を待って、検査を受けて、また戻る。この流れが、見通しにくいと感じる子もいます。

順番待ちの時間は、特に負担になりやすい場面です。長い列で待つ間、周りの音や話し声が気になる、じっと立っているのがつらい、前の子が泣いているのを見て不安になる、ということもあるでしょう。

また、「何分で終わるのか」「次は何をするのか」が分からないと、不安は大きくなりやすいものです。いつもの教室とは違う場所の、ひんやりした空気やにおいも、緊張を高める要素になります。

また、検査の順番が来るまでの間、何をして待つかを決めておくのも役立ちます。深呼吸をする、好きなキャラクターのことを考える、手をぎゅっと握る、など、自分で気持ちを落ち着ける方法を、子どもといっしょに見つけておきましょう。

たとえば、前の学年の健診で、待ち時間が長くてつらかった記憶が残っていると、「また同じことが起きるかも」と身構えることがあります。過去の経験が、不安の背景になっていることもあります。

見通しの立てやすさは、子どもの安心感に大きく影響します。「何をするのか」「どのくらいかかるのか」「どんな人がいるのか」。この3つが分かるだけでも、不安がぐっと減る子は少なくありません。

健康診断を嫌がる子と、前日までに整えておきたい準備

嫌がる気持ちを無理に押さえつけるより、「何が起こるか」を事前に知っておくほうが、子どもは安心しやすいと言われています。ここでは、前日までにできる準備を紹介します。

絵本やごっこ遊びで、健診の流れを知っておく

開いた絵本の上に置かれた子どもの手
Photo by Mikhail Nilov on Pexels

見通しが立つと安心しやすい子には、健康診断の流れを、事前に具体的に伝えておく方法があります。

たとえば、「身長と体重をはかる」「お医者さんに胸の音を聞いてもらう」「口の中を見てもらう」「目の検査をする」と、順番を紙に書いて見せる方法です。イラストや写真があると、さらに分かりやすくなります。絵本に、健康診断やお医者さんが登場するものがあれば、いっしょに読んでみるのもよいでしょう。

おうちで「お医者さんごっこ」をするのもおすすめです。ぬいぐるみに聴診器を当てたり、口を開けて見せたり、役を交代して遊んでいるうちに、「なんだ、こんなことか」と感じられる子もいます。遊びの中で道具に触れておくと、当日の驚きが減ります。

ごっこ遊びのときは、親子で役を入れ替えるのがポイントです。子どもが「お医者さん」になって保護者の方を診てあげると、「診る側」の気持ちが分かり、不安が軽くなる子もいます。遊びなので、楽しく笑える雰囲気で進めましょう。

ここで大事なのは、「痛いことはしないよ」「すぐ終わるよ」と、終わりがあることを伝えることです。ただし、本当に痛みがある検査(採血など)がある場合は、あいまいにせず、正直に伝えるほうが、信頼関係を守れます。

チェックポイント

・検査の順番を、紙に書いたりイラストにしたりして見せる
・ごっこ遊びで、聴診器や口を開ける動きを経験しておく
・「いつ終わるか」「あと何をするか」を具体的に伝える
・不安なことがあれば、いつでも話していいと伝える

着脱しやすい服と、先生への事前相談

手帳に予定を書き込んでいる手元
Photo by cottonbro studio on Pexels

準備のもうひとつのポイントは、当日の服装です。脱ぎ着が苦手な子や、体を見られることに抵抗がある子は、服装を少し工夫するだけで、負担が軽くなることがあります。

たとえば、前開きの服や、すそがゆったりした服は、さっと脱ぎ着しやすいです。肌ざわりが苦手な子には、いつも着ている慣れた肌着を選ぶとよいでしょう。ボタンの多い服や、ひっかかりやすい服は、避けたほうが安心です。

また、事前に担任の先生や園の先生に、お子さんの様子を伝えておくことも大切です。「健康診断を前から嫌がっている」「服を脱ぐのが苦手」「待つのが苦手」など、具体的に伝えておくと、当日の配慮につながることがあります。

もし、前の年の健診で嫌なことがあったなら、そのことも先生に伝えておくと、配慮のヒントになります。「去年は待ち時間が長くて泣いてしまった」といった具体的な情報があるだけで、順番を調整してもらえるなど、対応の幅が広がることがあります。

先生に伝えておくとよいこと
・何が苦手か(脱ぐ・音・待つ・道具など)
・落ち着きやすい声のかけ方
・家で行っている工夫
・できれば、順番を早めにしてほしいなどの希望

なお、先生に相談するときは、「できないこと」だけでなく、「これならできそう」「こうすると落ち着く」という前向きな情報も添えると、具体的な配慮につながりやすくなります。

伝えることは、お願いというより、お互いに子どもを支えるための情報共有です。遠慮せず、気軽に相談してみてください。

一人で抱え込まなくて大丈夫です。先生に話してみることで、思いがけず、すでに対応を考えてもらえていることが分かる場合もあります。

当日の朝は、いつもより少し早めに起きて、ゆとりをもって過ごせると安心です。急かされるとそれだけで気持ちが不安定になる子もいます。朝ごはんをゆっくり食べて、前日に決めた服を着て、「今日は健診の日だね」と、短く確認する程度にとどめておきましょう。

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健康診断を嫌がる子と、当日をおだやかに過ごす関わり方

「できるところから」ステップを小さく刻む

壁の柱で身長を測り印をつける様子
Photo by Kampus Production on Pexels

当日、教室や会場の前で動けなくなってしまうこともあります。そんなときは、「全部の検査を完璧に受けなきゃ」と考えすぎないことが大切です。

たとえば、「まず身長だけはかってみよう」「聴診器は先生に見るだけ見せてもらおう」と、ハードルを小さく刻む方法があります。検査によっては、後日に分けて受けられる場合もあるので、先生に相談してみるとよいでしょう。

列に並ぶのがつらい子は、順番を最初か最後にしてもらう、という方法もあります。最初なら待ち時間が短く、最後なら周りが落ち着いた状態で受けられる、という利点があります。先生にあらかじめ相談しておくと安心です。

身長や体重の測定は、体を触られることが少なく、結果もすぐ分かるので、取りかかりやすい検査です。成功体験を積んでから、次の検査に進むと、気持ちが少しずつ整っていく子もいます。

保護者の方が付き添える場合は、子どもの見える位置にいるだけで安心する子もいます。付き添いが難しい場合は、「朝、いってらっしゃいって手をふるよ」「帰ってきたらお話聞くよ」と、安心できる約束をしておくのもひとつの方法です。

気をつけたいこと
「ちゃんとやらないと恥ずかしいよ」「みんなやってるでしょ」と、気持ちを押し切る声かけは、不安を強めてしまうことがあります。「大丈夫」を押しつけるより、「怖いよね」と共感する言葉から始めてみましょう。

ほのママ
ほのママ

せっかくの健診なのに、一部しか受けられなくてもいいのかな…って焦っちゃう。えへへ。

ここわん
ここわん

焦らなくて大丈夫わん!「今日はここまでできた」を大切にして、続きは先生と相談すればいいわん。

「できたね」と終わったあとの声かけで、次につなげる

教室の机に赤いリュックがかかっている様子
Photo by cottonbro studio on Pexels

健康診断が終わったあとの声かけは、次回以降の気持ちにも影響します。うまくいった日も、そうでない日も、まずは「おつかれさま」と、ねぎらってあげましょう。

「ちゃんとできなかったね」「また泣いたの?」といった言葉は、子どもの自信を下げてしまうことがあります。「行けたね」「がんばったね」「いやだったけど、ここまでできたね」と、できたところに目を向けた声かけがおすすめです。

疲れて帰ってくることもあるので、その日はなるべく予定を詰めこまず、のんびり過ごせるようにしておくと、気持ちが整いやすくなります。

帰ってきたら、ゆっくり話を聞く時間をとってみてください。「何がいちばん嫌だった?」「どこが大丈夫だった?」と聞くと、次の準備のヒントが見つかります。うまく話せない子には、「音?待つの?服を脱ぐの?」と選択肢を出すのも、ひとつの方法です。

たとえば、「健診が終わったらお気に入りの公園に寄ろうね」と、先に約束しておく方法があります。楽しみがあると、がんばる気持ちが続きやすくなる子もいます。ただし、ごほうびを条件にして「行かないならあげない」とする使い方は、逆効果になることがあるので気をつけましょう。

小さなごほうびも、気持ちの切り替えに役立つことがあります。好きなおやつを食べる、好きな絵本を読む、お風呂でゆっくり過ごす、など、「終わったあとの楽しみ」を用意しておくとよいでしょう。

まとめ:健康診断を嫌がる子と、あせらず向き合うために

嫌がる気持ちも、大切な子どもの声

目盛りが見える計測用のはかり
Photo by David McElwee on Pexels

健康診断を嫌がるのは、体のことを大切に思っているからこその、自然な反応でもあります。「恥ずかしい」「怖い」「不安」という気持ちを、否定せず受けとめてあげることが、いちばんの安心につながります。

もし、当日にどうしても受けられなかったとしても、「失敗」ではありません。「今回は難しかった、次はどうしようか」と、親子で考えるきっかけにしていきましょう。

服を脱ぐこと、道具や知らない大人、待ち時間。嫌がる理由はさまざまです。お子さんがどこにいちばん困っているのかを、ゆっくり探ってみてください。

前日までに流れを伝え、着脱しやすい服を選び、先生に相談しておく。当日は小さなステップで進めて、終わったあとにはしっかりねぎらう。この積み重ねが、少しずつ「健康診断は思ったより大丈夫かも」という気持ちを育てていくと言われています。

ほのママ
ほのママ

今年がだめでも、来年また挑戦できるんだよね。ちょっとホッとしたわ〜。

ここわん
ここわん

そうわん!毎年少しずつ慣れていく子もたくさんいるわん。大丈夫、一緒に考えるわん!

もし何年も続けて健康診断を強く嫌がる場合は、学校や園の先生と、長い目で作戦を立てていくのもよい方法です。検査の方法や時間帯を調整してもらえることもあります。一年ごとにリセットして考えず、少しずつ積み上げる気持ちで進めていきましょう。

保護者の方も、がんばりすぎなくて大丈夫です

夕方の光が差し込む静かな学校の廊下
Photo by Burak Ensar BAL on Pexels

子どもが嫌がる姿を見ていると、保護者の方もつらくなりますよね。「周りの子はできているのに」「私の関わり方がよくなかったのかな」と、自分を責めてしまう方もいるかもしれません。

でも、健康診断を嫌がるのは、育て方のせいではありません。子どもの性格や感じ方、そのときの体調や気持ちなど、いろいろな要素が重なって起こることです。

うまくいかない年があっても、大丈夫です。成長とともに、自分の気持ちを言葉にできるようになったり、見通しを立てられるようになったりして、変わっていくことも多いと言われています。

園や学校の先生、ほかの保護者の方に、「こんなことで困っている」と話してみるだけでも、気持ちが楽になることがあります。一人で抱え込まず、頼れる人の力も借りながら、ゆっくり進んでいきましょう。

服を脱ぐこと、検査の道具、知らない大人、待ち時間など、健康診断を嫌がる理由は子どもによって違います。絵本やごっこ遊びで流れを知る、服装を工夫する、先生に相談する、小さなステップで進める。その子に合う方法を、少しずつ見つけていきましょう。

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アイキャッチ画像:Photo by Pavel Danilyuk on Pexels

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