給食を食べるのが遅い子どもの気持ちとは
こんにちは!おやまどの鈴木です。
「給食、食べ終わらなくて昼休みが少なくなっちゃった」。お子さんからそんな話を聞くと、心配になりますよね。給食を食べるのが遅い子どもの様子に、「食べる量が多いのかな」「ほかの子と比べて大丈夫かな」と気をもんでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、給食を食べるのが遅い子どもの気持ちや背景、ご家庭でできる工夫を、やさしい言葉で整理していきます。「うちの子だけ?」と感じたときに、ほっと肩の力が抜けるきっかけになればうれしいです。
食べる速さには個人差がある

同じ年齢の子どもでも、食べる速さはずいぶん違います。よく噛んでゆっくり味わう子もいれば、あっという間に食べ終わる子もいます。どちらが良い悪いではなく、その子なりのペースがあります。
ところが、給食は「みんなで同じ時間に食べ始めて、決まった時間までに片づける」という仕組みです。おうちでは気にならなかった食べる速さが、学校では目立ってしまうことがあります。
たとえば、家ではテレビを見たり、おしゃべりをしたりしながら、1時間近くかけて食べている子もいます。家庭のペースが身についている子ほど、学校の時間の流れに合わせるのが難しくなることもあります。
また、食べるのが遅いことを「だらだらしている」「やる気がない」と受け取られてしまうと、子ども自身が傷つくこともあります。本人は一生懸命食べているのに、時間が足りないだけ、ということも多いんです。
まずは、「食べるのが遅いのは、悪いことではない」という前提に立って、一緒に理由を探していけるといいですね。
食べる速さは、体の大きさや、その日の体調、気分によっても変わります。疲れている日や、朝ごはんをあまり食べられなかった日は、いつもよりゆっくりになることもあります。同じ子でも、日によって食べる速さが違うのはふつうのことです。
学年が上がるにつれて、噛む力や飲みこむ力が育ち、自然と食べるペースが整ってくる子もいます。今の姿だけを見て心配しすぎず、少し先の成長も思い浮かべながら見守れるといいですね。

うちの子も食べるのが遅いんだけど、わたし、つい「早く食べなさい」って言っちゃってた…えへへ。

それは、多くの保護者が通る道だわん。気づけたことが大切な一歩だわん。
時間に追われる焦りと周りの目

給食の時間には、「いただきます」から「ごちそうさま」まで、決められた流れがあります。片づけの時間も決まっているので、食べ終わらないと、昼休みが短くなったり、食べきれないまま片づけになったりすることがあります。
この時間の制限が、食べるのが遅い子にとっては大きなプレッシャーになります。「早く食べなきゃ」と焦るほど、口の中で食べ物がうまく運べなくなったり、のどがつかえるような感覚になったりする子もいます。
また、まわりの友達が先に食べ終わって遊びに行く姿を見ると、自分だけが取り残されたような気持ちになることもあります。周りの目が気になって、食事そのものが楽しくなくなってしまう子もいます。
「給食がいやだな」という気持ちが強くなると、朝の登校をしぶったり、お腹が痛いと言ったりすることもあります。給食の時間は、子どもにとって毎日の大きな場面の一つだからこそ、気持ちの負担がたまりやすいのです。
よくある例として、「どうせ間に合わないから」と、最初から食べる気持ちをなくしてしまう子もいます。また、「残すと先生に怒られるかも」と不安になり、お腹がいっぱいでも無理に口に運ぶ子もいます。
子どもが感じている焦りは、大人が思っている以上に大きいことがあります。「給食の時間はどんな気持ち?」と、責めずにやさしく聞いてみると、思いがけない本音が聞けるかもしれません。
話してくれたときは、「そうなんだね、教えてくれてありがとう」と受け止めることが、安心のはじまりになります。
給食を食べるのが遅い理由をひもとく
給食を食べるのが遅い理由は、子どもによってさまざまです。ここでは、よくある背景を二つ取り上げて、見ていきましょう。
噛むことや飲みこむことに時間がかかる

食べ物を口に入れてから飲みこむまでには、口を動かして噛む、舌で食べ物をまとめる、飲みこむといった、いくつもの動きが必要です。この動きが少しゆっくりな子は、どうしても食事に時間がかかります。
たとえば、お肉や根菜のようにかたいもの、パサパサして口の中でまとまりにくいものは、食べるのに時間がかかりやすい食材です。給食には、ふだんの家庭の食事より多くの種類の食材が出るので、食べにくいものにあたる日もあります。
また、口の中に食べ物をためこんで、なかなか飲みこめない子もいます。そんなときは、「早く飲みこんで」と急かすより、水分やお味噌汁などの汁物をはさみながら食べるほうが、食べやすくなることがあります。
給食の量が、その子にとって多すぎる場合もあります。量が多いとそれだけで気持ちがおされて、食べるペースがさらにゆっくりになることもあります。「全部食べなきゃ」という気持ちが強い子ほど、量に悩まされやすいです。
ご家庭でも、ふだんの食事の中で、噛む回数が増える食材を少しずつ取り入れてみるのも一つの方法です。ただし、無理に練習させる必要はありません。楽しい食卓の雰囲気を大切にしていきましょう。
また、食べ物を口に入れる一口の量が多すぎて、噛むのに時間がかかる子もいます。そんなときは、食べ物を少し小さく切る、一口の量を減らすといった工夫が役立つことがあります。ご家庭では、おはしやスプーンの持ち方、食べる姿勢も、あわせて見てあげるとよいですね。
姿勢がくずれると、噛んだり飲みこんだりしにくくなることもあります。足が床についているか、背もたれに軽くもたれているかなど、体が安定しているかを確かめてみましょう。
食べ物の好き嫌いや、気が散りやすい

給食には、苦手な食べ物が出ることもあります。苦手なものを前にすると、箸が止まってしまい、食べ始めるまでに時間がかかる子もいます。においや食感が苦手で、少し口にしては止まる、ということを繰り返すうちに、時間が過ぎてしまうこともあります。
好き嫌いがあること自体は、成長の途中でよくあることです。ただ、苦手なものがあると「全部食べなきゃいけない」という気持ちでプレッシャーを感じる子もいます。そのため、食べるペースがさらにゆっくりになってしまう場合もあります。
また、周りの音や動きが気になって、食べることに集中できない子もいます。教室は、おしゃべりの声や食器の音で、意外とにぎやかな場所です。友達の話に耳を傾けているうちに、食べるのが止まってしまうこともあります。
こうした気の散りやすさは、注意力の問題というより、周りの情報を敏感に受け取っているとも考えられます。楽しそうにおしゃべりしていても、食べるのが進まないときは、その子なりの理由があるかもしれません。
たとえば、給食当番の片づけを気にして、自分が食べる手が止まってしまう子もいます。また、「おかわりのじゃんけんに参加したい」と気もそぞろになる子もいます。食べること以外のことに意識が向きやすい時間でもあるのです。
苦手な食べ物が出る日だけ、特に時間がかかるようであれば、「食べられる量を自分で決めていい」と伝えておくだけでも、気持ちが楽になります。食べきることより、楽しく食べきれる量を見つけることを大切にしたいですね。
好き嫌いや気の散りやすさについては、こちらの記事でもくわしく取り上げています。


好き嫌いのせいだけじゃなくて、周りの音が気になって止まっちゃう子もいるんだね。全然気づかなかったよ。

子どもの食べ方には、いろいろな理由があるわん。よく観察してみると、ヒントが見つかるわん!
給食を食べるのが遅い子への家庭での関わり方
給食を食べるのが遅い子には、「早く食べなさい」と言う前にできることがあります。ご家庭で取り入れやすい関わり方を見ていきましょう。
食事のペースを責めず、楽しい時間にする

食べるのが遅い子に、「早く食べなさい」と何度も伝えていませんか。焦らせるほど、子どもは食事に集中できなくなり、かえってペースが落ちてしまうことがあります。
まずは、食事の時間そのものを「楽しい時間」にしてあげましょう。家族で今日あったことを話しながら食べる、おいしいねと声をかけるなど、食卓の雰囲気がゆるやかだと、子どもは安心して食べられます。
家庭では、時間を測って競争するような食べ方は避けたほうが安心です。かわりに、「今日は最初の一口を食べたら、お茶を飲んで一休みしようか」のように、区切りをつける方法もあります。食べる時間の見通しがつくと、気持ちが落ち着きやすくなります。
たとえば、食べ終わる目安の時間を、タイマーではなく、おうちの人との約束として決めておく方法もあります。「この曲が終わるころまでに食べようか」など、楽しく時間を区切る工夫も、子どもの負担が軽くなります。
食事中に「まだ食べられるよね」と量を増やしたり、「これも食べなさい」とすすめたりすることは、控えめにしてみましょう。食べられた量よりも、「おいしく食べられた」という気持ちを大切にしたいですね。
おうちでは、「食べるのが遅いね」という言葉は、なるべく使わないようにしてみましょう。代わりに、「ゆっくり味わっているんだね」「今日は最後まで食べられたね」と、プラスの言葉に言い換えると、子どもの気持ちがやわらぎます。
食事の前に、手洗いや配膳を一緒にしておくと、食事に向かう気持ちの準備ができます。テレビやおもちゃは片づけて、食べることに意識が向く環境をつくるのもおすすめです。
学校と気持ちを共有して、食べやすい工夫を探す

給食の時間の過ごし方は、担任の先生が一番よく見ています。お子さんが食べるのが遅いことで悩んでいるようであれば、連絡帳などで、先生に状況を聞いてみるのも一つの方法です。
たとえば、「家ではこんなふうに食べています」「最近、給食の時間がつらいと話していました」など、ご家庭の様子を具体的に伝えると、先生も対応を考えやすくなります。責めるような書き方ではなく、「一緒に考えたい」という気持ちで伝えてみましょう。
先生に伝えるときは、お子さんが食べているときの様子を、できるだけ具体的に書くのがコツです。「時間がかかる」とだけ書くより、「かたいものが苦手で、噛むのに時間がかかる様子があります」のように書くと、先生も状況をイメージしやすくなります。
学校によっては、食べられる量を減らしてもらったり、食べ終わる時間に少しゆとりを持たせてもらったりといった配慮が取れることもあります。すべての学校で同じ対応ができるわけではありませんが、相談することで、見えてくる工夫もあります。
また、お子さん自身が「この量は食べきれない」と、先生に伝えられるようになることも、大切な力です。家庭で、「多いなと思ったら、先生に少し減らしてもいいか聞いてみようね」と、伝え方の練習をしておくのも役立ちます。
先生に相談するときのポイントを、チェックリストにまとめました。
先生に伝えたいことのメモ
・家での食べ方のようす(ゆっくり食べる、おしゃべりが多いなど)
・お子さんが困っていると話していること
・量や時間について相談したいこと
・「一緒に考えたい」という気持ち

先生に相談するのって、ちょっと勇気がいるけど、メモがあれば伝えやすそうだね。

先生も、一緒に考えたいと思ってくれているはずだわん。焦らず、ゆっくりお話ししてみるわん。
まとめ:給食を食べるのが遅い子と、あせらず進む
ここまで、給食を食べるのが遅い子どもの気持ちや理由、ご家庭での関わり方についてご紹介してきました。最後に、大切なポイントを振り返っておきましょう。
給食を食べるのが遅いのは、よくあること

給食を食べるのが遅い背景には、もともとの食べる速さの個人差、噛むことや飲みこむことへの負担、好き嫌い、周りが気になることなど、その子なりの理由があります。ゆっくり食べるのは、悪いことではありません。
子どもが「早く食べなきゃ」と焦るほど、食べることがつらい時間になってしまいます。まずは、食事のペースを責めず、安心できる雰囲気をつくることから始めてみましょう。
ご家庭だけで悩みを抱え込まずに、学校の先生とも話しながら、お子さんに合った形を探していきましょう。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
もしお子さんが「給食の時間がいやだ」と話すときは、食べる速さだけでなく、周りの環境や友達との関係など、さまざまな角度から気持ちを聞いてみましょう。給食の時間の悩みは、食事そのものだけでなく、時間の流れや、周りとの関わりからも生まれることがあるからです。
給食のことで子どもがつらそうなときは、こちらの記事も参考になります。

今日からできる小さな一歩

今日からできることは、小さなことで十分です。食事のときに、「今日の給食、どうだった?」と、ゆっくり聞いてみる。食べるペースを責めず、「おいしいね」と声をかける。先生に伝えたいことを、メモに書いてみる。どれも、親子の安心につながります。
うまくいかない日があっても大丈夫です。食べる速さは、一日ごとに変わるものです。「今日はゆっくりだったけど、楽しく食べられたね」と、結果より過程に目を向けてあげましょう。
給食の時間は、毎日くり返される大切な場面です。お子さんのペースを大切にしながら、ご家庭でもゆったりと見守っていきましょう。

なんだか、気持ちが軽くなってきたかも。まずは「今日の給食、どうだった?」から聞いてみようかな!

その調子だわん。大丈夫、一緒に考えるわん!
給食を食べるのが遅い背景には、食べる速さの個人差や、噛む・飲みこむことの負担、好き嫌いなど、子どもなりの理由があります。食事のペースを責めず、学校とも話しながら、その子とご家庭のペースで進んでいきましょう。



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