「何度注意しても、また同じことをする」
「怒られてもすぐ忘れる」
「怒られてもケロッとしてる」
「何度言っても分からないのは、発達障害や病気なの?」
子どもに同じ注意を何度もしていると、親は本当に疲れます。
朝も注意した。
昨日も言った。
先週も同じことで怒った。
それなのに、また同じことを繰り返す。
最初は優しく言えていた親も、だんだん声が強くなります。
「何回言えば分かるの?」
「さっきも言ったよね?」
「本当に聞いてる?」
そんな言葉が増えて、あとから自己嫌悪になることもありますよね。
先に結論をお伝えすると、何度も注意されても治らない子どもを、すぐに障害や病気と決めつけることはできません。
ただし、怒られてもすぐ忘れる、注意されても同じことを繰り返す、危ない行動が続く、学校でも家庭でも困りごとが多い場合は、発達特性が関係していることがあります。
大切なのは、「響かない子」と決めつけて叱り続けることではありません。
なぜ同じ行動を繰り返すのかを見て、注意の仕方を子どもに届く形へ変えることです。
この記事では、何度も注意されても治らない子どもは障害なのか、怒られてもすぐ忘れる理由、発達障害や病気との関係、6歳や小学生で同じことを繰り返す時の見方、家庭でできる対応、学校や専門機関に相談する目安まで解説します。

もうね、「何回言ったら分かるの?」って言いすぎて、私の方がそのセリフを自動再生してるのよ…。

それだけ毎日がんばって注意している証拠だわん。でも、注意の量を増やすより、届き方を変える方が大事なこともあるわん。
何度も注意されても治らない子どもは障害なの?

何度も注意されても治らない子どもを見ると、「この子はわざとやっているのかな」「障害なのかな」と不安になることがあります。
特に、怒った直後は反省しているように見えるのに、少し経つと同じことをする。
または、怒られても響かないように見える。
そんな様子が続くと、親は心配にもなりますし、イライラもします。
ただ、同じことを繰り返す理由は一つではありません。
年齢的にまだ抑える力が育っていないこともあります。
注意された内容を理解できていないこともあります。
分かっていても、その場になると衝動が先に出てしまうこともあります。
だからこそ、まずは「障害かどうか」だけでなく、「どこでつまずいているのか」を見ることが大切です。
怒られてもすぐ忘れるのは反省していないから?
怒られてもすぐ忘れる子を見ると、親は「全然反省していない」と感じます。
でも、子どもの中では反省していないのではなく、注意された内容を行動に移すところまでつながっていない場合があります。
たとえば、親に「走らないで」と言われた時、その場では分かっている。
でも次に楽しいものを見つけた瞬間、頭の中から「走らない」が抜けてしまう。
これは、記憶力がまったくないという意味ではありません。
その場の刺激、感情、衝動が強くなると、前に言われたことを使いにくくなることがあるのです。
怒られたことを覚えているかどうかより、「次に同じ場面で何をすればいいか」が分かっているかを確認しましょう。
子どもは「だめ」と言われただけでは、次の行動を選べないことがあります。
「走らない」ではなく「歩こう」。
「触らない」ではなく「手はポケット」。
「うるさくしない」ではなく「声を小さくしよう」。
このように、代わりの行動まで伝えると届きやすくなります。

たしかに「やめて!」ばっかり言ってたかも。子どもからしたら、「で、何すればいいの?」状態だったのね。

そうだわん。禁止だけより、次にする行動をセットで伝える方が分かりやすいわん。
怒られても響かない子は心が強いわけではない
怒られても響かない子を見ると、「この子は何を言っても直らない人なのかな」と感じることがあります。
親が真剣に注意しているのに、本人がケロッとしていると、余計に腹が立ちますよね。
でも、怒られても響かないように見える子が、本当に何も感じていないとは限りません。
怒られた時に、気まずさを笑ってごまかす子もいます。
怒られた理由より、親の表情や声の大きさに圧倒されてしまう子もいます。
「ごめんなさい」と言えば終わると学習していて、行動の直し方までは考えられていない子もいます。
つまり、「響かない」のではなく、注意が行動の改善につながっていない可能性があります。
怒ること自体がすべて悪いわけではありません。
危ないこと、人を傷つけること、ルールを大きく破ることは、止める必要があります。
ただ、毎回強く怒っているのに変わらないなら、怒り方を強めるより、伝え方と環境を変える方が効果的なことがあります。
6歳や小学生はまだ自分を止める力が育つ途中
6歳や小学生は、言葉で分かっていても、行動を止める力がまだ育つ途中です。
「分かっているならできるはず」と思いたくなりますが、子どもは大人ほど自分の衝動や感情をコントロールできません。
特に、楽しい、悔しい、早くやりたい、負けたくない、見てほしいといった気持ちが強い時は、注意されたことを思い出しにくくなります。
たとえば、家では「順番を守ろう」と言える子でも、公園で友達が遊んでいると割り込んでしまうことがあります。
学校では「静かにしよう」と分かっていても、面白いことがあると大きな声が出ることがあります。
これは、子どもが親をなめているからとは限りません。
その場の気持ちが強すぎて、ブレーキが間に合っていないことがあります。
だからこそ、6歳や小学生には「一度言えば分かるはず」と考えすぎない方がよいです。
同じ注意を何度もするより、同じ場面で同じ行動ができるように、短く、具体的に、繰り返し練習することが大切です。
何度も注意されても治らない子どもと発達障害の関係

何度も注意されても治らない子どもを見ると、発達障害や病気を疑う方もいます。
この不安は自然です。
ただし、家庭で同じことを繰り返すだけで、発達障害と判断することはできません。
発達障害かどうかは、医師などの専門家が、生活全体の困りごとや発達の経過を見て判断するものです。
ここでは、家庭で見られる行動と発達特性の関係を、決めつけない形で整理します。
発達障害の子は「分かっているのにできない」が起きることがある
発達障害やグレーゾーンの子では、「分かっているのにできない」という状態が起きることがあります。
たとえば、ADHDの特性がある子は、不注意、衝動性、多動性の影響で、指示を聞き続ける、順番を待つ、思いついた行動を止めることが難しい場合があります。
そのため、怒られてもすぐ忘れるように見えたり、注意されても同じことを繰り返す子どもに見えたりすることがあります。
また、自閉スペクトラム症の特性がある子では、言葉の受け取り方、場面の読み取り、予定変更、こだわりなどが関係して、同じ行動を繰り返すこともあります。
ただし、これは「同じことを繰り返す子は発達障害」という意味ではありません。
睡眠不足、疲れ、ストレス、環境、親子のやり取り、年齢的な発達でも似た行動は起こります。
気になる場合は、家庭だけで判断せず、園や学校、スクールカウンセラー、発達相談、医療機関などに相談してみましょう。
病気かどうかより「生活で困っているか」を見る
「これは病気なの?」と考え始めると、親は不安になります。
ネットで調べるほど、ADHD、自閉症、発達障害、グレーゾーンなどの言葉が出てきて、さらに心配になることもあります。
でも、家庭でまず見たいのは、名前をつけることだけではありません。
大切なのは、生活の中でどれくらい困っているかです。
同じ注意を繰り返していても、少しずつ改善している、場面によってはできる、本人も分かっているなら、関わり方の工夫で変わることがあります。
一方で、本人が困っている、周りとのトラブルが多い、学校生活に支障がある、親子で毎日激しくぶつかる場合は、早めに相談した方がよいことがあります。
診断名があるかないかに関係なく、困りごとがあるなら支援を考えてよいです。
「障害かもしれない」と不安になるだけで終わらせず、「どんな場面で困っているか」を記録しておくと、相談しやすくなります。
何言っても直らない人に見える時ほど環境を変える
何度注意しても変わらないと、「何言っても直らない人なんだ」と思ってしまうことがあります。
でも、同じ環境で同じ注意を続けているなら、子どもも同じ失敗を繰り返しやすいです。
たとえば、玄関にランドセルを置きっぱなしにする子に、毎日「片づけなさい」と言う。
それでも直らないなら、言葉を増やすより、玄関に置き場を作る方が効くことがあります。
食事中に立ち歩く子に、毎回「座りなさい」と言う。
それでも続くなら、食事時間を短くする、座る位置を変える、最初の5分だけ座れたらほめる方がよい場合があります。
注意を環境に変える例
「片づけなさい」→ 置き場所に写真ラベルを貼る
「走らない」→ 玄関で「家では歩く」と確認する
「忘れ物しないで」→ 持ち物チェック表を作る
「騒がない」→ 声の大きさを1〜3で決める
「早くして」→ タイマーで見える化する
「ちゃんとして」→ 今やる行動を一つだけ伝える
「またやったの?」→ できた瞬間にすぐ認める
子どもを変えようとする前に、行動が起きやすい環境を変えてみましょう。
注意の回数を減らすことは、甘やかしではありません。
子どもが成功しやすい形に整える支援です。
何度も注意されても治らない子どもへの家庭での対応

何度も注意されても治らない子どもには、注意の量を増やすより、伝え方を変えることが大切です。
親は何度も言っているつもりでも、子どもには「怒られた記憶」だけが残り、何をすればよいかが残っていないことがあります。
ここでは、家庭で取り入れやすい対応を紹介します。
注意は短く具体的にする
子どもに注意する時は、短く具体的に伝えましょう。
長い説教になるほど、子どもは何を直せばよいか分からなくなります。
特に怒られてもすぐ忘れる子、注意されても同じことを繰り返す子どもには、一度にたくさんの情報を入れない方がよいです。
短くすることで、子どもが受け取りやすくなります。
注意は、親の気持ちを全部伝える時間ではなく、子どもが次に何をするかを伝える時間です。

私、注意のつもりが途中から反省文の朗読会みたいになってたかも…。

気持ちは分かるわん。でも、子どもに届けるなら「短く・今することだけ」が合いやすいわん。
叱る前に「できる形」を作る
同じことを繰り返す子には、叱る前にできる形を作ることも大切です。
たとえば、毎日朝の準備で怒られる子に「早くして」と言い続けても、変わらないことがあります。
その場合は、朝やることを紙に書く。
終わったらチェックする。
服やランドセルを前日に準備する。
このように、できる形を先に作ります。
できる形を作る工夫
・やることを紙に書く
・写真やイラストで見える化する
・持ち物の置き場所を決める
・タイマーを使う
・一度に一つだけ指示する
・始める前にルールを確認する
・できたらすぐに認める
・失敗しやすい場面を先に減らす
注意されても同じことを繰り返す子どもには、「注意されないとできない環境」ではなく、「自分で思い出しやすい環境」を作ることが助けになります。
親が毎回言わなくても、紙、場所、タイマー、ルール表が子どもを助けてくれる形にしましょう。
できた瞬間を逃さずほめる
何度も注意される子は、「怒られる経験」が多くなりがちです。
でも、子どもの行動を変えるには、できなかった時だけでなく、できた時に気づくことも大切です。
ほんの少しでも止まれた。
一回だけ順番を待てた。
言われたあとに戻ってこられた。
小さな成功を見つけたら、その場で短く伝えましょう。
ここで大切なのは、性格ではなく行動をほめることです。
「いい子だね」だけではなく、「今、歩けたね」「手を止められたね」と具体的に伝えると、子どもは何がよかったのか分かりやすくなります。
注意よりも、できた行動を増やす。
その視点が、同じことを繰り返す子への大きな支えになります。
何度も注意されても治らない子どもは障害の特性があるか相談する目安

家庭で工夫しても、同じ困りごとが続くことがあります。
その場合は、親だけで抱え込まなくて大丈夫です。
何度も注意されても治らない子どもは、本人も困っていることがあります。
「また怒られた」
「どうせ自分はだめ」
「やめたいのにできない」
そんな気持ちを抱えている子もいます。
相談は、親の育て方を責めるためではありません。
子どもに合う関わり方を一緒に探すためのものです。
学校でも同じ困りごとがあるなら共有する
家庭だけでなく、学校でも同じように注意されている場合は、先生と情報共有しましょう。
小学生の場合、授業中、休み時間、給食、登下校、友達関係など、家庭とは違う場面で困りごとが見えることがあります。
先生に相談する時は、「困っています」だけでなく、具体的な場面を伝えると話が進みやすくなります。
先生に伝える例文
「家で何度注意しても、同じ行動を繰り返します」
「怒られてもすぐ忘れるように見えて、親も対応に困っています」
「学校でも同じような様子があるか教えていただきたいです」
「注意の仕方を家庭と学校でそろえたいです」
「本人ができた時の声かけも共有したいです」
家庭と学校で同じ見方ができると、子どもも混乱しにくくなります。
「なぜできないのか」を責めるより、「どうしたらできる形になるか」を一緒に考えましょう。
専門機関に相談してよいケース
発達障害や病気が心配な時は、専門機関に相談しても大丈夫です。
相談先には、自治体の発達相談、子育て相談、児童発達支援センター、教育相談、スクールカウンセラー、小児科、児童精神科などがあります。
相談する時は、「障害かどうかを決めてほしい」だけでなく、日常の困りごとを具体的に伝えると役立ちます。
記録があると、相談先でも状況が伝わりやすくなります。
親の記憶だけで説明しようとすると、どうしても「いつも」「何度も」「全然できない」という言葉になりやすいです。
でも、具体的な場面を書いておくと、子どもに合う支援を考えやすくなります。
まとめ。何度も注意されても治らない子どもは障害の特性があるのかを考える前に叱る仕組みを変える

何度も注意されても治らない子どもを見ると、親は不安になります。
怒られてもすぐ忘れる。
怒られても響かない。
注意されても同じことを繰り返す。
そんな様子が続くと、「障害なのかな」「病気なのかな」「何言っても直らない人なのかな」と考えてしまうこともあります。
でも、同じことを繰り返すだけで、すぐに発達障害と決めつける必要はありません。
一方で、家庭や学校で困りごとが続き、本人も周りも苦しくなっているなら、発達特性を含めて相談することは大切です。
子どもの行動を変えるには、叱る強さを上げるより、分かりやすさを上げることが大切です。
「何回言えば分かるの?」を、「次は何をすればいいか一緒に確認しよう」に変えてみる。
「またやったの?」を、「できる形を作ろう」に変えてみる。
その小さな工夫が、親子のしんどさを少し軽くしてくれます。
親だけで抱え込まず、学校や相談先ともつながりながら、その子に合う関わり方を見つけていきましょう。

注意を増やすんじゃなくて、子どもが思い出しやすい形に変えるのね。少し気持ちが楽になったかも。

その通りだわん。子どもを責める前に、伝え方と環境を整えるのが大事だわん。
参考文献・出典
- 発達障害教育推進センター「注意欠如多動性障害(ADHD)」
- 発達障害教育推進センター「指示に従って、課題や活動をやり遂げるための指導・支援」
- 発達障害教育推進センター「行動面でのつまずきと指導・支援」
- 国立障害者リハビリテーションセンター「各障害の定義」
- こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために」
https://cpedd.nise.go.jp/about-developmental-disorder/knowledge/adhd/
https://cpedd.nise.go.jp/support/individual/0700f72dbef105366aeda0f3ad24213c/
https://cpedd.nise.go.jp/individual_cat/kodo/
https://www.rehab.go.jp/ddis/understand/definition/
https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/taibatsu/



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