「1歳半健診が近いのに、全然指差しをしない…」
「ネットで調べたら発達障害という言葉が出てきて、怖くなってしまった」
「指差しをしないのって、普通?それとも何かあるの?」
そんな不安を抱えながら、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

まず、「1歳半で指差ししない=発達障害が確定」ではありません。指差しの発達には個人差があり、指差しをしていなくても他の方法でしっかりコミュニケーションをとっている子もいます。
ただ一方で、指差しは「言葉の発達」「コミュニケーション力」「社会性」すべての土台になる重要なサインであることも確かです。1歳半という時期に指差しが見られないとき、何を確認し、何をすればいいのか——この記事で丁寧に解説します。
この記事でわかること:指差しとは何か・種類・1歳半で出ない原因・発達障害との関係・心配なサインの見分け方・家庭でできる関わり方まで、具体的にまとめました。
指差しとは何か。なぜ1歳半健診でチェックされるの?

こんにちは!親子の相談窓口、おやまどの鈴木です。
「指差し」と聞くと「絵本を見て、犬を指でさす行動」をイメージする方が多いかもしれません。でも発達の文脈での「指差し」はもっと広い意味を持ちます。
「指差し」は言葉が出る前の大切なコミュニケーション手段

指差しとは、まだ言葉で上手く伝えられない子どもが「これが欲しい」「あれを見て!」「あれはなに?」を指で表現する行動です。
絵本の犬を答えられるかどうかだけでなく、散歩中に犬を見つけて「あ!」と言いながら指をさしてママを見る——そういう「誰かと何かを一緒に見たい」という気持ちの表れが、発達の視点でより重要とされています。
中でも「共感の指差し(叙述の指差し)」は特に重要です。これは「自分と相手と、それ以外の何か」という三者の関係(三項関係)が成立していることを示しており、言語の発達・社会性の発達の土台になります。
指差しの発達段階。いつ頃から何ができるようになる?

| 時期の目安 | 見られる発達の様子 |
|---|---|
| 生後9〜10ヶ月頃 | 大人が指差した方向を目で追えるようになる(指差しの先を見る) |
| 生後11ヶ月頃 | 興味のあるものを「あー!」と声を出しながら指差そうとし始める |
| 1歳〜1歳半頃 | 要求・共感・叙述の指差しが出てくる。「あれ見て」と大人に伝える指差し |
| 1歳半〜2歳頃 | 「ワンワンどれ?」に指で答えられる(応答の指差し)。言葉と連動してくる |
これはあくまで目安であり、個人差が大きい時期でもあります。上の表より少し遅くても、全体の発達のバランスを見ながら判断することが大切です。
1歳半健診で指差しをチェックする理由。「言葉」だけでなく「つながろうとする力」を見ている

1歳半健診で指差しを確認するのは、単に「指が動くか」を見るためではありません。
指差しという行動の中には次のような力が含まれています。
1歳半健診で指差しを通して確認していること
✓ 言葉の理解力(「ワンワンはどれ?」を理解して答えられるか)
✓ 人と「一緒に何かを見る・共有する」意識があるか
✓ 模倣力・学習する力(親の指差しを真似できるか)
✓ コミュニケーションへの意欲(伝えたい・知りたいという気持ち)
✓ 三項関係の成立(自分・相手・ものの三者関係)
これらはすべて、言葉の発達・社会性の発達の基礎となるものです。指差しはその「窓口」として使われているのです。

指差しって「指が動くかどうか」だと思ってた。「人とつながろうとする力を見ている」って知らなかった…

そうなんだわん!だから指差しの有無だけじゃなく、「ほかにコミュニケーションの形が育っているか」を一緒に見ることが大切なんだわん!
1歳半で指差ししない原因。考えられるケースを整理する

「なぜ指差しをしないのか」の理由はひとつではありません。大きく分けると次の4つのケースが考えられます。
ケース①発達のペースが少しゆっくりなだけ(個人差の範囲)

1歳半時点ではっきりした指差しが出ていなくても、数ヶ月後に急に出てくる子も多くいます。発達全体のペースがゆっくりなだけで、その後順調に伸びていくケースです。
このケースに多い特徴は次のとおりです。
「個人差の範囲」に多い様子
✓ 指差しはしないが、目はよく合う
✓ 名前を呼ぶと振り向く・反応する
✓ 親の表情や声に反応して笑ったり泣いたりする
✓ 「ちょうだい」「ポイして」など簡単な指示が通じる
✓ 欲しいものがあると手を伸ばして親を見る(視線でコミュニケーション)
✓ 親の動作を真似しようとすることがある
これらが見られる場合、指差し以外のコミュニケーションの土台は育っている可能性があります。指差しという「形式」が出ていないだけで、伝えようとする意欲や人への関心は育っているケースです。
ケース②指差しを見せてもらう機会が少なかった(環境的な要因)

子どもは大人の行動を模倣しながら育ちます。周囲の大人が指差しをしながら話しかける機会が少ないと、指差しという行動を学ぶきっかけが減ることがあります。
忙しい毎日の中でゆっくり絵本を読む時間がない、画面(テレビ・スマホ)と過ごす時間が多い、といった環境が続くと、人から人へ「伝え合う」経験が少なくなることがあります。
ケース③聴力の問題が背景にある場合
「ワンワンはどれ?」という問いかけへの応答の指差しが出ない場合、言葉が聞こえていない・聞き取りにくいことが背景にある場合があります。
乳幼児期に多い滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、軽度の難聴を引き起こしながら外見的な症状が出にくいため気づかれにくい疾患です。「言葉の発達が遅い」「呼んでも振り向かないことがある」という場合は聴力の確認も大切です。
聴力に問題がある場合に見られやすいサイン
✓ 名前を呼んでも振り向かないことが多い
✓ テレビの音を大きくしたがる
✓ 大きな音には反応するが、小さな声には反応しにくい
✓ 発音が不明瞭・言葉がなかなか出ない
ケース④ASD(自閉スペクトラム症)など発達特性が関係している場合
ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもは、他者と気持ちを共有しようとする意識が育ちにくいことがあります。そのため、「見て!一緒に見て!」という共感の指差しが出にくい傾向があります。
ただし、指差しがないだけでASDと判断されるわけではありません。ASDの診断は、コミュニケーション・対人関係・限定的な興味など複数の観点から総合的に行われます。
指差し以外に気になるサインが重なっている場合に相談を検討
✓ 指差しがない + 目が合いにくい
✓ 指差しがない + 名前への反応が薄い
✓ 指差しがない + 人より物や特定のものへの強い関心
✓ 指差しがない + 親の真似をすることがほとんどない
✓ 指差しがない + 言葉の理解がほとんど見られない
また、指差しの代わりに「クレーン現象」が見られることがあります。クレーン現象とは、親の手を引っ張って自分の代わりに操作させようとする行動です(「ドアを開けて」と親の手を持ってドアに押し付けるなど)。1〜3歳の時期にクレーン現象が見られても、それだけで発達障害と判断されるわけではありませんが、他のサインと重なっている場合は相談のきっかけになります。

うちの子、指差しはしないけど、目は合うし名前呼んだら振り向く…これってどっちなの?

目が合う・名前に反応するは大切なプラスのサインだわん!「指差しだけが出ていない」なら、個人差の範囲の可能性もあるわん。次のセクションで「どこを見ればいいか」をもっと具体的に説明するわん!
「少し心配なサイン」と「様子見でいいサイン」の見分け方

「指差しをしない」という一点だけで判断するのではなく、他のコミュニケーションの様子と合わせて全体的に見ることが大切です。
「ひとまず様子見でいい」可能性が高いサイン

これらが見られる場合、「指差しという形式が出ていないだけで、コミュニケーションの土台は育っている」可能性があります。数ヶ月以内に指差しが出てくることも多くあります。
「少し心配。相談を検討したい」サイン

「当てはまる項目が多い=発達障害が確定」ではありません。ただ、これらが複数重なる場合は、早めにかかりつけ小児科や保健センターに相談することで、必要なサポートにつながりやすくなります。
「指差しを指差しとして数えていい?」迷ったときの目安

「指は出てるけど、これって指差しなの?」と迷うことも多いと思います。
| 様子 | どう考えるか |
|---|---|
| 手全体でなんとなく方向を示している | 指差しの初期形態として認めてよい場合がある |
| 人差し指だけで明確に差している | 指差しとして扱える |
| 欲しいものに手を伸ばすが親を見ない | 要求はあるが「伝えたい相手」への意識が薄い状態かも |
| 何かを見つけて親の顔を見る(指差しなし) | 「一緒に見たい」気持ちはある。指差しの前段階として良いサイン |
指差しの「形」より「伝えようとしているか・誰かと共有しようとしているか」を見ることが大切です。
家庭でできる指差しを育てる関わり方
「指差しを出させなきゃ」と焦る必要はありません。「伝え合う楽しさ」を日常の中で積み重ねることが、指差しの自然な土台になります。
①親が積極的に指差しを見せる。「真似したい」気持ちを引き出す

子どもは大人の行動を見て学びます。散歩中・絵本を読むとき・食事のとき——あらゆる場面で親が指差しをしながら言葉を添えることが、最も効果的な関わりです。
②「伝わった!」体験を繰り返す。共感のやりとりを増やす

子どもが何かに興味を示したとき(手を伸ばす・声を出す・見る)、すぐに反応して「〇〇が好きなんだね!」「そうだね、キラキラだね!」と言葉を返すことが大切です。
「伝えたら伝わった」という体験の積み重ねが、「もっと伝えたい!」という気持ちを育て、指差しの動機になっていきます。
③画面より「人との直接のやりとり」を増やす

テレビやスマホの映像は「一方向の情報」です。指差しは「誰かに伝える」「誰かと共有する」という双方向のやりとりの中で育ちます。
画面の時間を減らし、その分親や周囲の人と直接のやりとりをする時間を少し増やすだけで、伝え合う経験が積み重なっていきます。「完全にゼロにしなければ」とは思わなくて大丈夫です。「少し人と過ごす時間を増やす」という意識だけでも変わることがあります。
④「指差しを強制しない」。焦りが逆効果になることも
指差しは「楽しいから自然に出てくる」ものです。親が楽しそうに指差しをしていると、子どもも真似したくなります。「練習させる」より「一緒に楽しむ」が正解です。

毎日練習させようとしてたかも…「楽しく一緒にやる」の方が大事なんだね

そうだわん!絵本を読んでいて「あ、これ好きそう!」って一緒に盛り上がる——それがそのまま指差しの練習になってるんだわん。ほのママが楽しんでると、子どもも楽しくなるわん!
まとめ。1歳半で指差ししないとき、大切にしたい3つのこと

最後に、1歳半で指差しをしないとき、親として大切にしたい3つのことをまとめます。

「指差しだけで全部決まるわけじゃない」って知れて安心した。まずは毎日の散歩や絵本を楽しくしながら、もし気になることが続くようなら相談してみる!

完璧だわん!「楽しく一緒にいる時間」が子どもの発達の一番の栄養だわん。ほのママが元気でいることも大事だわん!



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