「何度教えても覚えない。やる気がないとしか思えない」
「宿題をするのに毎晩2〜3時間かかって、親子ともに消耗している」
「漢字だけ、計算だけがどうしてもできない。他はできるのに」
発達障害のある子どもの勉強の悩みは、「やる気の問題」と片付けられがちです。
でも、発達障害のある子どもが勉強でつまずく理由は、やる気でも努力でもなく、その子の脳の特性にあります。
「勉強できない」ではなく、「今の勉強方法が特性に合っていない」だけであることがほとんどです。
今日は、特性別のつまずき方と具体的な工夫をお伝えします。
この記事では、発達障害の特性が勉強に影響する仕組み、ADHD・ASD・SLD別のつまずき方、「ワーキングメモリ」の影響、今日からできる具体的な工夫をお伝えします。
「発達障害=勉強できない」は間違い。まず知っておきたいこと
こんにちは!親子の相談窓口、おやまどの鈴木です。

大前提として、発達障害があるからといって「勉強ができない」とは限りません。
発達障害のある子どもの中には、特定の分野で非常に優れた能力を発揮する子どもも多くいます。
「勉強できない」と感じるとき、それはその子の能力の問題ではなく、「その子の特性に合った学び方に出会えていない」ことがほとんどです。
勉強方法・環境・教材・関わり方を変えることで、見違えるように取り組めるようになる子どもは多くいます。
なぜ発達障害の子は勉強でつまずきやすいのか

学校の授業は「多数派」に合わせて設計されています。
一斉授業・板書を写す・先生の話を聞きながらメモを取る・時間内に問題を解く──こういった学び方は、発達障害の特性がある子どもにとって負荷がかかりやすいものです。
「授業の形式が合っていない」ために理解が進まないのに、「理解する能力がない」と誤解されてしまうことがあります。
また、勉強面での失敗が繰り返されると、「自分はどうせできない」という気持ちが生まれ、やる気自体を失っていきます。
これが「勉強嫌い」「勉強しない」につながっていきます。

「やる気があればできるはず」って思って、毎回叱ってたわ。そうじゃなかったのね…

やる気で解決できない種類の難しさがあるんだわん!「なぜつまずくのか」を知ることが、対応の第一歩だわん!
勉強に影響する「ワーキングメモリ」とは

発達障害の子どもが勉強でつまずく背景に「ワーキングメモリ」の特性があります。
ワーキングメモリとは、「情報を一時的に頭の中にとどめておき、処理する力」のことです。
発達障害のある子どもは、このワーキングメモリの容量が少なかったり、うまく使えなかったりする傾向があります。
「聞いた内容をすぐ忘れる」「板書を写している間に先生の話を聞けない」「2つのことを同時にできない」といった状態になりやすいのはそのためです。
努力して覚えようとしても、脳の仕組みとして「一時保存の容量」が違うのです。
特性別のつまずき方と対応の考え方

発達障害のタイプによって、勉強でのつまずき方が異なります。
お子さんの様子と照らし合わせながら読んでみてください。
ADHDのある子:集中が続かない・聞き逃しやすい

ADHDの子どもが勉強でつまずきやすい場面
・授業中に先生の話を聞き逃す(別のことに意識が向いてしまう)
・宿題を最後まで終わらせられない(途中で別のことが気になる)
・計算の途中で間違えることが多い(不注意なミス)
・忘れ物・提出忘れが多い
・座って集中する時間が続かない
ASDのある子:曖昧な表現・予測外のことへの対応が難しい

ASDの子どもが勉強でつまずきやすい場面
・登場人物の気持ちを読む問題(国語の読解)が苦手
・「〜について考えなさい」など曖昧な指示の問題がわからない
・抜き打ちテストなど予測外のことでパニックになる
・一度覚えた方法を崩すのが難しく、応用問題に対応しにくい
・「なぜこうなるのか」のルールが明確でないと理解しにくい
SLD(学習障害)のある子:特定の学習だけが極端に難しい

SLD(限局性学習症)は、全体的な知的発達に遅れはないのに、特定の学習だけに著しい困難がある状態です。
SLDの主なタイプと特徴
📖 ディスレクシア(読字障害):文字を読むのに極端に時間がかかる。音読が苦手。文章の内容理解が難しい
✏️ ディスグラフィア(書字障害):文字を正確に書けない。板書を写すのが極端に遅い。漢字がどうしても定着しない
🔢 ディスカリキュリア(算数障害):数の概念や計算の手順が理解しにくい。繰り返し練習しても定着しにくい
SLDの子どもは「漢字だけできない」「計算だけできない」というアンバランスな状態になりやすく、周囲から「怠けている」と誤解されやすいことが最大の問題です。
すべての特性に共通する「勉強の工夫」

特性に関わらず、発達障害のある子どもに共通して有効な工夫があります。
①環境を整える:気が散る要因を減らす

机の上に余分なものがあると、注意が分散しやすくなります。
「今やる教科の教材だけ」机に出す。それだけで集中しやすくなります。
また、「ここに座ると勉強する時間」というルールを作ることで、場所と行動が結びつき、切り替えがしやすくなります。
②「できた」体験を意図的に作る
勉強への意欲を回復させる最短の方法は「できた!」という体験の積み重ねです。
難しいレベルから始めるより、「確実にできるところ」から始めて少しずつレベルを上げていくことが重要です。
「こんな簡単なことできてもしょうがない」ではなく、「できた!」を積み重ねることが、次の挑戦への燃料になります。
③「視覚的な情報」を活用する
発達障害のある子どもの多くは、耳から入る情報(聴覚情報)より目から入る情報(視覚情報)の方が処理しやすいことがあります。
色分け・図・マインドマップ・イラスト・動画教材などを積極的に活用してみてください。
「先生の話だけでは理解できなかった」内容が、図や動画で一瞬で理解できることは珍しくありません。
④「叱る」より「方法を変える」

「何度言ってもできない」とき、叱ることで子どもが変わることはほとんどありません。
叱られることで「自分はダメだ」という感覚が強まり、勉強への抵抗感がさらに増します。
「この方法ではうまくいかない→方法を変える」という発想の転換が重要です。
「比較しない」「怒らない」「できていることを見つけて言葉にする」の3つが、勉強への意欲の土台を作ります。

「方法を変える」かあ。毎回同じやり方で怒って、何も変わらなかったのは当然ね…

発想を「この子に合う方法を探す旅」に切り替えるだけで、親も子も楽になるわん!一緒に試していこうわん!
まとめ。「勉強できない」ではなく「合う方法に出会えていない」

今日お伝えしたことを最後にまとめます。
「勉強できない」と感じたとき、その子の可能性を諦める必要はまったくありません。
「この方法が合わなかった」だけです。次の方法を探せばいい。
一人でその方法を探すのが難しければ、話してみてください。

「合う方法を探す旅」だと思ったら、なんかワクワクしてきたわ。今日からタイマーと机の整理から始めてみる!

その一歩から変わっていくわん!「できた!」が積み重なったとき、子どもの顔が変わっていくわん!一緒に見つけていこうわん!



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